少しずつ
明かりが点り始めた街を
歩道橋から眺める
気ままな
散歩の途中で
緩やかなカーブを描いて
線路の上を走る電車
朝に出掛けた人達も
またこの街に
戻ってくるんだ
....
あの頃
夏は飛沫だった
太陽の光も
プールの水しぶきも
弾けるサイダーも
無意味に思えるほど眩しく輝く飛沫だった
バスに乗って
あの頃に帰ろう
せめて
記憶を辿っ ....
誰も知らないその庭に咲く薔薇
朝一番の雨に濡れた赤い薔薇を求めて
僕はたどり着いた 足をひきずりながら
かぐわしいその香りを嗅げば幸せになると
ただひとつの愛を得られるとずっと信じていた
....
僕は生まれつき両足があります
歩くことを簡単だと感じていた
僕には生まれつき両手があります
名前を書き
ウタを描きます
何も持っていなくても良い
風に
遠くの ....
右手にアイボリー色の傘
左手にスケッチブック
いつもの原っぱ
大きなくすのきの下に
しゃがみこむ
パレットにはお空の涙
透明な絵の具を
筆先に含ませ
描写する世界は無限色
....
見上げた空
偶然の 流れ星
あの日の涙 思い出す
サヨナラ ナミダ
さよなら あなた
夜明けとともに
目的もなくふらふらと
外を歩いてみる
そこの夏は冷たかった
葉の上の雫に触れ
その一瞬にしかない冷たさは
手のひらの中で
やがて消えてゆく
川のせせらぎの音も
....
ほら
きっとあの雲のなかには
朝陽が隠れてる
薄い天使の梯子を下ろして
わたしを天空へといざなう
雲の色も形も
刻々と変わって
変わらないものなんてなくて
永遠なんて信じない
この一瞬がすべて
....
君のアドレスを消去することにした
一件消去しますか
イエス
一見消去しました
僕は 君を忘れることができるだろうか
A「明日から夏休みやね…」
B「『青春18きっぷ』買ったんだ」
A「『乗り放題のトクトクきっぷ』っていうやつ?」
B「そうそう。それそれ。」
A「どっか行くの?」
B ....
私。
どっぷり
水に浸かって
悩んでいました
生きるべきか
死ぬべきか
ここは闇
先の見えない
私。
迷っていました
出るべきか ....
あー
まぁ、よく批評なり感想なりを寄せる人間なので、ひとつそういうことをする、にあたっての立場表明などしておくと、読む人も読みやすいかなと思ってしてみます。
自己紹介みたいなもんかな、あれっしょ、 ....
GIVEが先、TAKEが後
与えて与えて与えて
始めて貰える物
皆損得で動いている
GIVEばかりでもだめ
TAKEばかりでもだめ
GIVEですぐに見返りを
期待すると行き詰ってしま ....
何かに追われて
自分が見えなくなって
約束すら忘れて
遠い遠い道のりの途中で
出会いがあった
運命と呼ぶには
少し大袈裟な
そんな出会い
他人は他人
自分は自分
....
すべてを解り合える
そんなことを考えるなんてどうかしていた
けれど、たぶん
それが終点であり、始点でもある
私たちは循環するバスに乗っている
片手に
希望という鞄を ....
アイタイキモチを結句に
歌えるようになったとき
恋が始まるのだと誰が言ったのだろう
2002年5月8日
あなたは今、幸せですか
リフレインしてやまない君の問いかけに
若 ....
暴風で倒れたトウモロコシ畑の
その隣で新しい工場が建て始められ
太い鉄骨がまっすぐに立てられた
まだ収穫されていないままの
その実を背中にした
作業員の目は悲しそうだった
鉄骨は太陽の光を ....
歌うような朗読を
独白のような朗読を
破壊しなければならない
たたみかけるようなものを
積み重ねてゆくようなものを
破壊しなければならない
薄皮を剥げ
じぶん ....
明日の夜 君はきっと 僕に似た女の子とキスをする
月の光りに照らされて 綺麗な影が伸びるだろう
僕が嘘をついて 君が嘘をついて
ふたりがうまくいくのなら
良いんじゃないか
....
風は言葉を求めていた
無言で動き続ける自分に
自分の存在を
何かにあるいは誰かに
伝えたかった
街は重厚な壁に遮られ
跳ね返されるか
止められるかで
風の居場所はなかった
風は森 ....
ひとりで食べる夕食は
いつものように
電子レンジでチンして3分
たった3分
それでも3分
どうにも待ちきれなくて
電子レンジの前で腕組みしながら
ながめるタイマーは
永遠にカウ ....
頭のなかは
命令でいっぱいだ
×か○か、?か!か、
そんなものでいっぱいだ
打ち合わせを終えて
いま大阪に向かっている
なにもリラックスできない
気持ちよ ....
大人になんてなりたくないと
思った時から
ずっと星を探していた
将来への自信と
可能性への期待に満ち溢れて
星は必ず見つかるものと
全ての人に全ての星があると
それが当然だと思っていた
....
わたしを束ねてください
かなしみに もれなくついてくる ささやかな希望と
私とを束ねてください
わたしが集めたささやかな希望を
あなたの手で束ねてください
....
お香の代わりに
蚊取り線香を
焚いている
タバコも止めた。
洗濯物を干した
雨が降りそうだ
友人にお前、元気に
なったな。と言われた。
会社から本を貰った。
嬉しかった。
....
草あざみ風はどこへと吹くのやら
一人の道に時は惑いて
くちづけはブーゲンビリアあかあかと
見つめる瞳にしずむ太陽
透きとおる{ルビ項=うなじ}をみせて{ルビ月見 ....
ぼくのこの手に
あのあたたかい
陽だまりを拾うことができるなら
あなたのもとに持ってゆくよ
いのりが
ああ、
きこえない
キズだらけのあな ....
楽しいときほど
思い出してしまうのは
あなたと過ごした夏が、きっと
あまりにも輝きすぎていたから
あいたい、と
そんなき持ちに自分の笑い声で気がついた
だって二年前、あ ....
心の中の海が騒いでいる
いつまでも鳴り止まない潮騒
僕は不安でたまらなくなる
こうして本当の海を眺めていても
聞こえて来るのは僕の心の潮騒か
それとも目の前にある海の波の音か
それさえ ....
なにも伝えられない
こんな夜は
静かにあなたの詩でも読んでいよう
なにも言えない
こんな夜は
静かにあなたの歌声でも聴いていよう
今夜だけは
あなた
ひとりでい ....
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