壊れてしまったレコード
もしくは
石のように固いバームクーヘン化した父
その口からは
絶えず呪詛がこぼれる
隣に住まう
父の兄上との確執が
幼い頃から
絵巻物のようにまた綴られる
も ....
「お世辞」


お世辞を言うのは
下手ではない
お世辞を言われるのが
下手なのだ

流れ落ちるほど
ユルユルに頬を緩ませて
頭の上に八分音符を
乗せてりゃいいものを

野 ....
死にたての顔は
愛する人にだけ
見せたいと思う
それは最後の贈り物

だから
病院ではなく
家がいい

生まれたての顔だって
昔は
家で見られたのに

ほかほかの湯気をたてた ....
長いこと
なにかを探しながら
生きてきたけれど
とりたてて
見つけたものは
何もないような
気がする

わたしは
よくばりだったのだろう

長かった夜が明ける
昏い空に
ひと ....
頚椎を曲げて上を向く
陽光に目を細めながら
淡い桃色の群集を目にする
ちらつく青空と雲と花びら
そして 無骨な幹と枝
それらの織りなすコントラスト

胸を広げて楽しむ

無骨な幹に迷 ....
     四月  灰色の午後
    
     湿った雪が舞っている


    人生で何度目のことだろう
   
     心は鉛の錨となり

    失望の海に深く下ろされてい ....
春が咲く
アリ ア ルウ
美しく香るときを待って
種を手のひらにくれたひとを駅まで
アリ ア ルウ と若さを数え
目で追う 見上げる ひかりたち
半月 日々にゆき交う道
…さくら
いち ....
私たちが
毎日利用していたO駅は
すっかり様変わりし
駅ビルが隣接
広々と立派になっていた
女子高時代の友らと
改札口で待ち合わせる

あの頃
ここには
伝言板があって
「00ち ....
鞄から引っ張り出したノートの角が 
勢いあまって目に入り 
白目に赤い線がひとすじ入った 

思わず両手で片目を抑え 
あいたたたたた・・・とうずくまり 
まったくついてねぇや、と目医者に ....
桜が降ってくる
雪が降ってくるように

その時
人は
空を見上げずには
いられない
人は
命の終わりに
気づかないふりなど
出来はしないから

空から降ってくる
ひらひらと
 ....
金曜日の帰り道
電車の中吊りに目をやって
いつものように呟いた
やっぱり僕らしく
暮らしていたいよ正直に

文句ばかりの足跡を
右の中指で弾いて
恐る恐る口にする

ハ ....
筆を忘れて眠った
三ヶ月間はあっというまに過ぎ去って
蜜の味は蒸発した

  ゆくらゆくよ
  ふわりふわる
  さらさらとまるく
  なにぬねのの
  おとなしい春に

今日は鶏 ....
    摘まれるのならあなたの指先で摘まれたいとささやく、
    生まれたばかりの黄緑色の新芽は、ニンフの羽のよう
    にやわらかいけれど、たちまち老化する残酷な御伽話
    を内包して ....
四月を追いかけて四月に転落する
「僕たち」は「僕たち」のままで歩き、
「僕たち」のままでいなくなる
冬がとけていく
春が春に春を春よ
濡れたアスファルトを引っ掻いていく自動車の群れ
時間が ....
私のついた嘘が
ひとり歩きして
本物と変わらない姿をして
私の前に現れる

そうしたらもうわからないじゃないか

嘘をついてすぐ嘘だよ
今の嘘だよと笑えるぐらいなら
いいのだけれど
 ....
{画像=120404231231.jpg }
やっとこ咲いた
桜の前で
人々は
デジカメやケータイの
シャッターを切るのに忙しい
かくして
ひとひらに宿る
いのちの姿は
小さなSDカ ....
言葉を知らない
小さな子供は
その瞳で話する

私の心を
見透かすようにじっとみつめて
そっとこの手にふれてくる

私はまた
なにも言えずに
おそるおそる握り返す

ふりかえれ ....
くだらない差別に負けて雪雫

春分や そろそろビザが切れますね

春分やミャンマーの場所どこですか

春分や昼にも夜にも逃げられず

彼岸西風墓前で酒をちびちびと

遠足の弁当だけ ....
折り目をつけて伸ばした四肢の
やわらかな月日を
わたしは今、眺めている



この街にきてから買ったIKEAの羽毛布団は
君を隠すにはあまりに大きく、窒息しかねないから
わたしは毎晩 ....
いかにも楽しそうに
エプロンをつけた
ふくよかなお母さんたちが
トランポリンで器用に
跳ねて宙返り
錐もみで
所狭しと回転している

その宙には
くるくる生地がまわりまわり
具材が ....
{画像=080320163452.jpg}


くそったれ と みそっかす


人生の不合理にコトバをあげよう

こんにちは Mr.鼻くそ野郎


そして人生の幸せに涙をあげよう ....
{引用=パラダイス通信}
{ルビ恵原=えばら}市{ルビ肋=あばら}町 字小原
{ルビ茨道=いばらみち}商店街にある
モヒカン鮨

通の客にヒモ各種取り揃え
内装はウエスタン
外道上等
 ....
いつも表情を崩さない
お利口な君のこと
そりゃあ嫌いじゃないけれど
中身をちょっと覗いてみたくて
  一刀両断! 
スパッとやらせていただきました

中ら出たのは意外や意外
小粋なドレ ....
洗濯機原始の海はこんなかな


誰置いたプリンタの上にコロッケが


結露した窓にトマトと書いてみる


掃除機を撫でているうち日が暮れた


お布団を取り込みはんぺん買いにゆ ....
北風と紡いだ一月の空
背中越しから僕の肩を叩くと
うつ向いていた体内の蛹が割れて
一匹の蝶々が飛んでいった

海を渡り
消えていく

夏の蜜のある処へ
しあわせ色に塗ろうとしたら
青い染料にどぼんとつけてしまって
一面が真っ青だ!
空に透かしてもやっぱり青い
太陽透かしてもやっぱり青い
マントにして空を飛ぼう
もう青はぼくの味 ....
{引用=パラダイス通信}
カラカウア アヴェニュー
炎天の楽園を
ANAスカイツアーズ
藍染めのスカスカアッパッパー
バターン死の行進よろよろしく
孫の男子づれ
紅蓮日傘の婆さんが行く
 ....
期待してしまうから
疑うのか

それとも明日の訪れを信じられなくて
疑ってしまうのか

その何れでもあるんだろうけど




今年の冬はことのほか寒かったはずなのに
疑い知ら ....
チューリップに親指姫が眠ってる起こさないでね春はいじわる

さくらさくらいつか鬼になる日まで散りしきる花に打たれていよう

悲しみはヒヤシンスの深い青君との別れを涙に染める

うっすらと白 ....
今、ほほが
サァーーーッ
としてここだけ寒い
青ざめる、とはこういう事か、
と青すぎる。
死相か?そういう事を
連想させる
雨の夜だ。
  雨だれのひびく
暗さ。
ああ(遠 ....
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