すべてのおすすめ
火がないのに
いつでも
沸きたてのお湯が出てくる
昔、むかし
食卓の上に
魔法瓶という魔法があった
ただいまと
帰ってくる
冬のこどもたちのために
とても温かい飲み物が
瞬時に ....
希望を乗せて放り上げられた球は
回転しながら
高く 上がり
ゆっ くりと
静・止
落・下 す る
引力に負けてあえなく
抱かれてしまう
理想・思想・夢想
小さな ....
あまりにも悔しくって
青空の端に噛みついたら
前歯が少し浮いただけのこと
決して笑ったんじゃないよ
蹴ろうと思った空缶を
君が先に蹴っちゃったから
握り締めていた拳を開いて
左右 ....
海辺で君が泣く
白いワンピースに
僕はウソつけと
せせら笑う
「だって」って、
言うけど、
泣いてるんじゃねえよ
湯を沸かして
コーヒーを入れる
スピーカーから
ビル・エヴァン ....
人身事故で 私は 今日も
止まっている電車の中
私の目を伏せてつぶやくフレーズ
失われた 読んだ 本の 言葉
失われた それは 死を 忘れさせる
吹雪いていたその日
子供のころは犬になって走り回ってた
溶けかけた雪膝が骨を出しては
小さく苦笑い
だんだんと汗を拭い
だるまもう少し頑張れ
頑張れと強く息を吐き
雪が降る雨になる ....
所属する組織を
離れることって
そんなに悪いことなの?
制裁を受けるくらい
咎められることなの?
示しがつかないって
ヤクザの話?
違うみたいよ
今何年?
2016年
....
誰一人隣に立たないホームで
北風に吹かれていた 骨の体
私は屍 どんなときでも
死の言葉が不意に口をついた
まだ蕾とも見えない 小さな突起の
春を待っていた梅の枝は 雪の重みに折れる
うららかな鳥の声を聞くこともなく
清冽な香を漂わせることもなく
淀みに映った空は 日に日に冷たく
緩や ....
電線にとまるカラス
黒い数珠のように
とおくで丸く連なる
夕暮れの黒に
まぎれようともせず
ひとりがすきなくせに群れている
だれかが羽ばたけば
みんなとんでゆく
その連なる黒い ....
チュウ)
咲いては閉じる花
降り注ぐ雨
吸い込んで
壁抜けて
待って
壁抜けて
待って
行って
壁
壁に穴をあけて
乗り込んで
なんて?
きいて!
え ....
しんしんと降りしきる雪のなか
そうっと手を伸ばしてみるけれどからっぽをつかんで
クソっ! って舌打ちしたとき、ふとひとりで戦ってるともだちのうたがきこえた
彼は世界を暴くために言葉を ....
風を読もうとして
青空の中に人差指を立てた
風上から風下へ
紙飛行機は滑っていった
時を堰き止めたくて
夕焼けの中で小指を絡めた
川上から川下へ
笹舟は忘れ去られた
水面に ....
尖った月を見上げて
寒さに首をすくめた
枯れた街路樹の枝のスキマから
冬の夜空が広がる
凍った街灯がぼんやり
あなたの影を映す
鋭い月を背負って
あなた怪物みたい
優し ....
たなごころにスマホ
便利な無力感が軽すぎる朝
瞳に飛びこむ首のない鳩
飛沫で君の顔はぐしょぐしょになる
また一人死んだ
霧雨が沈黙を湿らせて
僕らが知っていることは
きっと一 ....
160114
拝啓前略
最近、
読んだかどうか覚えていない書籍が増えた
表題のも定かで無いが
雪の降る頂上付近にヒョウの死骸があったとかの
描写があったような ....
月がわらっ照ら
笑ってら
赤ちゃんはどうやったら出来るのだろう
裸の木がくねっ照ら
苦ねってら
約束はいつも大義名分で破棄されるのだ
どこまでも静かに
愛 ....
夢の中でのひとときを
まるで本当のように感じる
海を力なしで泳いで
えらで呼吸しているみたいに
大人に反抗している
とにかく不真面目だと感じて
理不尽だと嘆いてみせる
泣き叫ぶことし ....
断章として出会う
わたしたちは
繋ぎ合わされた
死に往く者の断片として
齟齬と違和で腫れ上がりながら
ひとすじの清流であろうとした
二人の詩人
....
消えてしまったよ
いくつも重なっていくうちに
それらは透明になって
ゆらいでいるのさ
何処かへ
風はすがた無くすすむ
僕の体温をひやしながら
斜めにばかり向かっていく
もうなん ....
ほんとに星になっちまったのかい スターマン
空で待ってくれてたんじゃないのかい スターマン
でも泣かないでいいようにソウルを残してくれたんだね スターマン
玉ねぎを包丁で切ると目がしみる
時計の針の音を聞きながらカレーを作る
作り終えて コップにお酒を入れ飲む
子供の頃から読んでる漫画を読みながら
昔は使っていたけれど
今は使わない文房具が ....
初夢はどんな夢を見ましたか
すべての夢は もろ刃のつるぎ
かざして何を想いましょうや
松飾をつけた車が 走っていた
正月だというのに梅が咲いている不思議な一日
うつくしさを か ....
ミルフィーユ仕立て高層マンション
晴れとも曇りともつかない冬ぞらに
めりこんだ白い実体は陽炎にゆれて
二十年前には無く二百年後にも無い
むすう むすうのカゾクが
....
晴れた日に
( )を捨てる それは
たったひとりだけで行う儀式のように
もう一度愛してから、という未練は
明るい光が消してくれる
洗いたての
( )を捨てる それが
慣れ親しんだ ....
可能な限り赤い空に
ぼくらがおもう神様がいた
ライトバンが光を揺らして
とぼとぼとぼとぼ道を行く
いき違いばかりの愛しさが
まかり通ってからから言う
からからか ....
ひとの心は果てしなく彷徨う
距離や時間を超えてゆく
痕跡にすぎないものに捉われ
憶測の触手をあすに伸ばしておののく
ときどき何かを削ぎ落しながら
変わってしまうことをおそれながらも
....
重たいドアを押して外に出ると
階段を数段上ったところで
思わず立ち止まる
百貨店の屋上は
すっかり様変わりしていた
複雑な段差を組み合わせた
明るい色調のウッドデッキ
オリー ....
空と海の混沌に
突き刺さる黒い陸の先端
に白い少女が立っている
淡い彩りが現れ
生まれた風が海を押す
押されて海は岬に駆けのぼり
少女に白い言葉を飛沫く
潮鳴りにひそむ遠い記憶の ....
講義は脱線しせんせいの雑談が始まる
いつものこと
冬休み明けだったからか
学生アルバイトのやった英雄的実話
お中元だかお歳暮の宛名書き
(ができるほどの達筆!)
本当に実話なのだとしつこく ....
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