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ちょっとだけ
きれた牛乳を買いに
近所のコンビニまで駆けてった
帰ってくると
ドアにはさまれている紙きれ
『ご不在でしたので持ち帰りました』
誰からの届けものだったのか
....
お見合いしないの?
って、長いつきあいのおんな友達に聞いた。
「しないよ、どんなの来るかわかんないじゃん。」
いやなら断ればいいんじゃん。
きっとさあ、
銀縁メガネでさ。
市役所の市民 ....
雨がときどき
なつかしい人をつれてくる
いえなかったことば
雨のリズムがとだえる
「つたわったよ」
なつかしい人がうなずくのが
わかって
泣ける
雨がときどき
すごさなかった日を ....
陽の当たる坂の上の
団地育ち
歩いて小学校に通い
バスで中学校に通い
自転車で高校に通う
川べりの大きな家の
女の子に恋をして
書いた手紙は
クラスで回し読み
団地の上の
貯水 ....
わたしの背中と
あなたの背中のあいだに
まいにち
いっさつずつの
本をならべてゆきたい
楽しいおもいでも
悲しいおもいでも
みんなみんなすてきな表紙の
本にしたてあげるの
本がな ....
ずるやすみの木で
かみさまを見かけた
なにをしているんですかとたずねたら
ずるやすみをしているのさとこたえた
ぼくも人のことは言えないから
ああそうですかと
おおきな幹にせなかをよりか ....
ずつうやくを飲んだ
はんぶんだけ
やさしさでないほうを
恋は終わったのではなく
けっきょく始まらなかった
もう春だった
つながれたこいぬが
ねむたそうにあくびしてる
み ....
木がねむると
木のなかに
ほんとうの木がうまれて
風にふれようとする
風がねむると
風のなかに
ほんとうの風がうまれて
空にとどこうとする
空がねむると
空のなかに
ほんと ....
あなたの燃える手で
わたしをだきしめて
それはとんでもない
誤訳だったらしい
でもわたしはこころをうたれた
たとえひとごろしのうたでも
たとえぬすびとのうたでも
たとえうらぎりも ....