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{ルビ箸立=はしたて}に
ひっそりと立っている お箸
いのちの橋渡しを行うもの
せつなさをとおりこして
うれしさがあふれそうな
いのちの輝きの
道のりを
真っすぐに
みおくって ....
遠い風の透けた
銀のしずくが
{ルビ月影=つきかげ}おぼろにひびいて
さびしく薫る
ぬれた黒髪
結いあげる白い手
静かすぎる吐息の重さは
うつろな視線の光
映る予感の静寂が ....
最後まで
射しこむ視線
うっとりと透ける黄金の光に
浮かびあがる白い顔が沈黙をまもっている
一瞬間、
じゅうりんされた庭に
咲く血の花が
わたしの静脈でかおる午後
いく ....
あきらめは
落葉に{ルビ埋=うず}まる倒木だ
{ルビ水面=すいめん}に浮かぶ枯れ葉の息だ
全てに対し
後ろめたいことの無い
青い空をあおぐ
倒木も枯れ葉も
{ルビ生命 ....
水が、渇いていく
いのちある喉から
光陰の{ルビ嗄=か}れる
か細く陽光に
反射する雲へ
終ぞ
逃れられぬ影を傾きつづける
静寂の光
水涯にたたずみ咲いている睡眠
絶大な ....