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油の切れかかった自転車をゆっくり蹴りながら
初夏を孕んだべたついた風を浴びて夜道を滑走する
切れかけたワイヤレスイヤホンはぶつぶつと呟き
月は電池が切れるのと同時に空に喰われる
昨日 ....
折り目をつけて伸ばした四肢の
やわらかな月日を
わたしは今、眺めている
*
この街にきてから買ったIKEAの羽毛布団は
君を隠すにはあまりに大きく、窒息しかねないから
わたしは毎晩 ....
心と会話すると浮かび上がる物事は
それはそれは小さな声で疼いている
回顧する、メリーゴーランドに乗りながら
指先を伸ばしては触れようとする
けれど
どうしても、すり抜けてしまう
....
密やかな朝の光の中で
大きな呼吸をするランドセル
不釣り合いな体で芽吹く
今、始まりを知る
窓越しの大気が
優しい悲鳴を幾重にも重ねては
黒いスーツの背中を押す
今、歩くこと ....
Re:プラネット・ホームにて
地球に宇宙が墜ちて来た
次世代の呼吸の仕方を思考して
マリービスケットをかじろう
私はあなたの二酸化炭素
緑葉体を頂戴よ
宇宙一 ....