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北から南から
風の交替
くぐり抜け飛花

手織りのシルク
揺れて肩に
ひとひらの春

祝う盛りと
うらはらに

桜林ついたての
隙間から

叶わぬ蕾  ....
 オルゴールの奏でる短調の流れの中で僕らは出会った。
 静かな避暑地の美術館に君の麦藁帽子は雄弁で
 僕の黒髪に風を寄越した。
 グランドテラスでは老夫婦の会話の隙間から優しいカモミールティーの ....
 桜の花は満開で 君は一つの時代を卒業した。
 休むまもなく 新しい時代はめぐる。
 心の準備は出来たかい?
 いま少しだけ 幼い君でいてもいいんだよ。

 健気に咲いている花を見て君は ....
歯ブラシが増えて洗面所が明るくなった 白い箱の中に眠る君は
桜の化身

雨に濡れて
君がひらひら
落ちてゆく

白い箱の下には
僕がいて
僕もひらひら
落ちてゆく

あらゆるところ
あらゆるときで
君は ....
遥か遠い地からやってきたという
鳥は上空に弧を描き
ここが大地の中心だと{ルビ鳴く=さけぶ}
指先に集約された生命は懺悔と熟慮を束ね
折り込めば人間の象を司る

{ルビ坩堝=るつぼ}のよう ....
ぬるい春のしゃぼんを歩いてた

ふくよかな水の妖精が

花咲くこころに綻んだ

ふわふわすいすい鼻で歩いてた


あの穴ぼこに入るのは

ぼくきりだいって枝を揺すった

あの ....
σ

花開き遠く煙りて 桃色の雲と見紛う春霞かな

σ σ

色黒だって匂いだけでつられてく 花の香りを打ち消しながら

σ σ σ

花見酒 宴たけなわで切ったもの 仕舞い ....
(虹が丘はなんで虹なんだろう?
(おじいちゃんに聞いてみなくっちゃ

今日も虹が丘に行くよ
ちいちゃんと早く遊びたい

そしてあの
キラキラ虹のように光って
なめると夢のように甘くて
 ....
闇色のコートの肩に刺さる
いくつもの銀糸の雨を
拭ってあげることもできないままで
私は冷たい夜を行く

棘のある視線を伏せて
唇だけを動かして見せたけど
今さら何を伝えたかっ ....
「みんなが俺を蹴りやがる
逃げても逃げても追って来る
囲まれては蹴りまくられて
仕舞には頭突きでふっとばされて
時には拳で殴られて
そんな毎日 地獄の日々―― 」


「みんなが私に夢 ....
空き箱を捨てようとすると
捨てないでと
声がする

ほうら
よく見て
案外魅力的な箱でしょう
中身がなくなったからって
存在価値がなくなったって
ことじゃないのよ
むしろ
そこか ....
人の企みなど知らぬ大海に
旅の憂いを語る惨月がゆく

人の営みなどしらぬ夕陽に
今日の無言をあずけて

誰かの眠りの時々
遠山にある真っ直ぐな
針葉樹のならびに
あらゆる讃歌を探 ....
とうめい が
好きですよ

漆黒も
好きですよ

漆黒が とうめいな日が 好きなのです

玄武の闇漆黒の岩石の中でケイセキは ちかっと 輝いて

その輝きは あまりに ちいさいので ....
こたつと蜜柑の季節が終わって
それでも フッと食べたくなる蜜柑
蜜柑産地のJAで赤い網袋に入って
300円の値札を付けて並んでいる
{ルビ寒=かん}の間{ルビ室=むろ}に貯蔵されていたものだ
 ....
「父が居なくなって、自由になった。」と言われたので

(縛るものが欲しい。)と

戒律を作った。

心に硬く
心に巻きつけて。

私は目隠しをしてから
自らの全身を巻きつけた。
 ....
影送りが

色濃く映る空の下

火葬場の入り口では

これから家を見る妹が

父の遺骨を抱えている。

後から来る私は

父の遺影を掲げ

笑った顔に笑い返し

すっぽ ....
また今日をまたいで
何も起きなくても
全部変わっていく
わたしのからだが途切れないように
先端を感じて
信じて
消えてくものばかり
桜の花を憎らしく思う
春の匂いを疎ま ....
道の途中の四辻にて
{ルビ運命=さだめ}のように、二人は出逢う

――旅に出るか
――はい

芭蕉と曾良の同行二人は
見送る人々のまなざしを、背に
(川の畔に風は吹き抜け)
旅の小舟 ....
時間を忘れていた
海の音が聞こえていた
都市の音が聞こえていた

カラスの背に乗せられていた
飛翔していた
5時半の放送が
避難命令を出すときに

僕らは河原で遊ぶ
きっとどこ ....
あなたの中のいくつかを
あの子たちがもっているから
哀しまなくても
そうして
気がついている
ここにいる

命も精神も
肉体もつながっていない
あの子たちが
いるって
あたしは誰とも
共感なんてしたことが無い
本当は
誰にも同情なんてしていない

カラスの群れの中に
カモメが迷い込んで

鳩の群れの中に
インコが紛れ込んで

周りの誰とも違う歌 ....
様々な波長のことばに耳を傾ける
舞い散る花びらのように光をもとめて
あるいは影に紛れてかたちを失ってゆくものたちよ

羽化して浮揚する繊細な翅を持つ蜉蝣のように
永い水底の想いををうたにして ....
陽射しの暖かさを受け
心の冬が溶けていく
三月、冬と春の間
その月を一喜一憂し
過ごした時をまた来年も繰り返すのだろうが
しかし
この三月は二度と戻らない
感傷的になり
冬に別れを告げ ....
家に泥棒が入って 大黒柱にタイマー付きの爆弾を
何ヵ所も日時をずらして 仕掛けて逃げた

百二十年続いた掟や道徳心や慣わしまでも
少しずつ破壊していく
傾き始めた家の 頭は白蟻に食い ....
ちいさな手が
誰に習ったのか
頭をなでる
背中をさする

「おかあさん、だいじょうぶ?」
いつの間に
こんなに上手に
しゃべれるように
なったのだろう

返事を忘れて
見つ ....
田植え前のあぜ道や
魚とりする水路でも
好んだ湯浴みも
みんなアトリエ
でしたのでしょうね

日時計花壇のある木立
遠野の橋梁は銀河への旅
オリオンは高くうたい
露と霜とをおとします ....
返事の無い玄関先。

「ただいま。」と言って

父の姿を待つ。

去年の今頃は/一ヶ月前までは

奥のリビングから父の歩く気配がした。

今は私から靴を脱ぎ

畳部屋の父の祭壇 ....
降りたいときに降る春雨が優しさの向こう側 奇跡が起こる瞬間を描いて

苦しい毎日を過ごしていたのに

一番の奇跡は

母と娘たちが引き起こしていた。

数年と言われていた父の寿命は

2倍の10年目を数えた後

一つの ....
殿上 童さんの自由詩おすすめリスト(14757)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
sakura- 黒木アン自由詩4*15-4-2
- ヒヤシン ...自由詩9*15-4-2
娘に- ヒヤシン ...自由詩11*15-4-2
歯ブラシが増えて洗面所が明るくなった- 北大路京 ...自由詩1015-4-2
桜の身- 瑞海自由詩3*15-4-2
◎合図の朝- 由木名緒 ...自由詩8*15-4-2
水の妖精- 吉岡ペペ ...自由詩315-4-1
タンカ詩「サクラ」- とよよん自由詩4*15-4-1
虹が丘のひみつ(続_チョコチップクッキーは大切なお友達に)- とよよん自由詩5*15-4-1
夜行- 為平 澪自由詩7*15-4-1
雪のとけた校庭で- ただのみ ...自由詩20*15-4-1
こうして今日もわたしは片付けられない- そらの珊 ...自由詩16*15-4-1
四月一日- 黒木アン自由詩8*15-4-1
とうめい- るるりら自由詩25*15-4-1
三月の蜜柑- イナエ自由詩15*15-4-1
縛るもの。- 梓ゆい自由詩315-4-1
煙。- 梓ゆい自由詩315-4-1
新学期- かの自由詩2*15-4-1
舟にのる- 服部 剛自由詩615-3-31
- 佐藤伊織自由詩215-3-31
あの子たち- 佐藤伊織自由詩315-3-31
フォアグラ- Lucy自由詩14*15-3-31
消波堤- 梅昆布茶自由詩1615-3-31
三月の最後に- 這 いず ...自由詩215-3-31
腐る、父の見る夢に、腐る家。- 為平 澪自由詩5*15-3-31
ちいさな手- 小原あき自由詩7*15-3-31
銀河- 黒木アン自由詩7*15-3-31
花吹雪。- 梓ゆい自由詩415-3-31
降りたいときに降る春雨が優しさの向こう側- 北大路京 ...自由詩415-3-30
軌跡の後。- 梓ゆい自由詩315-3-30

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