失望の宴
松本 卓也

遠くから届かない声をあげて
魂の一部を切り取った涙
いつの間にか掻き消えて
誰の目にも触れない
寂しい場所に佇んでいた

僕が思うよりずっと
弱々しく伏せっていて
小さな言葉を振り絞った
無様で滑稽な残骸は
今日も踏みにじられていく

理解されていない事も
分かってもらえれない事も
慣れ親しんだ隣人だけれども
時折見せる冷たい笑顔に
怯えて飛び退く僕が居る

その日 夢で見た宴
音の出ない喉を震わせ
詠っている僕を横目に
顔の無い詩人達は
大層楽しげだったんさ


自由詩 失望の宴 Copyright 松本 卓也 2006-01-17 23:22:43
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