まんさくの枝に結んだ恋みくじ
啓蟄や動き出せたら良いのにな
雪解けか小指贈って手打ちかな?
木の芽どき秘伝のタレの壺を割る
車椅子押してもろうて春の月
合格が捻り捻れて ....
手が
こんなにつめたいから
準備ができません
気をつけていないと
死んでしまいそうです
中指だけ
爪がとれています
あしたの朝には
何かを知っていたい
暖房器具を
買いにいくと ....
雪がとけはじめたので
家族に会いにいく
小径のうす紅の梅が春を さそっている
久しぶりに会う誰もが
笑顔でいるのに ほっとする
( もう 一年になるのですね )そう語りかける ....
ゆうてみて
あたしのどこがきつねなのか
そらぁ
お天気の日に雨はおっかしわなぁ
そんでもなぁ
この雨を降らしたんはあんたやで
しょぼくれた顔してうどん食べてたから
声かけたん ....
海の底の
とある場所に
海亀の墓場があるという
大海原を
潮流にのって
悠々と回遊していく
海亀は
死期を悟ると
特別な流れをつかまえる
それに乗り
終焉を迎えるために
....
ビールを飲んだ僕のからだは
北国の暖炉みたいにほてっとあっだがぐなってくる。
心臓がどくりどくりと高鳴ってくる。
このボールペンを持つ手も、震えてくる。
しゃんそんっていいなぁ・・ ....
今、神保町の珈琲店・さぼうるで
赤煉瓦の壁の地下にある席で
珈琲をすする僕の目線の先の1階では
美川憲一・はるな愛・ノブシコブシの吉村さんが
おいしいナポリタンをフォークで
すくっ ....
つまり愛だ
どんなものへも
愛があればゆるせる
ゆるせないこともまた
愛だ
憎しみさえ
イキモノに大きい小さいもあるか
祖父の言葉が重く
私には
粗末という言葉を教えたの ....
スカイブルー・スカイ
去年の私は
もういない
テロメア
擦り減って
私は少し身軽になった
あなたのメール
まばらになって
私は
一歩踏み出す準備
愛してるって
転写し ....
報われない愛を僕にください
届かない手紙を僕に書いてください
安っぽい言葉でもいいからささやいてください
僕が必要だって言ってください
思い出します君の柔らかな薄紅色のマフ ....
崖っぷちって言葉を
良く聞くけれど
何処から効くかってのが
問題なのかも知れないね
何を以って 崖とするかも
拘って 来るんだものね
お肌の曲がり角
人生の折り返し ....
行き先は上海
360度、海が見渡せる場所に行けるから
船旅が好き
地球が丸いってことを
実際にこの目で見て
感じることが出来るから
地球の丸みのてっぺんで
デッキの風を感じ ....
街の
人の
屋根瓦を
頬っぺたを
ボンネットを
ランドセルを
街の
人の
やわらかいところを
かたいところを
親切なところを
依怙地なところを
つついて
....
さくらの花びらにあなた宛ての
手紙を書きました
そろそろ、そちらにつく頃でしょう
花びらが散りましたら
したためた詮無き ....
やねがかげを
おとしてる
ひなただった
そのあたりが
まだあたたかい
やねからおちた
ひのかげが
いまはゆうぐれに
そまっている
どうして見えないのか!
早咲きの桜の下に
噴水の飛沫の先に
賑やかに降り積もっているのは
詩ではないのか?
どうして拾わないのか!
膨らみ続ける蕾の上で
ベンチで踊る ....
波うちぎわをみていた
よせてかえす、
よせてはかえす波のふち
足をあらい
かぼそい時を分断し
つまらぬ生きものを
生かしていた
視線をあげて
ふと見た
あかるくあおい
水平線
....
愛し合うことで
この世界を美しく{ルビ汚=けが}そう
互いの内なる罪の昏さに
惹かれ合った二人だから
二人がいろいろなかたちで
抱き合うそのたびごとに
幾重にも罪は深く響き合う
二人 ....
1
必要と頷いても
近くにあっては困るらしい
それは遠くにあって
必要なときにだけお世話になる
ありがとうございました
添えたお礼と深く折り曲げた腰を上げてしまえば
あと ....
意味もなく
きみの匂いを嗅いでいる
そこには
しあわせだとかふしあわせだとか
そういう類のものは
感じられない
春先のつめたい空気の中
アイスをほおばる
その口元
きすをするのに ....
ふっくらと 光線を 中に吸い取りながら
梅が ごつごつとした 枝先に 咲いた
厳しく けなげな そのさまに なぜか
ある夏に訪れた 遠い島のことを思った
出雲の孤島の海岸には無数 ....
金持ちも
貧乏人も
健康な人も
病んでいる人も
希望に燃えている人も
絶望の淵に座り込んでいる人も
お気楽な人も
深刻な人も
白い人も
黒い人も
満たされた人も
飢えた人も
か ....
数多くの死体が目の前に散らばっていた
私は 風景を見つめていた
それは 何のためだろう
誰のためだろう
わからないけれど 街は どこにも 見えない
夜の闇の中を走っていくトラックドライバ ....
“恋心なんて、とうに忘れた”
なんて
強がらないでください
恋って
いいものですよ
人を好きになる
それは
自分を好きになることに繋がっていくから
忘れないでくださ ....
浅い日だまりが
いってん はぐれて
そこだけが
闇のようになった
おいつけないままで
見つめている
春の日の
少年のような
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人は87年間考えて、
考えて考えて、
考えて生きていくと、
いったい何に成るのだろう。
心に硬い硬い殻を纏った
岩石にでもなるのだろ ....
春の採点
平日
ちっとも忙しくない日
じっと座っていると
時が頭上を通り越して行く
一世紀ぐらいのストライドじゃないかと
それほど風圧を受ける
目の前の原で四歳の私が
一心不乱に ....
今年もこの日がやってきた
例年と同じ農園のビニールハウス前に
イチゴ狩りに魅せられた老若男女二十数名
斜に構えたり 無言を装ったり
だが皆が高揚を隠し切れずにいるのだ
農園の主人は愛想笑 ....
山を歩いていると
深い緑に浸り
濃密な孤独感と解放感を
吸い込み吐き出す
誰もいない山道に
誰かの視線があるかと思うと
綺麗な赤いまえかけをした
苔だらけのお地蔵さんが
ところどこ ....
森林公園のなかに
それはそれは
長いすべりだいがあった
ゆるい
傾斜のそれは
すべると
ローラーが
カラカラと音をたてて
人をすべらせていく
ゆっくりと
ゆっくりと
....
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