お姫様が3人もいる
可愛い王子も3人…
それでも物語は成立していた
しかし私には1人の姫しか
目に入らない
そして段々
その愛らしい姿も
見えなくなってきた
ボヤけてきたから
1人の ....
その
メロディラインに
沿って
冷え冷えと
目覚めていく
忘れてしまった
過去のことは
ただたましいだけ
降りしきる
雨に濡れ
あつく
波打って
渦巻く声の嵐
硬質に ....
夜のとばりをバリバリとかじり
新しい鳥が生まれる
生まれながらにして重要
で不確かな自由を継承
ピカピカの街の看板に降り立つ
翼で指図する
お前はあっちでお前はあそこ
立っていればそのう ....
部屋のなかにいて、やるべきことをあれこれと思い浮かべていると、とつぜん頭のなかがきゅんと鳴って止まってしまう。窓の向こうの方の白い建物に陽が当たってまぶしいさまや、風どうしがぶつかってひゅうひゅう ....
二〇一九年七月一日 「平居 謙さん」
平居 謙さんから、詩集『燃える樹々』を送っていただいた。読ませていただいた印象は、静謐。静かな声だ。ときに静かな声に耳を傾けるのもいいなと思った。
....
旧い友だちが訪ねてきた気がして
俺はうっかり夜の扉に手をかけた
友だちは俺を素通りして
何食わぬ顔をしてこう言った
やあ、初めまして気分はどうだい?
お前のおかげで、最悪さ
夜に意味を求め ....
横須賀に
マーロウという名のプリン屋がある
食べログでも結構な高評価の店だ
店の名の由来は
勿論「フィリップ・マーロウ」
プリンはビーカーに入っているのだが
そのビーカーにフィリップ・マー ....
スマホの小さな画面を
指で開く
今日もSNSの文字は、告げる
「〇〇さんの誕生日です」
まぶたを閉じる
――今・世界の何処かで
東京都内の病院からは、赤子の産声が聴こえ
カルカッタ ....
かたり。音がするから置き場を探して、そこじゃない、そこじゃない、と帰る場所が消えてゆく。昨日までいた場所に、君がいないのならば、もう。
雨降り。夜の八百屋、メロンとむきだしの ....
霧のなかで死を捕える
異郷に目覚めて
寒風吹きすさぶ
荒れた大地に身を竦め
無に帰るのか
永遠へ還るのか
遠い地平に灯はともり
君の帰還を待っている
)もうどうしようもなくなっ ....
くろい函に
颱風がつまっている
ガラス製の 記憶より小さな、
そのよるがふるえるのをわかると
これは宝ものなのかもしれないとおもう
血液の、くろい川の
....
あなたのかわいい
おくれがちな相槌
寒すぎて ちょっと笑ったよね
愛してたけど
愛じゃなくてもべつによかった
隣りあう洗濯物
使いふるされた工具
石ころ
乾いたスポンジ
....
単発の鉄風で
装填された朝
君は
この世に残された
たった一つの貴重な卵を
お割りに、なられる
ベーコンエッグの
湯気の立ちのぼる向こう側
肥満児の群れが
対空ロケットランチャー ....
影の伸び縮みに合わせて、
私の身長も、
伸びたり縮んだりするから、
夜が来ると私は、
世界一巨大なバケモノになる。
ピーターパンが低空飛行しながら、
地面に擦り付けた、自分のペニス。
....
ぼくはちっちゃくて
やせっぽちで
ひとりふるえているよ
それは
青白い蝋燭の炎
風に吹かれ
常に揺らいでいる
その様を晒し
澄んだ歌声を響かせる
荒野に、この荒野に
ぼ ....
○「今日も独り言」
年を取ると
独り言が増える
だれも聞いてくれないから
だれも聞いてくれないからといって
一日黙っているのは寂しさつのる
○「オリンピック」
「メダル、メダル」と
....
風に吹かれて
混沌とした現実に曝され
絶えずもう絶えず
風に吹かれて
唸ってリアルは唸って
この混沌に殺されていくよう
)君は月明かりのなか永遠を探している
)あの光に満ちた永遠を
....
あおく
すみわたっていく
ひかりのだいち
わたしはとどまる
ここがすみか
季節は巡り
春が来て
土中に蠢く命たち
光を求め
飛翔する
あおく
すみわたっていく
ひかりの ....
夜の 静けさを
味わうと
キリキリとしてくる
こころの芯の
悲しみよおやすみなさい
白と黒の雪景色の、
灰色の空の、
深く解けてゆく
一日一日の光静かに
春は近づく
....
パステルがはじてける
ピンクやペパーミントグリーンが
春を告げようとしている
子供の頃に食べた
チョコレートのおかしみたい
ボタンみたいなパステルの
ラベンダーや淡いグレー
ポップんちょ ....
私にとって
悪い物事も
私自身の心を試すための物事だと
いつもではありませんが思うことにしています。
「勝手にすれば」と
心の声が言う。
はい 勝手にします
うん でも
苦しい時や ....
僕は高校の頃、小学生の頃の上級生だったYさんと電車で目が合ったことがある…。良く晴れた日の昼だった…。彼は強豪校に進学していたが、試合に一度も出られたことがないという話を風の噂で聞いたことがあった。僕 ....
トリプルコーク1440という技は
確かに凄い
鳥肌もんだ
雪景色の澄んだ青空に飛び出して
回転する姿は何よりも美しく
素晴らしい
しかし、私には
もっと凄い技がある
トリプルコーク ....
荒涼とした
この地に独り立ち
君の傷ついた足を洗う
地獄にも似た静寂が辺りを覆い
暴威の呪われた異邦の声が響く
冷えた原色の広がり、渦巻く虚空の灰
君は微笑む
いつまでも微笑んで ....
雪が止み
東京はいつもの晴れ
祝日の人々で
駅前は混雑している
駅前を外れ住宅街には
紅梅が満開で
そのしとやかな小さな花の房を
吹き抜ける北風に揺らしている
日常の変わらぬ光景が ....
・不安定なかたちをしている、夜に咳き込む
・冬の陰影が換気扇に吸い込まれてゆく、最後の煙草に火をつける
・不眠症の薄明かりだ、無理やり布団に引き込む
・おわりの星の話を聞いてやる、星 ....
青い山赤い山白い山
残酷にきらめいている春の川
スマフォほっぽり出して小さな旅
やっと目覚めたことの緑目にしみる
けさは食事も摂らず御神木の前
朝陽のぞむ、さくやの ....
訥々と繰り返される心音が冷える大気に反響し
舞い散る雪は別れの予感に打ち震えながら
ゆっくり大地を濡らしていく
誰もが不安と虚無におののく夜
鳴り響くアンセムにすがり付き
自らの行く末を ....
わたしには
笑わない権利が
誰にでも
幸せになる権利が
あるのと同じように
空は晴れ渡っているが
笑わない
隣人は親切だけれど
笑わない
優勝チームの凱旋で
街はかまびすしいが
....
何処までも澄んだ声が響く
この夕暮れ
西の地平にうっすらと
青いシルエットを晒し
富士が佇む
明日は大雪、底冷えする夜
仲良く手を繋ぎ
お眠り、子供たち
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