薄暗き実験室の窓枠にシンボルひとつ干されていたり
短歌について
http://miya-miya.at.webry.info/201109/article_9.html
生き埋めにされた兄が云ふこの世はハッピー ハッピーマンデー マネーマネー
その人の青の時代か腕の傷刑務所見えしときにさすりて
食膳にのぼりしレモン絞りつつ思い出す梶井基次郎の
ワイヤーを握り食い込む手の指に鬱血するを見ている夕べ
四歳の時に生まれし妹よセー ....
さりげなく倒れてゐるそこの男に春の長雨くれてやらう
今月のソープオペラ楽しみにハヤシライスの鍋かき混ぜる
道の向かうからトボけた顔の男現れて胡散臭ひ奴めと花火投げつけられる
プランテーションの無意味さ知るや否や彼は農園に火を放つた
....
痛い痛い雨がやんだら堅い床踏みつける指すこし緑の
眠る人の横で研いでるさみしい女の匂いや色や言葉や
夜はまだ明るすぎるし広すぎる体が重くて朝を見れない
優しさのはりつく頬を撫でた ....
ふたり 夜空を見上げて
満天の星のした
夢 語り合ったね
不安な僕の心を
君の笑顔が支えてくれた
自信のない未来を
君が拓かせてくれた
ずっと君の隣を歩いてゆくと
思っていたけ ....
独立の叫びこだまするソカロにて遠くへ去りし貴女を想う
亡骸の傍を通り過ぎる時人の命の儚さを知る
名も知らぬサボテンを我が落ちぶれた姿に重ね砂漠を過ぎる
月面に跳んで行きたい僕だけど決して現實逃避ぢやないんだよ
窓際に佇んでゐる猫がゐる月を見てゐるのか月に見られてゐるのか
人一倍寂しがり屋なはずなのに
気がつくと、いつもひとりぼっちになってしまう
これも運命ってやつなのかな
※
みんなはひとつの輪になっている
それなのにわたしだけ一歩後ろに下が ....
血の通った肉体で走る 幼い頃の私にならない為に 危機から走る。
あっ
風の軋む音がします
※
母となれなかった女の子供が母となる
子を宿せば母になれる
そんな容易いものではなくて
幼子の抱く古びた操り人形のように
いつのまに ....
その橋の欄干から身を乗り出せば
清らかな流れの中ほどに石ころだらけの中洲
別段、川の流れに抗う姿勢をみせるでもなく
上流に夕立でもあればあっさりと荒くなった流れに呑まれ
ちょうど今ごろの季 ....
あの人から知らせが届いた。
何度か二人で逢った事もある人。
「入籍したの。名字、変わっちゃった。」
バカヤロウ、世の中のバカヤロウ。
世の中は悪くないんだけども、そうつぶやいた。
うんと薄くつくったカルピスは母のワンピースに似て少しかなしい
何かの工場でも移転したのか
住宅街の真ん中にあられた大きな空き地
その空き地を取り囲むようにはためく斎場反対の白抜き文字
いつまで運動は繰りひろげられていくのだろう
はちまちをした町会 ....
これ以上泣いたり笑ったりできないくらいに疲れてそれでもお金は味方だと思った。一粒500円のチョコレートを買ったり髪の色を5日ごとに変えたりしてそれでやっと立てている感じがした。洋服より下着にお金をかけ ....
原爆が落とされた日は遠くても被爆者にとっては近過ぎる事実
今もまだ震災の傷癒えなくてひときわ光る復興への愛
日本海にしずむ
落陽は
おおきくて美しい
と、ラジオでだれかが言った
*
かつて
五島灘にしずむ
落陽を
―― オレンジ色のおおきな
....
蛍光色の空を
眺める
鳥の目も
蛍光色で
そこからしみだした色が
鳥の身体を伝い
なんだかいろんなものを
蛍光色に染め上げる
鳥はあわてて
蛍光色をついばむけれど
色とともに崩 ....
あの子に囁きかけようとして
椅子から転げ落ちちゃった
ぼくは
今でもおぼえてるんだ
みんなで作ったロケットを
こわしたのは達也じゃない
ぼくだ
今でもおぼえてるんだ
こそばゆい ....
その箱のなかには夢が溢れていた
幌馬車に乗っていたり
早馬にまたがり二挺拳銃は火を噴いて
またあるときは電話ボックスから秘密基地へと飛び込めば
誰もが海の向こうの豊かさに憧れた
....
春過ぎて何も知らない通学路柳の下に制服の待つ
まぼろしの夕立にまた軒を借り二本の傘を携えて待つ
図書館の掲示と地方紙の弔事また絨毯の赤は褪せきる
雪に黙りマッチで煙草に火をつけてマフ ....
熟れすぎた花がはじけるとろとろと下着をつけない肌のあいだに
砂浜は背につめたく体温は胸にあつくってどこへもゆけない
こんな日に果実が海に生るなんて 咲かせばすぐに摘み取る指に
人間にあまねく破滅を。
そう願う刹那的な快楽は、雨の降る深夜の
一人きりの部屋の中にふさわしいとのこと。
要するに、吠え回る犬はだまらっしゃいということだ。
音のある集会場に集うのは、
....
銀髪の男はガラス張りの骨組みに四肢貫かれた死のイメージをしていた
青ざめた倉庫街で
少年が自慢の「戦闘機」で痩せた犬を追い回していた
青い塗装のマイクロサイクルで
よう、くそガキ
....
その娘
花いちもんめ
....
{画像=110726012953.jpg}
はるか大昔に天子が山頂にのぼり
おお我が美味し国よと祝詞を上げた山は
小さいころの遊び場だった
山の中腹には幾つか洞穴のようなものもあって
....
犬猫とは違うことぐらい
判っているよ
※
でもね
薄汚れた服でサンダル引き摺ってた女の子
大切にしてもらっているのかな
パートのお母さんと
いつも家でタバコ吸っている男の ....
つめたい指で そっとすくって
両手の隙間から バイバイ
おばあちゃんのエプロン洗って
ごめんなさいって返しにいくの
でておいで 今日の太陽
あなただけが正しいのかもね
ここでの全てが終 ....
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