{ルビ鬱人=うつびと}の 命の水を くみ上げて {ルビ六花=ゆき}を咲かせる 水銀の空
{引用=
好きです、と 迷って言ったら「知ってる」と答えるあなたがやっぱり好きです。
おやすみ、と あなたに言われるそれだけで うまく眠れる人になりたい。
傷付けたい。 そん ....
冬空をひこうき雲はまっすぐに。どこまでもゆく、どこまでもゆけ。
よび戻せ バケツかぶせた 雪だるま 凸凹埋めず 離れた二人
やわらかな光をたばね菜をゆらす瞳に春を住まわせた人
日が長くなってきた
暖かい日がちらほらと
そろそろ学生遍路が道に迷い
路傍で空を見上げる頃か
蝉の鳴き声が聞こえる
まだ冬の終わりだと言うのに
耳鳴りだろうか?
幻聴だろうか?
....
あのこはね、きれいなはなびら はなびらはちょうちょ ちょうちょはきまぐれなはな
夢に見たラーメンほおばりきみ想う 夢にまでみた二人の朝日
{引用=
絵具を溶く指から香るあなたの匂い。だから時々描けなくなるの。
滲み出す画面の先に春があって たまらなくなるから青色を塗ろう
大好きなふたつのものを区別する、わたしの ....
あの空はきっと誰にも描けない{ルビ薄紫=うすむらさき}のグラデーション
白き花 グラジオラスに 魅せられて ひろがる心 おさなごのよに
いつだって留守電のままの息子たち声が聴けない寂しさは闇
バス降りる園児の声がよく響く日本の未来君らに託す
牡蠣フライフワッと揚がる瞬間に別れを告げたあなたを捨てた
赤い薔薇悪いイメー ....
気がつけば骨まで{ルビ柔=やわ}くなるようだカルシウムが少し足りない
心から信じてもらうということは
愛されているということでした
君のこと信じてるって言ったとき
嘘をついてる気分になった
生きていて大事なところで迷うのは
思い込みと信じる ....
ただ横に 在らせる冷たい 我が子ども 今問ふコレは heかitか
昨日死に 迎えた朝の 日差し見て 今問ふ世界の 変化の色を
人の生む ゴミ喰ふ烏を喰ふ野良猫 今問ふ流れる血は誰のもの
....
猫の背のまるみにそって春の陽が君をくすぐる、うたたね日和
ああっ、そういえば昨日だったんだよね
意図的に忘れてた訳じゃないし
これって何なんだろうね
「どうしてなんだよ!」
面と向って尋ねられたとしたら何て答えるべきかな
えっとさあ…
....
彼が
どんなに
鈍感でも
業を
煮やして
諦めてはいけません
彼が
どんなに ....
今日は神楽坂に行きます
ひかり、はベイビーです
休みを取っておそらく何年ぶりの人や
まだ見たことのない人や
知らない人と
セックスは月に1回
できればいいんじゃないかな
....
・国語
休み時間 机の上に伏せられた教科書はみな鳥のかたちで
「死」という字を習い17年経つが何故か未だにうまく書けない
・算数
「算数は嫌いなんだよ数式の突起みてると痒く ....
春、のような水脈を
五線譜に記したく
て
少年は
夜を鏡でうめ尽くす
そして、
怯え
る
柔らかな
こころに角が
生えるとしたら、
それは
芽吹いたばか ....
疲れてきたのかな?
女子マラソン観てたあの人がつぶやいた
どれどれとテレビの画面を見やれば
折り返しまで先頭グループにいた選手が何度も後ろを振り返った
背後に見えるのは何なんだろう ....
ちいさな声
まちがいでなく
そんな
気がしたのです
さくらの木の下で、
ぽつんと
咲きほころんだ
黄色いクロッカスの花に、
そこだけ、せっかちな春がやってきていました
“Ye ....
ちぇっ!
右肩に強い衝撃を感じたと思ったら
見知らぬ男のひとの舌打ちが耳奥にまで突き刺さる
ちぇって言われてもね
いつもと変わらぬおっちょこちょいだから
うっかり階段踏み外して捻 ....
ぱんだちゃんになるんだったら
くまより うさぎがいいな
くまのぱんだちゃんは華々しく迎えられて
テレビに出れる ....
たばこのヤニで煤けたリビングの壁に一箇所
まるで雪景色を穿ったような真新しい壁紙が気になる
あのひとがわざわざ買ってきては飾っていた
贔屓にしてる野球チームのカレンダー
縦じまのユニフォー ....
{画像=100104083022.jpg}
その時は
あなたのその手で いっそ
あたしを殺してくれますか
それができぬのならば
最初から好きにならずにいてください
恋心とい ....
夜半から降り始めた砂が
やがて積もり
部屋は砂漠になる
はるか遠くの方からやって来た
一頭のラクダが
もうひとつのはるか遠くへと
渡っていく
わたしは椅子に腰掛け
挨拶を忘 ....
一二の時まで、わたしは発光していました。
ちいさなわたしは
空き地のハルジオンの隙間に落ちていた
たくさんの欠片(かけら)を
拾い集めては、
序序にじょじょに発光していきました。
....
誰にでも越すに越せない川がある
その川を越えようと試みるもよし
はなから越すことなど考えもせずに使い古しの釣竿一本
かの太公望になった気分で日がな一日
立ち枯れの葦原を渡る北風は冷たく ....
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