ゴミ処理場だって
場外馬券売り場だって
下手すりゃ
コンビニだって
隣に出来たら
文句言う訳だからさ
自分ら使うくせに

要は距離の問題なのよ
自分家から遠けりゃ
例えばアフリカに ....
椅子になってみようと思って
椅子にはなれなかった
三秒で挫折した
たゆまぬ努力なしに
椅子は存在しえない
私の大腿四頭筋は悲鳴を上げ
痙攣を始める

あまねくすべての椅子は
慈悲とい ....
人の体温に恋して
霊は家に住み着くらしい
頼んだわけでもないけれど
周りにたむろする木や草の
のぞき込む好奇心を追い返し

昼間 人が出かけても
テーブルの下 柱の陰
ドアの後ろの暗が ....
教会のステンドグラス金木犀 朝顔がくちづけせがむように咲く 形見だったのか喰っちまった ジョンレノンが歌った

目を閉じれば生きるのはたやすい
開いても見えるのは誤解ばかり

それでもいいと思うのだ

何も知らなくていい
観念ばかりが先走りするよりは

いま見えるもの ....
空想の翼と妄想の足枷
境はあっても壁はない
空と海のように

神学と罪状を彫刻された
流木は風と潮に運ばれる
翼もなければ鰭もない

時折 鳥が降りて来て憩い
流木の節くれだった目を ....
何かを始めるのに
手遅れなどということはない
始めた時が
始まりのとき

手を伸ばした時が取り返すチャンス
足を踏み出した時が
新しいスタート

空を仰いで
深呼吸した時が
誕生 ....
私にとって秋は蟻ほどに明確な季節ではありません
私にとって秋は蜂ほどに運命的な季節ではありません
私にとって秋は鈴虫ほどに激しい季節ではありません


今朝。私の手のなかであまりに柔らかく容 ....
        ふりつみて
        漆黒のまつげの先に
        しんしんと
        どこかでだれか
        涙する
        まつげにつらら ....
いつも 楽しそうだね
ねぇ どうして そんなにがんばれるの?
生き生きしてるね

仕事で出会う周りの人は 私のことをそう言う


なんでそんなに不安になるの?
もっと自信もったらい ....
あの百舌鳥の前世はマリア・カラスなの げんこつが口から出なくなっている 僕の<ありがとう>に
羽がはえて
僕の<あり蛾とう>が
飛んでいく

特製オムライスを作っている
君の左肩にふんわり
とまると思いきや
君の脇腹をつまんで
帰還する

<最近 ....
部屋の電気は消してしまって

まっくらで物静かな夜

十一月はひたひたと

毛布の重みと共にやってきた


手は繋いだままで

寝息の輪唱を続けた

手のひらの温かさだけ
 ....
秋の夕暮れ
床に漂う冷気に足を漬け
おとこひとりタマネギを剥く

まな板に乗せ 包丁を持ち
玉ねぎの白い肌が 
病床の妻に重なって
ためらったおとこから
逃げたタマネギ

床から拾 ....
螺旋階段を下りて行った
ぐるぐる
ねじれる記憶を
拾ってきたの
遠いこだわりを
大事そうに抱えて
あなたは私を指さして
「あなたが私を傷つけた」という
そうだったかしら
身に覚えがな ....
青いてのひらから立ち昇った 赤い煙と黄色い灰 今日一日は紫の雨が降る予報 誰かを呼ぶ声がする それだけが存在する人のいない社会で 色は色同士響きあい 次々と異なる色を生んでゆく 黄金の岩肌が銀色の葉を .... ケンタッキー・フライド・チキンの
パーティーバーレルを
一度だけ買ったことがある

当時、随分と年上のキャバ嬢と
知り合いになって
嬢の勤めているススキノの店
10分900円のセクシーキ ....
甘すぎる飲みものに
あまり遠くまで泳いで行けそうにない日
という名まえをつける

低体温というひびきに憧れなかった?
いいえ、わたしは
身体のとおいところが
ゆっくりとまわるようなめまい ....
「早く寝てね」のメールで起きた 修学旅行で出会ったバスガイドさんとの文通が途絶えた いろづいた
いちょうを編んで
やわらかなストールをつくる
ゆっくりと首に巻き
はしゃいで
みたりして
きせつは
名前など欲しがっていなくて
ひとり
通せんぼする散策路

 ....
土踏まずの深い足裏で
たわわに熟した葡萄を踏みつぶす
たちどころに
赤紫の液体が
{ルビ箍=たが}で締められた
大きなたらいの中でほとばしる
秋の森は
少年と少女の息遣いで色づき
どこ ....
背中に杭がささる
子どものころはそのまま
小学校に行った
人には見えないので
痛みをこらえている表情を見せなければ
だれにもわからない

休み時間に追いかけられて
プロレスのヘッド ....
三が日は毎年家族で過ごす。朝はコタツにくるまって年賀状の仕分けする。おとん おとん おかん おとん おかん じいちゃん おとん あにき おとん おもち おとん おかん おとん なんこ じいちゃん おと .... ニュータウンのそばの団地
わたしはその屋上から身を乗り出す
鉄のにおいがする

眼下に見える景色は灰色だった
冷たい人間たちが巣くう
わたしは蟻の巣の断面図を思い浮かべる

人間とは… ....
帰宅早々インターフォンが鳴り
え? 宅急便?
受話器を取ると
「とりっくおあとりーと!」
子供達の雄叫びが両耳に飛び込んで来た
驚いた
かぼちゃランタンがそちこちに並ぶ時節
とうとうアク ....
毬栗死んでしまうとはなにごとだ
壮佑さんのおすすめリスト(5210)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
庶民の真理- 花形新次自由詩413-11-4
あまねくすべての椅子に捧げる- そらの珊 ...自由詩2313-11-4
家霊- イナエ自由詩22*13-11-4
教会のステンドグラス金木犀- 北大路京 ...俳句513-11-3
朝顔がくちづけせがむように咲く- 北大路京 ...俳句713-11-3
形見だったのか喰っちまった- 北大路京 ...自由詩513-11-3
苺畑のきのう今日- 梅昆布茶自由詩1413-11-3
空と海のように- ただのみ ...自由詩32*13-11-3
手遅れ- Lucy自由詩21*13-11-3
ゆく秋に- 月形半分 ...自由詩1013-11-3
眠りのなかに- 石田とわ自由詩13*13-11-3
ねぇ_お母さん- 葉月桜子自由詩8*13-11-3
あの百舌鳥の前世はマリア・カラスなの- 北大路京 ...俳句213-11-2
げんこつが口から出なくなっている- 北大路京 ...自由詩713-11-2
<ありがとう>- nonya自由詩25*13-11-2
手は繋いだままで- 中村 く ...自由詩5*13-11-2
玉ねぎの涙- イナエ自由詩10*13-11-2
螺旋階段- Lucy自由詩14*13-11-2
twitter- 葉leaf自由詩213-11-2
クリスマス前のこと- 板谷みき ...自由詩8*13-11-2
ミルクティー- 平井容子自由詩1013-11-1
「早く寝てね」のメールで起きた- 北大路京 ...自由詩813-11-1
修学旅行で出会ったバスガイドさんとの文通が途絶えた- 北大路京 ...自由詩313-11-1
決められて秘められている- かんな自由詩5*13-11-1
葡萄酒- そらの珊 ...自由詩20*13-11-1
心に杭がささる- 殿岡秀秋自由詩713-11-1
正月- メチター ...自由詩5*13-11-1
灰色少女- 西園 虚 ...自由詩213-11-1
黒船- salco自由詩13*13-10-31
毬栗死んでしまうとはなにごとだ- 北大路京 ...俳句113-10-31

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