めまいがするほどに単純な設問の数々
「はい」か「いいえ」のいずれかで答えよと記されていた
簡単な筆記試験だからと
人事部のひとはわたしを残し出て行った
小一時間もあれば出来るよね
何だかなあ ....
図書館の本は
公務員みたいに黙って
読まれる、という役目を
少し怠そうに待っている

田舎の図書館は
どうも品揃えが悪くて
本にも覇気が無い

手に取ってみても
抵抗はしないけれど ....
昨日のゴミ置き場で 
幸せそうに日向ぼっこしていた 
白い便器の蓋が 
今日は無い 

腰を痛めて十日間 
介護の仕事を休んでいたら 

先月の誕生会で 
目尻の皺を下げていた 
 ....
who

おまえは誰だって問われても
わたしって誰なのかな
今のわたしがわたしなのか
ほんとうのわたしは他にいるのか
自分探しの旅路
だなんて聞き飽きた科白だけど
わたしってやつは
 ....
ピアノのあしは楽器を支えているのか
それとも音楽を支えているのか
ギターをかき鳴らす仕草は
そのあしに似て、共鳴する独り言
マイクを持って空を指したとき
ひとはただのマイクスタンドでしか ....
優しい国のふもとでは、
テレビのなかで、パソコンのなかで、
夥しいテントが並べられている。
積み木のような高層ビルの森の透き間を埋めて、
資本家の設計した本土総力戦を生きた、
こころに赤い傷 ....
知らない間に溜まっている
財布の中のいらないレシート

レンタルショップ
スーパーマーケット
コンビニ等
合計17枚

中には半年前のもあって
インクの文字が薄くなっている

夏 ....
{引用=これは 稀少なる学位をば修めたる優秀なる雇われ人である。名を小波と申し候。さても遠江の国、自動2輪跨車を製作する工場なるところの職をば拝命せし候。久しく留め置き候ところに、家うちへのいたはりと .... その日、
ぼくらは冷たかった。
ぼくらはいつも凍えていて、
身を寄せ合って、
暮らしていた。
あたたかくなるように、
少しでもあたたかくなるように、
ぼく ....
まもれない
バイバイ、の約束
まもれない

切り出そうか迷う
えいえんの別れ、って
あるんかな



これからずっと
ずっと、の約束
まもれない

これまでだって
いつ変 ....
いつかなんていつだって今でしかなくて

その今をいつまでも繋ぎとめておきたくて

紡いできた言葉はきっと未来へと繋がって

いつのまにかあなたのもとへ




いつかは今 ....
空の
一日が崩れてゆくあたり
もういいやとばかり
投げ出されてしまった光の欠片

渚のように引いてゆく
煙のように戸惑っている
燃えつきる
その一瞬をつかもうとして競った
ぼくらは
 ....
秋から冬へのかわり目だった

昔やった結核のあとも痛んだ

今週はお葬式がふたつあった


まだ午前11時だというのに

夕方の重さを含んだ光だった

曇り空はいい方かも知れない ....
スプーン
十杯ぶんの芝居を
カーテンの外へ
放り出した
金魚や
うさぎが
ひっかかる
月も出ていて
とても明るい街灯だ
オレは次の世は蝶に生まれたいな。
そうしたら、ずっとキミに唇に止まって、キミの蜜だけ吸って生きていくんだ。


その時は、できれば何の障害もなくキミと結ばれたい。
神様はきっと、そこまで意地 ....
拘りは個性である
と 同時に
自分の可能性を奪うもの
でもある。

拘りは過去の習慣の産物で
拘りと呼べる程のものでもない
時もある。

それは拘りなのか習慣なのか
自分に問いかけ ....
 
 
しらんだ空が
産んだ青い退屈
駄菓子屋の秘密
ゆうぐれのすきま
 
纏った仮面を振り回す
夏の日の少年
残像の香りはせっけん
ぶんぶんごま
 
鉛筆を構えるより
丸め ....
ささくれをこんもりと
やわらげてくださいます
ように

こんな詩を書く必要が
ありませんように

つやつや光る葉っぱ
がありますように
とどくよ、届く。

そんなもん、見りゃわかる。


だったら伸ばせ。

さあ、

手を伸ばせ。

だったら放て。

さあ、

さあ。


とどくよ、届く。

 ....
冬時計の 皮をむく
果肉が やぶれて
どろり ながれだす
おもいでを 涙と
いっしょに すする
子宮から産道を通って思いっきり息を吐いたら
絶望が打ち寄せてきた
だけどまだ、母の温もりを知らないので
知るまでは死なないでおこうと思った


階段を登ろうとしたら
絶望が打ち寄せてきた ....
この橋の下には
黒い川の流れがあったはずだ
すべてを押し流そうとした
鉛のように重く黒い川の流れが

燈篭流しの燈篭が流されていった
誰かが投げ捨てた麦藁帽子は橋桁で朽ち果て
パンパンに ....
鮮やかに 雲が 
青空から 吊り下げられて

細いナイロン糸が
結び目を のばして

雲は動く
己の腕の寂しさが続くかぎり
雲は行く
己の知らないくにざかい

雲の影が落ちる
 ....
まあるい形をした絶望
あっちへほうり、こっちへほうり

子どもら原っぱ駆けながら
何でも遊び道具に変わる

月のにおいが漂い始め
みんなのお腹がぐうと鳴る

明日も一緒に ....
ものがたりをしよう
こんな淋しい夜更けには
ものがたりをしよう


青いペアグラスは粉々にくだけ
私の心は深く傷ついた
銀のスプーンを強く噛んで
一人ドアを閉じ貝になる
永遠などない ....
森林の中
ひっそり潜む
小さな月


あさい眠りの
はざ間を泳ぐ
黒い魚影が


ゆらり と
身体をしならせ
ついばんでいく


冷たい魚の接吻に
吸いとられていく
 ....
美術館前の石畳は冷たい雨に濡れ
慌てて開く折り畳み傘は
夢のなかから引き摺りだされたのを
ごねてでもいるのか
機嫌の悪さを隠そうともせず

冷えたこころをあたためてくれた
あなたの背中が ....
月曜日
わたしには仕事などない
だけど、うちにばかりいると叱られるから
とりあえず、仕事に行くふりをして
たんぼの畦道をよろよろと歩いた

畦道は細くなったり
太くなったりして
歩きや ....
言葉で嘘をついても
言葉に嘘はつかない
言葉は嘘から生まれ
言葉が嘘を産みだす

言葉を嘘だと認めた時に
言葉と嘘は切り離される
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070919/135317/

http://business.nikkeibp.co.jp/fb/ ....
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