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教室で黒板を見つめていた
隣の席のワタナベくんは遅刻をしてきて
コンビニ袋からおもむろに
焼きそばパンを取り出して食べはじめた
イスを傾けて教室の後ろの壁につけてもたれていた
倫理の担当は臨 ....
三ヵ月前に母に送ったてがみをゴミ箱に捨てた
いま、どれほどの痛みに横たわったのか
いくつかの記憶にいくつかの窓、いくらかの空といきばのない言葉
ぽっかりと浮かぶ月からあふれ出した涙と
「助けて ....
いたみから
目を背けられない夜の月のような
白く甘いこどくと
カップの底に残ったままのココアは
あの手が握りしめたやさしい日々の
ちいさな祈りをいくつも
いくつもつないで

告げること ....
ねえ、さよならをしよう
後ろ向きに流れるメロディ
誰かが世界のしあわせを歌うよ

アスファルトを強く蹴る
自分ってなにか
求めすぎて自販機で炭酸飲料のボタンを押す
すべてが泡となって足元 ....
朝日を小瓶に捕まえて
蓋をしめて逃さない
泣き出した夜に雨が降る
綺麗すぎて汚くて正しすぎて間違いで
かけがえのないものを掛け違えるまいにちに
夕陽を虫籠に入れる
幼い記憶を餌にして
孤 ....
あさ、
と呟いたことばを
ひと呼吸おいて窓辺に置くと
射し込むひかりに反射して
きらきらとひかる

うとうととする
あさ、のとなり
クロワッサンがやさしい匂い
ぼおばる月のかけらが
 ....
水面にキス、をした波紋の先に血液が流れる事実が愛しい、見上げる、あげる、ね。あの星々から落ちた涙と身体に雨が滴り落ちる、夏の夕ぐれ。何もない綺麗もない汚いもない、陽射しに目を細めて少しだけ君が小さくな .... 母が静かに佇み
やわらかな星々に横たわると
夜が落下する速度で
慈しみと憎しみが揺れ動く
母の季節が訪れるとき
夏と冬が行き来して
子どもたちは春と秋を奪い合う


「あんたは身 ....
やさしい
やわらかいものばかりに
触れてしまっていると
ひりひり、ひり
とした痛みのあるものを
抱きしめたくなる
不安や安心やそういったことに
関係するのかもしれない

宇宙や星や月 ....
降り注ぐ雨が
掴み切れず指をすり抜ける
落として来たもの
空がやけに広い朝焼け
終わりなのか
あるいは始まりなのか

レールを走る列車のようには
うまく進まない生き方を
けれど今を精 ....
生命線をなぞる
左手のひとさし指でいちど君と
出会った気がした真昼に
やさしく訪れるように降る雨が
こころに刺さる氷柱を一欠片ずつ
溶かしていく夜に冬が泣く
何度も読んだ小説の
一行 ....
降り始めた雪が
肩先に触れるとき
人々は誰かに愛を告げ
別れを告げる
手のひらで溶ける冬
生きることからも
死ぬことからも逃げられない
吐く息がもう白い
ひらひらと落ちる結晶を
 ....
薄っすらと
はった氷を割る
秋が終わる音がする
霧がかった紅葉の
空がまだ青い
辿る記憶の先に
肩車をする夫と
肩上のわが子
手を振る
生きることとは
悩み過ぎ去ったあ ....
秋葉竹さんのかんなさんおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
隣のワタナベくんと焼きそばパン- かんな自由詩720-6-24
ソファで夢みるように三月のわたしは鍵をあけた- かんな自由詩320-6-21
夜の月が祈りのかたちを照らすとき- かんな自由詩420-3-23
さよなら。あなたの細い右腕- かんな自由詩419-7-6
夕陽の虫籠- かんな自由詩1019-6-21
はじまりを脱ぐ- かんな自由詩6*19-6-6
夏を投げる- かんな自由詩3*19-6-3
母の季節は夏と冬- かんな自由詩7*19-5-21
息づく- かんな自由詩3*19-4-18
虹がきれいだから少し泣いてみたい- かんな自由詩3*19-3-16
はじまりは揮発していつしか空が曇る- かんな自由詩12*19-2-20
やさしい匂い- かんな自由詩4*18-12-14
やさしい音- かんな自由詩7*18-11-17

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