手を合わし目をつむり
「みなさま
今日も一日 ありがとうございました
今日もこうしてお休みできます
ありがとうございます
みなさま
お休みなさい またね」
と夜の布団の中で声を ....
一列目の私は
前を向いているのに
人に触れると
改行ばかりして
道を外れてしまう
これが文字なら
私は手紙を書くことが
出来ないだろう
最後に名前を
残すのが夢なのに
....
(詩論)初級編:(必読)ギフトについて
今まで繰り返し商業誌のなかで詩人の作品はどう読んでも良いというセリフを耳にしてきたけど、内心の自由の当たり前なことをわざわざ紙面使って、名の知れた詩人達 ....
月見草バケツ転がすトタン屋根雨の底へと金魚が沈む
アマビエを描いた短冊笹飾り願い事までパンダが食べる
ポイントが貯まってよろこぶきみの部屋がらくた溢れ窓も見えない
信号もつかない ....
伝えたかったことは
胸に留めたまま
してあげたかったことは
見過ごし
与えるべき何もかもを
心に抱えながら
子を育て
続く、毎日の暮らし
それでも
それだから
日々 悩 ....
どの教室も人格に縛られる
九月のトラックが詩を運んでいく
青空が夕陽に染まるまで混ぜる
小さな鳥 痛みに触れるアスファルト
そしてまたいつか優しい夢をみる
いくつもの夜を過ごして来た雨の中で一番愛し合ったね
罪もないからその口が許されるわけでもないさハート盗人
亀をみたちいさな川で静止画を破り水面に飛び込むその意志
....
ああ、ともだちに会いたい
顔を見合わせてバカ笑いして
河原で生牡蠣焼いたりして
ビール飲んで
このやろーとどつき合って
また笑って
夜通し深刻な話をして互いの涙を拭い
抱きしめあって
....
何となく良い流れが見える
眼を閉じても見えそう
悪い流れは黒々して
重々して気持ちが悪い
良い流れは直ぐに身体に馴染む
ポジティブに過ごしていれば
自分の過ごしやすい世界になる ....
なにをしていても時は過ぎてゆく
その道を
歩き続けてゆく
やわらかな蝶が舞う
あかるい春も
逃げられない太陽に
照らされる過酷な夏も
月をみあげて愁う
静かな秋も
希望もみえ ....
白く光る田舎の道を
カンカン鳴り響く踏切越え
海に向かって歩いていた
薫る潮騒、うねる波
空き缶一つ、浜辺に落ちて
わたし独りのたましいが
水平線を覗き込む
遠く船が落ちていき ....
おぼろ
あさをむかえるぎしき
ひとりの
そして
ふたりの
さんにんの
わたしのしまいかた
うつむかないで
と
だれにともなく
たぶんいきた
いきた
わた ....
知らなかった
何も知らなかった
貴女は知らなかった
貴男は知らなかった
知らなかった
彼は知らなかった
知らなかった
彼女は何も知らなかった
私は知らなかった
私も知らなかっ ....
失われつつある夏の日差しをむさぼるように
虫はうるさく徘徊し最後の狂いに没頭する
夏の影は次第にゆがみながら背骨を伸ばし
次の季節の形を決めてゆく
夏、それは誰もが少年であり、少女であった ....
日々に少しの余白を
どうか忘れないでいてね
なんにもしない日とか
空ばかり眺めていたりとか
そういう
一見すると無駄のような
切って捨ててしまいそうな
だ ....
胸のなかに石がある
いつ呑んだのか知らない
ゴロゴロ、ゴロゴロと
このごろそいつの座りが悪い
胸のなかだからとりだして見ることもできない
いったいぜんたいどうしたっていうんだ
濁ったり ....
暗闇で無音に鳴った星の影
暗闇の時間 目と言葉の間
音と音 その間にいた暗闇
時間の暗闇 永遠の夜の底
くらやみにいつも見ていた星の背中
限界を越え
誕生と死という
限界を越え
遥か彼方を一時に臨む
顕在する生、繰り返される人生
広がる、広がる
時空の後方に前方に
無限の彼方の青い青い水平線
白いヨットが曳航され ....
世界で 私ひとりができない逆上がりが
夕焼けの色を染めていく
誰も 見つけられない 鍵穴の向こうに
通り抜けていった身体の痛み
まっしろな手紙を 下駄箱に添えた
....
雨雲と友達になった
郊外の公園で寂しそうにしていたので
声をかけたのだ
私は自分から
見知らぬ人に声をかけるような
人間ではない
相手が雨雲なればこそ
そんな気まぐれを起こしたのかも
....
知り合って長いけれどもそういえばあなたの生身を見たことがない
目的地に辿り着けない
イメージと現実が繋がらない
鉛のような肉身引き釣り
見知らぬ街を只さ迷い歩く
空は灰色、大気は冷え冷え
行き交う車の騒音が
林立するビル群に鋭く反響して
( ....
有名な商店街は活気ある学生たちに人気のワッフル
忘年会新年会と繋がって飲み過ぎるなと上司が叫ぶ
試験日は何故か天気が悪くなる不安心配渦巻く心
宇宙から降り注がれる高波動生命体に向けら ....
○「コロナ不安」
テレビでコロナ感染情報ばかり見ていると
不安ばかりが増幅してくる
ここまで来たら
なるようにしかならない
と腹をくくるしかない
○「死者」
死者は生きている
また ....
バランスがバラバラになり薔薇になる
目を瞑るようにカーテンをしめる空
自分では分からない自らのこと
言葉の裏側に眠る虫の声
部屋の灯りを消し カーテンの隙間を覗いたら
霧に滲んで電線にひっかかっている
ミカンの房のような月がいた
おやすみ 泣き虫の月
夜の周縁を震わせて
電車が横切ってゆく
....
夜の遅い時間
心が静かになって
二人だけの時間が濃くなる
線香花火に火をつける
流れる時間がゆっくりになった
ゆったりした心で
余計なことは考えず
二人だけの時間を過ごす
....
○「終活」
「人は人 自分は自分」
人の生き方に
干渉しない
干渉されない
「こうでなければ」
「ああでなければ」
も捨てて
自然に静かに生をまっとうしよう
○「人生とは」
....
久々に満天の星てらす道歩くおとなを振り返りみる
田畑より家ばかり増え様変わり公園すらも半分になり
見上げれば太陽だけが元気いい無人の駅に足りない活気
蜜柑だけではなく他の柑橘類山の上まで連なる黄色
ジャズを聴き大人の世界巡る旅高校 ....
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