すべてのおすすめ
一匹の{ルビ蜻蛉=とんぼ}が
脚の間をすり抜けて
小さくさざ波立つ水田
暮れ翳り始めた空に
フラミンゴの色の雲

エミール=ガレの作品集を
撫でる指で繰っていた
男のこと

苗のき ....
一、
欲するのは桃色の乳房であり
熟れた林檎の頬ぺたでもあり

二、
卵殻のなか足の指で貪る夢という名の水菓子

三、
拒むために無知を選んだ
意識した愛情も無意識の悪意も

 ....
風なんか
これっぽっちも吹いちゃいねえのに
鳴るんだよ
軒下によ
無理矢理引っ掛けて傾いた
風鈴が
ちりいんちりん となあ

おれは晩飯も早々に
枕につっ伏して
煎餅布団握り締めた ....
目をそらさないでください
鼓動が波つくる海の底から
危うい腰を{ルビ掬=すく}い上げて
一つの生きものになりましょう
吐息の泡を追って見上げる
金色の空はもう蔑まない

聞き漏らさないで ....
部屋を散らかしたのは
くうはくを誤魔化すためでした
ちっぽけな体一つあらわにし
眠る胎児のように
埋もれてしまう
冷たい床に左耳を押し当てたら
渦巻く激情が
ごうごうと唸る音

泣く ....
お前との間には
いつも渇いた隔たりがあり
少し上向きの
幼い口びるに舌を寄せても
私の熱はひんやりと
遮られる

お前の泣き顔が好きだ
ほうけた赤い目と
くずれてしまった化粧が好きだ ....
今日の日付が浮かぶたび涙じわりと

眠れずにつけたラジオから
あの人と似た声ざらりと
笑ってしまおう
目を細めたら泣けてきた

一生懸命でした

今日の日付が浮かぶたび涙じわりと
 ....
猫が疑問符を撒きちらし
夜がいくらか賑わいを増す
その髭の長さぶんの内容を
ひとつはそっぽをむいた月へ
ひとつは笑い揺れる木々へと
夜が明けるまで
あくびする間もなく語りかける

永遠 ....
LEOさんのかやさんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
予感- かや自由詩23*07-6-1
眠り姫- かや自由詩8*07-1-1
風鈴- かや自由詩6*06-7-21
夜明け- かや自由詩4*06-1-13
生活- かや自由詩4*05-11-7
さびしい愛情- かや自由詩7*05-10-20
雨のふる夏- かや自由詩5*05-8-22
私と、猫の夜- かや自由詩14*05-8-8

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する