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ささやかな我が家は
海風を松林がさえぎる
小さなキャンプ場に
僕と君の子供の手で建てた

細引きはしっかり引っ張ってとか
ペグは斜めに打ち込んでとか
入り口の向きの決め方とか
寝心地の ....
体温は
ひとつになるアルビレオ
今日からは
遠心力で結ばれる

意志が
それを果てるまでと誓うだろう
ある時は照らされる者の影であり
そしてお互いだけが
救える日々の

満ち ....
夜が季節の名前ならば
今夜は惜春
雷雨が迫る黒雲
まだらに明るい空を映して
海が水銀のように揺れる
指先の温度が融点の
あなたという液体
わたしという液体

いつまでも
満たさ ....
{ルビ劔箭=つるぎや}神社からの
細い参道の坂道が好きだった
不思議な人体図がかけられた漢方薬局
古ぼけた占いの館
必ず救われる新興宗教の教会
日本で3番目に大きいという大仏
確かめようの ....
蝉の羽根は綺麗だね
落葉樹が真冬に
枝に張った
シャボンの虹色だ

大人になりたかったかい
ほんとうはずっと
いごこちの良いこの樹の根元で
ずっとずっと、すごしたかったろう

 ....
なにげなく息苦しくなる
自由に生きるとわがままで
いい人でいると酬われない
狭苦しい海だね、まるで
しおからいもので満たされて
泳ぐためにも浮くためにも
そして沈むためにも
抵抗や圧力が ....
風が吹き抜けるたびに
路地から空を見上げる
鳥の影、あの鳥がまた
飛び越えていくのかと

見上げた先の色は様々で
いつも、すぐ忘れてしまうから
黒い影だけは憶え続けるのか
鳥のかたちに ....
影を踏むように
引き留めても
すり抜けて
肌に服にはりつき
ぬぐいきれない汚れのように
透明でいとおしい
たんぽぽが
そこにあった、ということ

   ロゼッタの刻印を
    ....
今日、世界が終わるとしても
教えないでいてください
怖いからではありません
やっぱりわたしは
明日の約束をしたい、あなたと

    交わされることのない言葉
    くちぐせのような夢 ....
合理的で清潔で、迷いがない

自由で無責任で、自己責任で排他的で恣意的で、有限で
科学的で哲学的で、宗教的な世界が私に指し示した絵画
時間は正確で、太陽の動きとは関係が無く、季節は曖昧

 ....
灯台の積層レンズから
ここにいる、と叫ぶ声は
遠くからは星
近くからは秒針
海霧に照らし出す
港という駅

造船所の大きなクレーンを
右手にみながら
故郷はいつも
思い出せない何か ....
色の名前を忘れていく
最初に忘れたのは
花の色を真昼の
それにする太陽
そして、ものまねの月

雨の色を忘れていく
濡れるものとそうでないもの
雲の内側では透明の
感傷にも似た
匂 ....
規格品だ
たいせつなのは
精度を上げること
僕らは
マネキンの体温
段ボールの棺桶
まばたきを奪われ
生まれても
生まれていなくても
そのまま
立ち尽くすこと

美しいひとよ
 ....
闇の中で抱きしめる
体温だけを信じられるように
つまり、それはそう
あなたを想うだけで
私はどんな場所でも
世界の果てにすることができる

孤独は誰かを欲しいと感じる気圧
星だっていつ ....
名前を呼ぼうとして
ことばに拒絶される
あなたのくちびるなのです
だきしめたいのは
いえ、むしろ
ことばでは居られないから
そばにいて感じたい
あなたのおこす幽かな風まで

   ....
呆然としているだけで流れていくものを時と呼ぶな。わたしたちの
いちばん大きな乗り物は、生まれてきたときの速度を保とうとして
いるだけで、あなたの生き方とは関係がない。冒険せよ勇気を持っ
て自らの ....
萩原重太郎さんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト(16)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
キャンプ場の我が家で帰りを待つ- たりぽん ...自由詩13*07-5-30
アルビレオの誕生- たりぽん ...自由詩10*07-5-28
メルティング・ポイント- たりぽん ...自由詩14*07-5-19
駅・石切- たりぽん ...自由詩13*07-5-10
シャボンの羽根で- たりぽん ...自由詩1207-5-6
月のように生まれることもなく- たりぽん ...自由詩12*07-3-26
地下鉄十六番出口から- たりぽん ...自由詩13*07-3-21
春の泥、にじんで- たりぽん ...自由詩16*07-3-18
春は明日の約束- たりぽん ...自由詩15*07-3-13
あなたは、地図の上では咲かないと- たりぽん ...自由詩12*07-3-12
駅・函館- たりぽん ...自由詩10*07-3-11
桜、わすれていく- たりぽん ...自由詩25*07-3-3
ショーウィンドウ- たりぽん ...自由詩9*07-2-25
握りしめる闇、ねじれた雨- たりぽん ...自由詩14*07-2-17
旋回、なにかの輪郭のように- たりぽん ...自由詩14*07-2-7
踊るとすれば輪舞、できれば砂漠の真ん中で- たりぽん ...自由詩15*07-1-22

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