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十年ぶりのあなたを見て
すこし寂しくなりました

わたしが
紅く染まり
散っていくさまを
じっと見ていたあなた

その輝かしい憂いを失い
探しているように感じます




 ....
吐き出して
吐き出して

郵便局の薄暗がりが頬を撫でる
自動ドアをくぐると
体内時計から螺子が一本
逃げていく
逃げていく
減速度に身を任せ
力を抜いて深呼吸

過呼吸になりそう ....
夏は涙を流してくれない


瑞々しい草木の
しなやかな手に雫を落とす


食卓のある窓の
鈍色ガラスに雫を垂れる

自分たちの体温に気づいた時
季節は泣いてくれる


 ....
犬は閉ざされた窓から外を見上げ
うごめく棕櫚の森に耳をすませていた
そこに勝手な押しつけや創造はなく
素直な発見に頷くまで
あるいは発見がないと悟るまで
心を離すことはないのだろう

犬 ....
闇に川音の迷う{ルビ硲=はざま}の村
トンネルに切り取られた高架橋
しじまを蹴散らしていく道しるべ
{ルビ硲=はざま}に閉じこめられていた記憶が目を覚まし
一瞬顔をしかめるも
手招きに不安を ....
地獄に堕ちた時のために
蜘蛛でも一匹
助けておこう

イヒヒヒヒヒヒヒヒ















蜘蛛を探しに山に出かけた男は
崖から落ち
今 ....
てのひらから
指折り数える時間の粒があふれ出す
指の間からぼろぼろ零れ落ちる速さは増し
掴み取るのが追いつかなくなる
焦って
その姿を子供たちに見られていることに
また焦って
わたしの欲 ....
  鬼さんこちら
   手の鳴るほうへ
    あたしのあとを
     追いかけてきて


校庭に伸びる
わたしの分身
光を与えられない
無邪気な沈黙

朱色に染まる
雲の峰 ....
小原あきさんの悠詩さんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
花詠残影- 悠詩自由詩4*07-10-11
ATM- 悠詩自由詩2*07-8-31
夏は泣かない- 悠詩自由詩24*07-8-2
犬の詩が聞こえる- 悠詩自由詩10*07-7-30
無人駅- 悠詩自由詩8*07-7-27
クワンダトゥア- 悠詩自由詩8*07-7-25
置き去りカンバス- 悠詩自由詩6*07-7-25
影踏み- 悠詩自由詩8*07-7-23

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