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はっさくや
植物学者の
家に有り
アザラシや昆布が絡む傷のあと
冴え返りにして雨の春は冷えるな
皿洗い終えてひとり音楽聞く夜
ジャズ・ギター熱くつめたく弾かれている
問題ないとじぶんに語る炬燵のなか
神と罪とぜんぶじぶんで持ってゆく
朝寝坊して路傍の草となっている
戦争は悪い夢の残滓よりもたち悪く
換気の、開け放した窓のちかく書いている
財布を整理する、財布は私だ
お腹が空いた、薬缶が鳴ります
....
けさは不安定のピエロであります
くすり服し苦味にお湯飲む
雲水にあこがれて物手離してゆく
使えるものは使い切るボールペン
きみはまっしろな歯を見せて笑う
神の彩色を手真似て画書く
老いたのかどうでもよい気持ちが勝る
反省して坐する
くすり四錠呑んで炬燵にもぐりこむ
日記帳から一日をはじめます
青い山赤い山白い山
残酷にきらめいている春の川
スマフォほっぽり出して小さな旅
やっと目覚めたことの緑目にしみる
けさは食事も摂らず御神木の前
朝陽のぞむ、さくやの ....
温水をながす 皿 皿 皿
皿洗いおえてひとりの炬燵
妻を眠らせ寝室の扉を閉じる
することもなく妻の偉大さをおもう
つかれた今日を中空におもう
明日も仕事の、ふくらはぎ ....
妻が泣きはじめて時がとまる
霞む三日月 童話の世界を歩く
カレーライスと妻が待ってるおうちに帰る
妻を寝かしつけ無を相手にしていた
アイスコーヒー片手に さて片づけるか
つまらない日にしないよう夜更かししようとする
奥歯を破壊してしまった
頭をカシミアにくるんで極採色 ....
ツンツンとした妻ですがガラスのハートです
二夜連続のシチューを頂きます
つかれで指が痙攣している
落ちつけば静かなふたりの冬で
読む本もなくて断捨離は成功しました
風呂あ ....
寒戻る猫が隣に来ない夜
早春の辛口ワインフルボトル
午後三時テーブルクロスに春届く
花明り君のバイクの通り道
春夕焼いつかは止まる砂時計
ブリ ....
気合の入らなさ、寒すぎるのだ
けさは砂糖なしのコーヒー それも宜しい
底冷えのともかく神は試練を与える
妻が起きる キッチンが動き出す
妻に一万円返してへらへらしよう
....
炬燵出す心のどこか片隅に
あたらしいバイクで走る冬の街
猫座る手編みのかごのお正月
クロネコのトラック明日はクリスマス
偶然を必然としてポインセチア
....
妻の歌、ベランダに漏れつつ 星をみつけた
夕食はカップラーメンの辛いやつ
雑な卓を片づける 妻歌っているあいま
久々湯船張り中で稲垣足穂読む
妻のひとひを語らい追う
....
やっと目覚めてパンに味噌汁
夜が明けない空のそこらを愉しむ
妻が炬燵でみのむししてる
やっと顔を洗う、さっぱりとした
陽ヲ待ツ
夜の帝国が消えてゆく
今日は今日であ ....
念仏のかわり自由律俳句書く
夜が明けたら雨はあがっていた
やっと目が覚めてやっと朝食とる
今朝も妻は自作の歌うたっている
苛々として己の病気を恨む
一生懸命だらだ ....
三日月が町に魔法をかけようとする
どうしよう手袋がなくて、原付に乗る
仕事できなすぎて涙ぐんでしまった
妻へプリンとミルクティー土産に冬の夜走る
初仕事 ボロッボロの体で帰宅
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夕陽が背伸びして犬の影がおちていた
虹色の小魚を手のひらにとる
足首のギブスやエディ・コクラン忌
腐っても女子なのだから蝮蛇草
山桜オレの遺体が見つかった
怪獣の足元に咲く桜かな
高瀬川オレをひとりにする桜
蘆の角まだ倫敦は夢の中
どうにかなるどうにかなる蘆の角
金持ちも貧乏人も春眠し
絶交をしたこと忘れ春日影
眠剤をワインで飲んで四月馬鹿
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