私たち親子の手を見比べると

娘の手は白くて 細くて
張りがあって美しい
私の手は皮膚が薄くなって
血管が浮いて見える

やはり手には年齢がでるね

真面目なだけが取り柄で
洒落っ ....
 
パンツが脱げない

言葉からパンツが脱げない

たった一枚なのに



 
昼下がりの
うすむらさきに藤がひかる
森で
少女は見知らぬ少女と出会った


目を閉じて 見知らぬひとと
わたしの森を過ぎてゆく
風、


心臓の音だけが聞こえるでしょう
唇と ....
寝起きの熊のよう
ボンヤリ不機嫌
だぶだぶの部屋着
クロックスを引きずって

それでも花 
今朝 三つめ

ピンクのチューリップ
黄色い水仙
真っ赤な髪の少女
重そうにコンビニの ....
 
ほんとなんてものがないなら

うそをついて

うそがほんとになるまで



 
現実から逃れるためではない
現実を死ぬまで生きる
そう 何処かで決めているから
扉も窓も開けたままにしてある
鍵は壊れたまま
入口は出口で出口は入口
外側は内側で内側は外側
脳が現実だと ....
遥か雑踏を離れて
孤では在りえない存在を確認する

収拾のつかない順序をゆっくりと整理する
いきることは水底をしらない漣

序連で奏でられていた通奏低音は
変化しまどろみ羽化すべき朝を
 ....
平面の布に
針を刺していく
そうして出来た
糸の道を引くと
操られるように
現れる
立体の波は
少女の真新しい綿のスカートの裾を
縁取って踊った

風、曲面のゆらぎ
影とひかり
 ....
新緑の木漏れ日
雨上がりの朝
ひとの気配を飲む森
まぐわうように
愛をからませて吐く息
命の匂いに満ち満ちて止まない
そんな五月のように私たちが求めて止まないころ
得ようとしていたもの
 ....
藤の花に締め上げられてる杉の木が声も立てずに朽ちてゆく初夏

通学路の木の葉の影を覚えてるもう二度と通わない道

肌の色が日に日に焼けてく子供らが通りてく百日紅の下

「まあだだよ」探す気 ....
拝啓、冷蔵庫様

長い間ご苦労さま
十六年間、寝食を共にした
おまえが逝ってしまい
わたしはとても寂しいよ

突然のお別れだった
何だか、冷えが悪いと思っていたら
冷凍食品が自然解凍 ....
真っ白のまま鍵付きの日記帳また新しい春が来ました 公園の遊具が拘束を解かれ
子供たちを纏い始めると
桜は突然咲くのだ
短い季節に燃え上るいのち
追いかけてはみるものの追いつけず 
去り往く姿 あっというま
廻り来る姿 あっというま
あっ ....
ビルが朝陽にかじられて
吐き出された陽光は窓をすり抜け
昨夜の恥部を暴き出す

人々は慌ててカーテンを閉じ
ベッドを隠し
朝を始める

わたしと来たら
病室のカーテンを開け放ち
 ....
ときどき、神さまについて
考えてみることがある
私は無宗教だが
神さまを侮ったりはしない

イメージは漠然として
先祖の霊だったり
大自然の力だったり
稲荷大社の狐だったり

見え ....
君が詩を書いていると知って
私も詩を書いてみたけれど
書けば書くほど
言葉を見つければ見つけるほど
君のためにできることが
ひとつもないと知りました。
何のために書いているのでしょう
難 ....
無垢な聖域で飛び回る小鳥
そして口のきけない少女が笑っている
パンドラの最後の希望は
この地で淡い松明に囲まれて飛び立つ瞬間を待つ


百年の孤独から目覚めた太陽が泉から怱怱と昇る
 ....
わたしはターヘルアナトミア

あなたの皮をペロリと剥いで

思惑の筋や経絡がどれほど緻密にヒクついているか

白日の下に晒してご覧に入れます

わたしはターヘルアナトミア

飲み込 ....
聞き捨てた
島へ渡る船なんて知らないから
僕らは港を探しに歩いていたんだ
見たこともない白い浜辺
ただひたすら国道のガードレールに沿いながら下る
海は眩しくてずっと近かったから
額から ....
あなたにうがいを教えたことはないけれど
あなたはうがいを体得していた
言葉で教えられるよりも
見て覚えることのほうが
きっと何倍も簡単なんだと思う

それでもあなたが
うがいってなんなの ....
夜の静寂に歌のような言葉
耳たぶに引っ掛かって時を揺らす
此処にはいないはずの
あなたが聴こえてくるのです


  朝の雑踏に歌のような言葉
  靴紐を解いて時を忘れさせる ....
今日は
風がお休みだから
空気がのんびりしている

日向ぼっこをしている庭を
転げまわる
子どもたちが
僕の人生の
すべてになる

老いるのも
成長するのも
同じ時の流れ
ただ頷いている風合いでいいのです
経年変化に経年風化なく
裏地にでも縫い付けてください

西のまちは
貴族により栄え
東のまちは
西洋により栄えた

その北みちのくは
辺境の地とし ....
四番目の息が聞こえる。
父の息。
母の息。
私の息。
そして、聞こえる。
他には居るはずがない誰かの息が。

まだ幼かった私は、父母に挟まれ、狭い二階の一室で、毎夜訪れる暗闇と遭遇してい ....
三日前のビニール袋に入ったままの新聞
チラシくらいは見たかった

 日々 育児に追われている
 はい 喜んで追われている

トイレにハイハイでついてくる
ドアを少し開けていないいないばあ ....
桜の季節がやって来たのに
泣く子はだあれ
桜の樹の下で一日中探している
薄桃色のかくれんぼ


向日葵の季節がやって来たのに
泣く子はだあれ
背丈より高い向日葵畑で探している
黄金色 ....
「みんなが俺を蹴りやがる
逃げても逃げても追って来る
囲まれては蹴りまくられて
仕舞には頭突きでふっとばされて
時には拳で殴られて
そんな毎日 地獄の日々―― 」


「みんなが私に夢 ....
大喜利で座布団十枚たまったら不老不死 or ハワイ旅行 様々な波長のことばに耳を傾ける
舞い散る花びらのように光をもとめて
あるいは影に紛れてかたちを失ってゆくものたちよ

羽化して浮揚する繊細な翅を持つ蜉蝣のように
永い水底の想いををうたにして ....
傷心の時
人は季節を忘れる
今がいつなのか
ここが何処なのか
茫然として
うわの空

それでも季節は巡る

新しい風が吹いて
花々が咲き
陽の光は注ぐ
あなたの肩越しに
滔々 ....
生田 稔さんのおすすめリスト(2176)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
【_娘の手_私の手_】- 泡沫恋歌自由詩19*15-6-9
書けない- 殿上 童自由詩23*15-5-25
藤のからまる森で- 石瀬琳々自由詩12*15-5-21
おじさんから見れば- ただのみ ...自由詩16*15-5-19
うそ- 殿上 童自由詩16*15-5-18
わたしの部屋には- ただのみ ...自由詩19*15-5-15
桜の散り染める夜に- 梅昆布茶自由詩1915-5-15
五月のしつらえ- そらの珊 ...自由詩26+*15-5-14
あなたに終わらない五月を- たちばな ...自由詩30*15-5-11
藤の花に- 亜樹短歌415-5-8
【_拝啓、冷蔵庫様_】- 泡沫恋歌自由詩20+*15-5-7
真っ白のまま鍵付きの日記帳また新しい春が来ました- 北大路京 ...短歌315-4-27
春ぼんやり- ただのみ ...自由詩16*15-4-26
ビルが朝陽に囓られるとき- イナエ自由詩17*15-4-25
【_ときどき、神さま_】- 泡沫恋歌自由詩21*15-4-24
誰にも何にも影響を与えない散文詩- 左屋百色自由詩915-4-23
無垢な聖域で_(四行連詩)- 乱太郎自由詩13*15-4-23
ターヘルアナトミア- ただのみ ...自由詩18*15-4-22
海をわたる「残光2015」- アラガイ ...自由詩18*15-4-20
うがい- そらの珊 ...自由詩22*15-4-19
夜想曲_(四行連詩)- 乱太郎自由詩16*15-4-18
風が休みの日- 金子茶琳自由詩2115-4-18
染め織- 黒木アン自由詩1415-4-18
四番目の息- 宣井龍人自由詩19*15-4-17
もうすぐ赤ちゃんを卒業する- 朝焼彩茜 ...自由詩16*15-4-17
かくれんぼ_(四行連詩)- 乱太郎自由詩15*15-4-17
雪のとけた校庭で- ただのみ ...自由詩20*15-4-1
大喜利で座布団十枚たまったら不老不死_or_ハワイ旅行- 北大路京 ...短歌115-4-1
消波堤- 梅昆布茶自由詩1615-3-31
【_季節_】- 泡沫恋歌自由詩21*15-3-31

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