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足音が山道を滑り落ちていく、空と衝突するまでに必要な耳の数を質しながら。足元の岩から生え出ている昨日の私に、私と環境とを隔てる少年と筆談をさせる。それぞれの葉の色の量だけ枝の火力は増してゆく ....


緩やかに回転するふるさとに登ると、木々のさえずりの重さを髪が貫く回数に敏感になる。僕はふるさとの証拠だ。ふるさとは論理的に父と母を演繹する。ふるさとの境界面には無数の弾痕があり、ふるさとを動 ....
指をすりつぶす音が水になる。椅子にはびっしり僕の名前が書いてある。妄想のわりにはよく動く左足だ。下半身を覆う毛布の毛束は鱗のようで、撫でると白くなり、逆に撫でるともとの緑になる。君は社会の群れを見たこ .... 桃の実は人を裁くと言う
僕が試験に落ちたとき
確かに桃の実はわらっていた
お前本当は桃の実じゃないだろう
僕はそいつをもぎ取り
皮をむいてみた
白くて柔らかい果肉があった
食べてみたら甘 ....
この瞬間に降っている雨粒を
どこまでも遠くへとつないでいく
知らない街のマンションの屋上で
雨粒は途切れていた
雨が降っていない街の
日差しはとても悪意に満ちて

雨が降っていても
雨 ....
人の背中が街の青い空気に裂け目を入れている。人の一部は気化してその裂け目を出入りする。裂け目の奥では昼めいた祭壇が、硬い光に包み返されている。祭壇の上では討たれた臓器が、自らの内部をけわしく循環してい ....  月が盲目であることを知るのに私は二十年の歳月を要した。私にとって、月はあらゆる意味で眼であった。月から伸びる湿った神経束は世界の絶望へと接続していて、世界の絶望は、半ば狂いながら老犬の飢えと私の衰弱 .... 死するものの輝きがひとつの歪んだ戦慄のなかで遠景をひろげている、過去から届くさかだつ呼び声は次第に熱化して僕から幽石を焼き切ってしまう、僕は雨の中で生まれたのだろうかあるいは海の中であるいは問うことの .... はじまりのない海は、飽くことなく月光を滅ぼし続けた。海の窓はいつでも閉ざされていて、裂き傷のようなものが表面をいろどるだけだ。海の上では乾いた街の幻影が旋転していて、槍のような水柱を呼ぶ。街は律動する ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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善悪の部屋- 葉leaf自由詩408-4-30
桃の実- 葉leaf自由詩507-10-1
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