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山道を左に入って
舗装されていない砂利道を1キロくらい
そこに

わたしとあなたの
思い出が
白っぽい蜃気楼になって
佇んでいる

わたしは怖いから行かない
たぶんあなたも

 ....
その手紙には
「ムーミン谷の近くから見送ります」

書かれていた
さよならのつもりは無かった
けれどあなたは駅には来なかった
わたしは
ぺしゃんこになった
まだ雪の残る街を出て
雪 ....
たんぽぽ畑の真ん中で
わたしは
しろつめくさの冠を作る
わたしは王女様
けして王妃さまではなく
彼女がいつからそこにいるのか
知っているものは誰もいない
このビルを20年前から掃除している
おじいさんがそう言っていた

古いビル
彼女は窓辺に座り
タイプしている

カタ・・・カ ....
一番良いのは
引き付けて引き付けて引き付けて
最後に足でも蹴り払って落とすこと
でも
それにはかなりの場数とテクニックが必要なので
テクニックの無い人は
古典的ですが
「押しの一手」
 ....
平服でおいでください
そんな文字を見つめながら
思い出すあなたのこと
もう忘れたかなあ
あの日の夜のこと
特別だったのはあの日だけ
でも
たぶんあなたも覚えてるから
呼んでくれたんだね ....
ここは誰かの土地だから
入ってはダメよ
ほら2センチはみ出して
男の子がひとさし指を削がれたよ
にこにこ笑いながら
誘うおじいさんとおばあさん
ダメよ入ったら
ほらまたはみ出して
きれ ....
ムカシ、ムカシ。
目がひとつだけだった頃、家というのは全部が布と革で出来ていました。
壁は革張りで、屋根は布を何重にも重ねて、一番上にはオーガンジーやサテンなどで美しく飾るのが一般的でした。
雨 ....
それは、下北沢を過ぎたあたりでのことだった。
通勤電車はいつも通り満員で、向ヶ丘遊園から小田急線に乗り込む俺は当然のように急行電車に乗っていて、で、その電車がどんな状態かというと、本厚木あたりから乗 ....
うらやましそうに見ていたら
「じゃあ、少し上げる」
その人は言って
端っこのほうを千切って
ちょっとだけくれた
辺りを見回すと
端っこのほうをもらって
喜んでいる人もいる
わたしは端っ ....
上流から下流へ流れる川を工事して
上流に変な生け簀を作ったらしい
わたしが見物に行くとそこには気味の悪い色をした鯰が
腹を見せたりしながら泳いでいる
流れるプールにしか見えないけれど
そこは ....
マッサージで気持ちよくなって
つい眠ってしまった
目を覚まして慌てて会計に行けば
どこかで見知った顔が
「ごめんなさいお会計お願いします」
わたしがそう言うと
「まだですよこれからですよ」 ....
月の夜
わたしは犬と話す
板張りの部屋で
椅子に座り
大きな犬の頭を撫でながら
大きな窓から差し込む
月の光は優しく
犬とわたしを包む
指先に犬の体温
昔男を取り合った女はわたしと正反対で
なんでまたそんなことになったのか覚えていない
わたしは余裕で調子こいてたから彼女を敵とみなしていなかったが
わたしがいろんなことに忙しく男をほったらかしてい ....
もう少し先まで行ってみよう
目的なんか無くても
理由なんか無くても
手探りで歩いて行こう
見えないものを信じて
信じなくても
いいけど
僕と君
僕と君
僕と君
宇宙の広さを信じよう ....
もう着古した服みたい
わたしのからだ
アイロンかけたり
クリーニングに出したりして
どうにか綻びを繕って
お出かけに着ていくの
どこへ行くにも
着ていくの
サプリメント
ダイエット
 ....
とてもきれいなかけら
落ちていた
わたしは拾って
手のひらに乗せた
良く見るとそれは
パズルのピース

きらきら輝くそれはたぶん曼荼羅
曼荼羅のピース

「さあ!これから他のピース ....
知らないうちに夜になって
知らないうちに朝になって
毎日毎日
ずっとずっと
泣いたり泣きやんだり
ちょきんちょきんちょきん
たくさんの鋏が
わたしを取り囲んで
刺して頂戴
切って頂戴 ....
夜には似合わないのに
とてもきれいに見えた
スカイブルー
じっと見つめていると
吸い込まれそうに
青くて
青は
海も
空も
青いから
きっといつか
還ってゆくところも
青いのだ ....
なんかぼうっとしちゃう
ぼうっと
それは昨日の晩に見た夢のせい
わたしはあなたと別れました
それはとてもつらいことで
あまりのつらさにわたしは暴れていました
わたしのせいで他に女を作ったと ....
わたしは宇宙人を見つけた
自分でそう言っていたから
たぶん宇宙人なんだと思う

宇宙人はロックバーのトイレで煙草を吸っていた
フロアが混みすぎていたからだと思う
ずいぶん痩せているから
 ....
わたしのいうことがぜんぶうそで
わたしがあなたのことをあいしていなくても
あいしてほしいの
だってわたしはもうあいすることに
つかれてしまったから
わたしがあいさなくても
あいしてほしいの ....
とても疲れて
寂しい帰り道
歩きながら
車の中から
電車の窓から
わたしは夜空を見上げる
お月さまはいつも
わたしを追いかけて来る
どこまでも
どこまでも
逃げたくとも
逃げられ ....
全国から観光客がえっさほいさとやってくる
そんな地元の夏祭り
北の短い夏だからこそエネルギー爆発!
なんていうキャッチフレーズ
どうなのかなあ
どうだっていいけど最近ずいぶん積雪量も減りまし ....
「ママ、ママ、ママ」
と呼ばれて
振り向く
ホームセンターの中
カゴの中に
ふくろうの仔
ああ、
お前かあ
覗き込むと
何度も何度も
「ママ、ママ、ママ」
ふと気がつくと
周り ....
あなたにわたしのことなんか
わかるわけなんかないでしょ
死んじゃえ
死んじゃえ
死んじゃえ
後悔先に立たず
4つ打ちのビートに乗せて
今夜お送りする
ハウス
ハウス
ハウス
あの ....
わたしは半分
半分しかない
上手く言えない
だって半分だから
半分しかないから
上手く歩けない
上手く息ができない
上手く泳げない
いつも悲しい
ボール紙で出来た
四角いお菓子の箱
砂に塗れて
埋もれていた

ガムテープで止められた
蓋をこじ開けようとして
恐怖に手がすくむ
この中には

赤ちゃんが入ってる
たぶん

 ....
縁側に近い場所に
房スグリ
隣に
コデマリ
庭を囲むように
南天
ドウダンツツジ
都忘れの花と
なぜか
マーガレットを植え込んで
お花
お花
お花がたくさん
春の匂い
夏の ....
焼き場の待合室
薄いお茶と干菓子
食欲なんかないけれど
暇で
口に運ぶ
隣ではあまり見覚えのない
地味なおじさんが
やはりお茶を飲んでいる
季節は夏
蝉が鳴いている
もう少しクーラ ....
かおるさんのチアーヌさんおすすめリスト(44)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
舗装されていない道- チアーヌ自由詩1207-5-25
ムーミン谷の近くから- チアーヌ自由詩906-12-23
王女- チアーヌ自由詩306-5-21
夜の底- チアーヌ自由詩206-4-14
義理チョコ販売員からのご提案- チアーヌ自由詩806-2-11
平服でおいでください- チアーヌ自由詩506-2-9
ここは誰かの土地だから- チアーヌ自由詩905-10-5
ムカシ話- チアーヌ散文(批評 ...605-9-14
トイレの男たち- チアーヌ散文(批評 ...9*05-9-7
端っこ- チアーヌ自由詩1005-8-8
逃亡- チアーヌ自由詩405-8-6
統合施設- チアーヌ自由詩1205-8-6
月の夜- チアーヌ自由詩805-8-2
新築祝いを送るよ- チアーヌ自由詩705-7-29
天上へ- チアーヌ自由詩605-7-29
着古したわたし- チアーヌ自由詩1105-7-28
とてもきれいなかけら- チアーヌ自由詩905-7-26
明け方に- チアーヌ自由詩605-7-25
スカイブルー- チアーヌ自由詩705-7-25
別れの夢- チアーヌ自由詩205-7-25
わたしの宇宙人- チアーヌ自由詩1905-7-23
ひらがな- チアーヌ自由詩905-7-21
お月さま- チアーヌ自由詩705-7-20
夏祭り- チアーヌ自由詩905-7-19
母を呼ぶ声- チアーヌ自由詩1005-7-18
ハウスハウスハウス- チアーヌ自由詩705-7-17
わたしは半分- チアーヌ自由詩1305-7-17
アイスティー- チアーヌ自由詩805-7-17
箱庭の吟遊- チアーヌ自由詩10*05-7-15
おじさんの話- チアーヌ自由詩705-7-14

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