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失う
中と言葉を だろうか 失う
風の言葉の
僕にしたためている
眠りに街 落とされたさまよいの
日々は 湖の波
歩いていく筋の形の を立つ
見ていた 白夜の
防波堤を 面の僕 ....
姉さんが嫁ぐ日
外は真っ白な雪景色
綺麗な白無垢姿は
雪の中に輪郭を溶かし
唇にひいた
紅の色だけが際立っていた
姉さん
私の憧れの姉さん
なぜ悲しそうなの?
雪を被った椿に
....
届かない言葉が 心から溢れて
欠片になって落ちていく
零れ落ちた言葉たち
月の光に照らし出されて
それは輝いて 道しるべになる
いつかあなたが
私の方へ歩いてくるなら
この道を辿って ....
横断歩道を
舟が渡っていく
あの生まれたばかりの
小さな子供は
その隣で雑談してる
サラリーマンの男たちを
いつか脅かす存在になるだろう
そしてあの年老いた
一艘の ....
どこまでも行くんではないですか?
そんな囁きがきこえそうな
森ではいつも会議が行われています
人類について
世界について
生命が
生まれては飛び立ってゆく
後ろも向かず
こんこんと ....
ひまわりを思い出す
夏、なにげなく通った街道に
群生していたひまわりを
川沿いのグロテスクなホテルで
ゆっくりと狭い風呂に入ったね
ひまわりを思い出す
黄色でらくが ....
無防備な機械が肩口からのぞいているので、見ていると胸を締め付けられる気がする。きみは突堤にちんまりと立ち、用途不明の其の羽を気持ちよく海陸風になびかせている。明けがたの水平線は紫とダークレッド ....
潮の香りのするベッドで
私は彼の寝息を聞いた
波の静寂は私を夢へ送り込む
レールに敷かれた私を
車輪がゆっくりと潰していく
何かが砕け 何かが千切れ
私はごろんと転がった
....
ひとつ
ひとり
ひみつのじかん
ふたつ
ふたり
ふんわり じかん
みっつ
みんなで
みかづきのよる
よっつ
よっぱらって ....
手拭いでメダカを掬う
たちまち抜け落ちる
水のいのち
幻をおおきく育てていくには
名をとどめ
コトバをかけて
再び流れに放てばいい
明滅する蛍を追って
とうとう露草とともに
黄緑 ....
無条件に抱かれることが愛だなんて
知らなかったよ
なにかを果たせないと
たとえ子供でも
愛されないと思ってた
顔色を伺ってるって
こういうことを言うんだって
知らずに生きてたから ....
滑り台に登り
寝転ぶスペースがないので
座って 空を眺める
オリオン座を探してみた
瞬く四角は輪郭が歪んで
中にある三連のはずの星も
つながってしまっている
耐えきれず ....
―離して
耳のツンと立った黒い子犬は
首に腕が回されるたび吠えた
―僕がいると
余計に泣かしてしまうから
犬小屋が空っぽになるのを恐れ
子犬の声まで鎖をかけられていた
....
あなたという ゆりかごにのって
ゆらり 揺れています
あなたが どんな風に想い
どんな風に泣いても
ゆりかごに乗った私には
見えません
ゆらり ゆらり
通用しないといっては ....
またたびにでよう
またたびたみん
またたびさがして
またたびたみん
思えば
丸いばかりの宇宙
ユグドラシルの
最初の一本
慣性だけには自信があるので
とにかく歩き出すこと ....
らっきょ の め
らっきょ の かわ
らっきょのしん
らくあればくあり
とはいうけれど
らくてんてきにいきていこう
おれはなんにもかわらない
らっきょ ....
エミリ、お空でお絵かきしてる
雪のような白の絵の具で
まっ青の空のカンバスに
ときどき 熱心に
ときどき 気まぐれに投げ出して
絵の具だらけの足でかけまわり
白い雲たちとかくれんぼ
....
高層ビルを
見上げながら
家路につく
街は高さを失いながら
広がっていき
やがて私は
空を見上げている
今日も日が沈む
路地を曲がり
その先に辿り着くと
温かい光が灯る ....
どんな風がすき?
その風が
吹くわけでもない こんな日も
どんな花がすき?
その花に
育つわけでもないこの花も
意のままに
したいか 空の色までも
どんな人がすき?
そ ....
僕は雪ん子 寒がりです
生まれた雲の下をしんしん走ると
すぐ鼻が赤くなります
雪に足跡つけていいですか
振り返れば消えてるのを
何度も見ましたから
口をアングリ開けて
待ってますね
....
青空模様のタイルに覆われたような
ガラス天蓋のあるコンコースを歩く
ひとけのすくない午後の駅には
のどかな旅愁が満ちている
上空は強い風が吹いているのだろう
立ち止まった路のうえを
雲が落 ....
カテドラルより鐘の音がこぼれてくるので
僕は屋根裏のようなその図書室で顔を上げる
埃っぽい書物たちの潜む書架が
ひとたび足を踏み入れては還れぬ森のようだ
森の中には誰もおらず
時折ド ....
有って無いもの。
糾弾と依存とを行き来して、
「ぼくら」はどちらの虜囚だっただろう。
吹きさらしの冷たい玉座に
老いた王子は逃亡の果て 独り帰り着く。
だがそのとき再び、
冬のおそい夜明け ....
斜めの方角からきた野心に貫かれて
私の正義は枯れてゆきました
たばこのぽい捨てなんて注意できる勇気はない
路上に捨てられた吸殻も拾えない
潔癖症の私にはふれることができない
自分で ....
上には上があるという
横には横があることを
だれもちゃんとはわかってない
並ぶってことは重要だ
生きることを認めることだ
同じ地球の同じ場所に
並んで生きるということだ
上には上 ....
空からおはじきが降った日
小さなうさぎが
震えていました
太陽の光を反射して
おはじきはキラキラと
七色に輝き
まるで
世界中の命のようです
皆は我先にと
おはじきを一つ受け ....
正確に、触れる
手を
失って、雪が降るように
眠る、かの詩行を
思い出して、正確に、見る
目を
失って、雪のなかを
行く、すべての孤独から
切り離されて、孤立、
蝶番が外 ....
かすかに上気した頬
鎖骨のくぼみに溜まった汗
息遣い。
柔らかく
膝にかかる軽い重みと
あけ放しの眼
・・ハンカチが小さすぎて、拭いてあげられない
タオルを用意できない わた ....
わたしが今まで付き合ってきた人、ひと
みんなやさしい人だった
だからわたしはいつも
好きなタイプを訊かれると
「優しい人」と答える
きみはとても意地悪です
わたしの手が冷たいと ....
あの時、卒業し損ねた僕は。
いつまでも、いつまでも。
同じ空を見上げて、同じ空気を吸っていた。
巡り巡る世界は、止まることなく。
ついこの間、新しい年を迎えた。
結局、僕 ....
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