おんなのこは
とてもいじわるなので
けたけたとわらいます
たたみのうえ
すっぱだかで
けたけたとわらいます
でんきにぶつかるむしが
そんなにおもしろいのときくと
わたしはじ ....
久しぶりに着た服の
ポケットに手を入れたら
一緒に観た
映画の半券が出て来た。
ゆっくりシワを伸ばして
そっと引き出しの2段目にしまう。
また1つ想い出が増えた。
たましい…だなんて
古臭いことばを
ミルクパン
で。どろどろに溶かしたら
ハートの型に流し込む
いつから
だった
かな
球体関節人形の
股間から
生まれてきた。わたし
だ ....
ブルーローズの花びらが
足元にひとひら飛んで来る
私の前には
鴇色の世界が広がる
ブルーローズの花びらが
ベランダの向こうの子どもの所へ
ふくらんだシャボン玉を
どこまでも追いかける ....
もう一緒にグラウンドを駆け回ることができない友達について、S君は作文を書いた。その作文を読みながら泣いた。その声を聞きながら、僕も泣いた。
とてもかなわない し、かける言葉もない。
春は ....
何も変わらない街並み
古びた家々の塀を猫が歩く
穏やかな陽射しが満ち
平穏の昼下がり
縁台から君の好く吸う
煙草の匂いがした
だけど
君はもういない
坂道を駆け ....
会いに行かねばと思う
30年経った父は老けたと思う
母が老けたからきっと父も老けたと思う
会いたいなんて
これっぽっちも思っていないと思っていたと思う
少ない記憶の中の彼は
またがる肩 ....
お腹を壊してしまった
深い夜の谷底で
誰もが一人きり
カーテン越しに光を放つ
あれは確か電灯だ
冷気が身を纏っても
焼け付く陽光が注いでも
その場所から逃げられず
私だけではな ....
今日という日が重いのは
明日が軽くそれは人差し指に引っ掛けられるほどだから
今日という日が重いので
僕は日向にしゃがんでそこに唾を吐く
少しでも削れればいい
冷たい空気の中でも
太 ....
閉め切った部屋は
つんとした匂い
年に一度の大掃除
何故か三月のこの季節
お気に入りのぬいぐるみは
部屋の一番目立つところ
読み終わった雑誌は
一つにまとめる
....
星も見えない
どこまでも暗い夜
ごうごうと唸る夜の咆哮と
草原を吹き渡る風の音だけが響く
僕はひとりきりの部屋で
夜が明けるのを
時が訪れるのを
ただじっと待っている
わずかに僕を ....
人生は綱渡り
陽がまぶしくて落っこちる
風に吹かれて落っこちる
人にすがって歩くバカ
人をだまして歩くバカ
人生は綱渡り
浮かれて踊れば落っこちる
手を取り合えば落 ....
理由なんてどこにもない
夜中に目を覚ます
何をするわけでもなく
何がしたいわけでもない
とりあえず暗がりの中で
タバコに火をつける
カチッというライターをつける音が
何度もなく繰り返して ....
こんな春晴れの日に
この同じ空の下
貴方は何をしているのでしょうか?
鳴らない携帯電話を握りしめながら
空を見つめる
満開の桜の花に
春の太陽が眩し過ぎて
貴方が見えない
....
蝋梅の溶けゆくさまは蝋に似ず
春眠や豪華三本立ての夢
啓蟄や朝日を浴びて我眠る
流し雛流さず焼きぬ空に舞へ
この土はまだ生きてをり下萌ゆる
龍天に上る日を違へはせぬか
....
あなたが幸せで居ること
それはみんながのぞむこと
私がいつでも願うこと
あなたが私のそばにいれば
あなたの笑顔が見れるのに
あなたと私は向 ....
ねぇ
あなたから
優しい言葉もらうたびに
切なさと恋しさが
どんどん大きくなっていくの
あなたの言葉を
受けとるとね
心が
なんだかとっても
あったかいんだよ
あったかすぎて
泣け ....
凍える手のひらを
りんごほっぺに
ぺったりくっつけ
まっさらな
じゅうたんの上に
一人立つ私は
ホワイトプリンセス
確かここには
ゆらゆら舞い散る
桜の花びら
....
影を踏むように
引き留めても
すり抜けて
肌に服にはりつき
ぬぐいきれない汚れのように
透明でいとおしい
たんぽぽが
そこにあった、ということ
ロゼッタの刻印を
....
溢れ出したそれを
上手く、染み込ませて
作り上げるの
その後に
何で彩るかは
勿論、
作り手次第だから
甘酸っぱいあれを
乗せよう
そして
....
白と黒の狭間で
{ルビ女郎花=をみなへし} 一輪 揺るぐ
その花
は
強いらしいので
ぼくは
ぼんやり見つめるだけです
忍び寄る夜 ....
ひかりが刺す
季節を切り取って
差し出す
ひかりがさす
まぶしいから
細めて
睫に燐光がいくつか
引っかき傷もいくつか
ついて
それできみの輪郭がようやくはっきりした
....
しろ と ちゃいろ
たまご が ふたつ
ぼく は まよわず
しろ を えらんだ
とん とん とん
わったら からっぽ
そこに いのち は なかった
....
風強くお前の街に吹く昼間白木蓮の揺れるのを見る
この街に急坂多く溜息の代わりに花を見上げれば春
裏道の黄色い壁の家の傍愛した人の影だけ長し
自分の言っていることが「正しい」という言葉には気をつけよう。
「正しさ」は必要だ。矛盾しているだろうか。
誤解のないように慎重に言葉を選ぼう。
「正しさ」を希求するための言葉のや ....
こんな冷たい風の夜
1人がんばる君のために
空から星が降りてきた
東京に来て八ヵ月が終わろうとしてる。
その実感が少しづつ沸いてきて、博多に帰る。
未来は確実に迫っている。
東京を総括する。なんて大げさなモンじゃあないが、いつも、九州代表の気分だったから、東京 ....
潔さにも限界がある
よく言う言葉があるっけ
「誰にも迷惑かけていないから」
例えば花
お前は誰にも迷惑はかけない
そう、
その其の侭が美しい
日々に疲れた私がいる
....
つい最近まで
小さくうなだれていたのに
海の地平線までしっかりと
見つめるようになった君の瞳
明日かもしれない切なさを
胸の奥で感じながらも
瞳の眩しさは
陽を浴びて光り輝く海原のよ ....
遥か遠い未来
人類は一度滅亡した
放射能に満たされた地球は
再び人類が支配していた
ようやく科学文明が芽生えた頃である
土の中から
直方体をした箱が出土された
その一つの面には上下を赤と ....
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