みんな大好き!
と叫んだアイドルがいた
その場の誰もが
「みんな」には自分も含まれている
と信じようとして
アイドルの名前を大声で叫んでみたりする
「みんな」
そして「わたしたち ....
ビアガーデン
行けば必ず
雨が降る
赤銅の
肌物語る
紫外線
月を月と識別する為の所要時間が
日に日に大きくなってゆく
眼が見えなくなること
耳が聞こえなくなること
子供の頃はあんなにも恐れていたことが
次第に怖くなくなる
仕方の無いことだと ....
(?)
久しぶりのドライブは仲直りのしるし
お正月に学生さんの駆け登る急坂をアクセル吹かしながら
ふたりを乗せたクルマは芦ノ湖畔を目指す
車内にチェックを入れてみても
知らないおんな ....
心地よい大気に
二酸化炭素の灰は
静かに降り積もり
街路樹がしめやかに光合成を始めて
朝の街は足早に行き交う ひと ひと
流れる河の勢いが増す
何も語らずに
そこに建つ ビル ....
どうやら前に夢について語っていたみたいだが、
人は夢の奴隷にはならないとでも思っているのかい。
目標は追いかけるものをその奴隷にすると言っていたようだが、
そんなことはないよ。
真の目標は ....
死にたいって?
どこかで生きたいと思っている証拠だ
死にたければもう死んでるはず
(1)
あなたにはじめて出逢ったのは
この廃屋が未だ駅舎として機能していた頃のこと
夏草の浸食に怯える赤錆びた鉄路と
剥がれかけた青森ねぶた祭りのポスターが一枚
この駅を訪れるひとと ....
そして雨に濡れた
木は影さす
雨の木の影は遠景の都市を覆い尽くし
雫の滴りが大地に潤いを与えていた
雨雲の空
そそり立つ木々には滋潤
幹には伝う雨
影が色濃く大地に降りる
....
静けさを測る術を探している。冷たさには限界があるのだけど、
静けさを測る術を探している。住宅街の、小さな公園の、真夜中、ブランコをこいで、こいで、鉄の鎖を軋ませて、泣いてしまいそうだ、どこかの家 ....
伏臥の悦楽がやってきて
無音の法悦に浸りながら
大気の肌に触れたなら
読みかけの「ジャンクリストフ」
どんな偉大さでも、偉大なものはすべてりっぱである。
苦悩もその頂点に達す ....
ニュースも見ない
気晴らしのバラエティーなどもってのほか
パソのスイッチは錆ついて
空を ほらこのとおり見上げて
小鳥の声が存在感を増し
たまの音楽はクラッシック
ベトーベンにフォーレ ....
午前中 やるべき事を済ませたなら・・・
軽い昼食と読み止しの本が本棚から取り出され・・・
午後は街に出る
見慣れた商店街
人通りが心もち多いのか
気候が良い分 空気と肌の触れ合いを楽 ....
湿り気を帯びた
黒潮からの風が流れくる
幾分か柔らかさを含んで
太平洋の西のはずれ 日本列島 梅雨
空気が清々しい 今年
寒暖の激しさは何処へ
二酸化炭素の濃度が増えて
肺が ....
同じフロアの同じ間取り
南西向きの小さなワンルーム
好きなひとの去ったベッドに横たわり
ひとりの男の死を想ってみる
駅前のスーパーで買い物を済ませ
近く有料になるとかのレジ袋をぶら下げ
....
ナイフが人を
殺すのか
ナイフで人を
殺すのか
本題はどっちだ
包丁は
ナイフとどう違うのか
包丁が起こした事件と
ナイフが起こした事件と
どちらが多いというのか
ダガ ....
自ら築いた家庭を守る
そんな当たり前の事ができなかったのだと
あのひとは言った
幸せそうな笑顔の傍らをすり抜けるとき
言い知れぬ悪寒を覚えるのだと
あのひとは呻いた
家族のために自 ....
汚水の流れる川の上
工業団地と市街地を繋ぐ橋
毎日多くの通行人が行き交う
弁当箱を抱えた土木作業員
金色ネクタイの青年実業家
貧しい身なりの痩せた老人
手にした紙には“SPAR ....
黄色いニュースが
少女が青年に襲われたと呟いている
放送コードを守った言葉で
暴行されました
乱暴されました
それに耳を犯された私は
どこまでやったのかなあ とか
どんな風にやっ ....
蛙はいつもの様に跳んだ
ゲコゲコッ
膨らむ両頬
夏の陽射しは
緑葉のドームを透かし
蛙を照らそうとしていたからだ
ゲコゲコッ
蛙の着地点は空き缶の上だった
....
円盤来襲
円盤来襲
機銃砲弾
一身に受け
防衛手段
既になく
退避
退避
指揮系統は
支離滅裂に
あふれかえった
避難民の群れ
炸裂 ....
台所で人形を洗っていると
まだ生きた人しか洗ったことがないのに
自分の死体を洗っている気がして
かわいそうな感じがしました
列車が到着したので
あまり混んではいなかったけれど
....
目が合った
ヤバい
ヤバすぎる
めちゃくちゃ
怒っとる
睨んどる
体が動かん
時間は止まる
試しに
手でも振ったるか
ヤバい
ヤバいですよ
メンチ切られとる
強張った
....
ストーキング
ストーキング
やほー
やほー
岩化け
木化け
山に
化け
鏡の中を
覗みこみゃ
ついてる
ついてる
一匹
....
フウテンの辰旅日記(その一)
おれは途中下車してよ
その駅では
もう列車はないてよ
夜だったよ
真夜中に違いねえ
腹が空いてよー
左の角に
一杯飲み屋
暖簾をくぐれば
女 ....
約2年、私は欝で精神病院にいる。
3回の入退院。
ここでの暮らしは快適だった。
全室個室で
プライバシーはしっかり守られている。
誰にも惑わされない。
(自分以外は、ということなの ....
{ルビ老魔法翁=ろうまほうおう}と呼ばれた男は仮にも聖職者
純真が光るヒールアイドルの歌にゃ重苦しいドラムが響くのさ
やれあいつは公務員だからくそったれさ
そっちは米兵だから鬼畜なの ....
忘れられない恋 育てる愛
あなたと歩いたあの公園を
今もまだ歩いている
隣には彼氏がいるけど・・
いつも必ずあなたが立ち止まる場所で
私もいつも立ち止まり
夕日を眺める
彼氏は不 ....
海野小十郎
きみ子 宮房さのみ作曲
海野小十郎作詞
停留所、待っていた君の
横顔、どうしたの
待っていたんです
さっきから
とっても嬉しかったん ....
前略、DEVOを聴きながら
うつむいた冬の溜息
遠くでおはよう 太陽がそっと包み込む
荒れた喉に あぁ風邪をひいてしまったなぁなんて思っていると
置き薬のセールスマンが ....
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