鳥になりたいと言いながら
人は空を眺めている
そのテーブルにはフライドチキン
飛べる鳥と飛べない鶏と
格差社会が存在するのは
人間だけではないようだ
うつろいを風で知る
突然キンモクセイの香りが通り過ぎて
ふるさとのまちなみをおもいだす
大切な人を喪って
もう何十年と経っているのに
まだちゃんと立ち直れないの と
彼女は言った
あ ....
○「もう秋なのか」
日中はまだ暑いが
朝夕は大分涼しくなった
日が暮れるのも早くなった
日の出も遅くなった
もう秋なのか
あれだけ眠れぬ熱帯夜が続いたのに
もう秋なのか
扇風機はもうし ....
一時一時
生きて過ぎゆく最中、
水の色を突破して
透明になりゆく
この瞑目した
肉の私の意識の内に、
充満する光の凝集点
その向こうを観んと
意志し凝視するわたしに
....
暗闇から暗渠を覗くのものすべてが恐怖に等しく
その眼が吸い込 ....
あるひおもちゃをてにいれた
とてもたのしいおもちゃだった
わたしはそれでたくさんあそんだ
おもちゃばこにしまって「またこんど」
だけどべつのひには
そのおもちゃはみつからなかった
ほか ....
ほら あれが宵の明星よ
と云う貴女
、
なんて美しく青紫に躍り咲き開き
直進する時を下方から貫き通し
ただただ変転し広がり続けてゆく無限、
死 ....
どうしたら人は人に優しくなれる?
私は何に衝き動かされる?
今日と明日の間
勇気を持って為すべき事を為す
所謂
「情熱」だ
私を衝き動かすのは
もう二十五年も、黒板に向かって、数式を書いたり消したりしておりますが
おとつい、あるおひとりの数学の先生に
「田中先生、図形は、どうして反時計回りにアルファベットをふるのでしょうか。
ご存 ....
こんなにもどうして愛していましたか はばたきもせず囀りもせず
描き出すもの
愛も欲望も全部絡まっていて
──Grapevine
赤とんぼ夕陽と共に籠に入れ
虫の音やそのお姿は置いといて
名を知 ....
秋に撒いた種が花を咲かせたか
わたしは知らない
春になる前に去らなくてはいけなかったから
瓦礫のなかに
そっと咲いていたらいい
眠ると亡くなった人に会える
まだ生きているような感じで
....
層のなか小僧を憎む贈りもの
無造作な夢想の魚 群れのなか
贈りもの一層増して小僧へと
待ち惚け まぼろしの町を冒険
さはやかな気の揺らぎに深緑の匂いの混じり
空遠く奥まる雲の集積が吹き流されてゆく
宙から天へ、天から地へ
貫入し続ける力の
たゆまぬ時の破壊、
灼熱の季節を衰微させ
....
欲しいもの
必要なもの
大切なもの
嬉しいもの
悲しいもの
あなたのそれを知りたいわ
私のそれは
いつも笑わせてくれるあなたです
....
愛こそはすべて
訳されたビートルズを聴いて思ったのよ。
愛って何かしら?
教壇に上がる講師の先生に聞いてみたら
これを読みなさい。って数冊の本を指定してくれたけど、
ソクラテスや ....
夜の静けさに
身をひたすと
闇が優しくて
こころが
満ちる
・
祈る
せめて
私の大切な
存在たちが
笑顔でありますようにと
・
人生は一度限り
私の肉体は一 ....
フリックフリックフリックフリックフリックフリックフリックフリックフリックフリックフリックフリックフリックフリック
バックスペースバックスペースバックスペースバックスペースバックスペースバックスペース ....
明けゆく青い大空に
電柱の突端突き刺さり
向かいの家の甍が輝き出す
僕は大きく胸開き深呼吸をして
新しく訪れたこの一日の始まりに挨拶する
あゝいつしかあの青に包み込まれ
おゝ確かな手応 ....
つかれちゃったあ
だから今は
その時その時に
反応するだけで
いんじゃね
・
秋の光に
秋の草が
まだ
青々と浮かび上がり
息をしている
・
氷入りのお水を
....
まあ
いろいろとあるさ
しかたない
でも諦めないよ
このいのちは
・
自然は
もともと
多様な世界だ
私も自然の一部
私のちいさな命光る
・
この
いのちを
....
転がってる
空き缶を拾う
近くのゴミ箱を探す
そんなものはない
一面田んぼの砂利道に
人影ひとつない道をゆく
あふれる想いも夢もない
汗かきながら
ただ歩くだけ
....
あの夏ってどの夏のことですか
七夕まつりがあるから連れていって
めずらしく親父にねだってみた
このクソ暑い中 出掛けるなんてまっぴらだって
テレビの前から離れなかった
....
伏してつらい時を経て
人の優しさを知る
億の人波の中
ささやかな善意は
いつも埋もれている
普段目に見えないものを
この目で見たことは忘れない
沈黙に泣かなくていい
星が見たければ
....
お祭りの命懸けのおめでたさも
思考抽象化の濾過じゅんかも
体験し尽くしてこそ
人生の美酒 、
呑み干し心残す処無しと 。
時々
人知れずつぶやく
「捨てる神あれば、拾う神あり」と
時々
晴れる
時には、
捨てる神と拾う神が同じ神の場合もあるだろう。
時々、自分のことを
捨てる存在が自分の時もあるだろう ....
貴方(ここでは敢えて漢字で書かせて頂く。深い敬意を今以って込めて)を初めて見た時の憧憬は、絶望の闇に立ち尽くす私を一瞬で救い上げたのでした。
世界は常に私を忌み嫌い、神は私に何一つ真理の道し ....
○「無常」
いくら気をつけいても
自分だけ病気にならない
自分だけ事故に遭わない
自分だけ死なない
というわけにはいかない
○「死に方」
死に方は
人生最期の「大舞台」であろう
....
時間だけが
音もなく
錆びついてゆく夏の終わりに
だれのことも
みあげてしまいそうになる
べつに私がダメなわけでもないのに
生きてるときって
たまぁに、そんな孤独が刺さ ....
そよそよと風は
肌を
なぜていったので
熱は冷めて
あとにのこった歌
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