ぽえむ君−夜風−
ぽえむ君
ぼくは詩人
人はみな
苦労するために生きるのではなく
生きるために苦労するのである
今日もまた
夜の散歩をしていると
夜風に出会いました
暑かった昼を忘れさせる
そんな一風
目の前の世界は暗がりが支配し
空に輝く月は遠い光となす
ふと大木の傍らに佇むと
その月の光を頼りに
幹をはい上がろうとする
虫の姿がある
その一歩一歩を力強く
明日を生き抜くために
その一足一足を踏みしめて
この夏を生き抜くために
そんな彼を夜風が一押しする
気持ちに言葉はいらない
明日もまた
言葉のない詩を作りたい