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朝
凍ったような青空の中を一艘の船が
西から東へ進んでゆくのを見た
おそらく西に沈んだ月を
東の定位置へ戻す船なのだろう
さざなみが白く航跡を描いて
航跡はそのまま雲になり
ま ....
弾けもしないキーボードに指を添え
弾けもしないはずなのにコードを押さえ
弾きもしないはずなのにコードを鳴らす
知りもしない唄を思い浮かべ
知りもしないはずなのに唄を口ずさみ
知りも ....
涙がにじむ
指がふるえる
ココロが痛い
まるで
あたしの一部が
切り取られた
みたいだ
もう
あたしは
部外者かもしれない
だけど
いちどは
関わった
そ ....
ビニール傘がぶら下がっていた。
レンガ模様の歩道は車道より一段高くなっていて、
車道に面した側に、等間隔に木が植えられている。
そしてその木々を支えるように柵が各々に作られており、
そのう ....
怜さんは
スキだらけ
そう 君は言った
だってさぁ
今さら 生き方変えられないもん
じゃ
僕が まもってあげるよ
?!!
青天の霹靂! ....
むかしのじかんから
かけあがってくるものがある
まちへでかけても
ひとのなかにかくれても
ぴたりとはりついてふりはらえない
あそびは
わるいものとはかんがえない
みじめでしょ ....
何かちょっと足りないときは甘いものが欲しくなるから
スゥィーツをください
口のなかでとろけあいながらさまざまな後味を消し去ってくれるババロア
曇り空が晴れてきて
悪戯な人生はオマケの ....
早朝の河原で
かすかに首を動かし
じっと横たえる獣がおりました
わたしはそっと抱き上げ
セーターにくるみましたが
手袋を噛んで
小さく鳴きました
カラスにやられたのか
鼻先に赤いも ....
都会のマンションで
生まれ育った猫は
その3LDKが全てだった
たまあに
ベランダで日向ぼっこをする
エアコンの室外機に
ぴょんと飛び乗り
滑りやすい
手すりの上に登ると
....
赤く染まる
芥子の花が咲き
乱れる
どこまでも続く
白い墓標の列
海鳴りの
やむことを知らぬ町
忘れようとしても
消え去らぬ {ルビ戦跡=きずあと}
{ルビ頭 ....
主のいない広い屋敷に猫を一匹放したまま、今日だけは檻から出していてやろう
俺はひとりいつものあばら家で寝る
おまえも淋しいだろうが、俺も寂しいんだ
寂しいもの同士はやはり離れて寝るもん ....
これが最期のチャンスだなんて
そりゃあお前の甘えだろう
....
いまにも降りだしそヲ、
降りだしそヲ、
降りだしそヲ、
降りだしそヲ よ
あの
雲 底
( )
( ) ....
お前の髪は
月の雫に青く濡れて
俺の瞼を鼻先を、
腹を冷たく流れて行った
お前の白く滑らかな
体をなぞって行くと
掌に吸い付く曲線はさざ波を立て、
まん丸い乳房は大きく揺れて指から溢 ....
自分が木螺子だと気づいたのは
空の水が全部落ちてきたような
凄まじい雷雨が通り過ぎた後だった
公園のブランコの下の水たまりに
たまたま自分の姿を映した僕は
ほんの少しだけ驚いた
で ....
その夜の朗読会は
かなり文学的雰囲気に
満ちていた
高名な古今東西の詩人の
名前がバンバン飛び交う
あたしは・・・
この数年 詩集は買えど
ほとんど積読
欝は集中に ....
夜中浅い眠りのなかで
パチン》と《冷蔵庫の氷が割れた
朧気にまたひとつあたまの血管が切れたのか‥と思った 。
ひとりまた誰かが天国へ召されたのか‥
とも
思った 。
....
ねぇ
名前を呼んでよ
いつも いつだって
思えばこの30年近く
名前で呼ばれたのは
数えられるくらいだ
もったいぶっているんだ
そう 貴方はいう
婚約時代も
....
空をなぞって
言葉がはじけていたのは
少年だった頃
女の子がおはじきに
言葉を色分けして空き缶に詰めていった
夏の海に帰る前に
すき
という二文字が ....
風の強い日には外へ出たくないね
仕事してると一服したくなるだろ
ビタミンが足りないからすぐに風邪をひく
もっとセックスしたいんだけど相手を探すのめんどくさいし
貯金がないから旅行にも行かれ ....
一幕
ブーツをひとつ無くしたら背中から刺すのね
裸足になればいつか崖から墜ちるのを待っていたんだろう
狸のお腹のように食べ過ぎて
堪えきれなくなるから依存するわたし
いまに肩が ....
ヨドバシカメラ大ガード店向かいの雑居ビル
六階にはやはり怪しげな不動産屋が入っている
階下の換気扇が焼き鳥の煙を噴き上げる
ドンキの店頭商品じみた事務の娘は
毎度同じ罵り言葉を吐きながら窓を閉 ....
森町のかおるさんが新しい彗星をみつけました。2010・11・4のこと。
おとめ座あたり
ポカリ
Natureにほこりがかぶってから何年ぶりかしら
ポカリ
寝ながら流れ星が見えるように窓を ....
幸せ
孤児院住まいの見習いウエイトレスは
真っ赤な口紅のついたコップを載せた
ステンレスの盆を厨房の隅にそっと置くと
裏口から同じくらいにそっと出た
ダイアモンドとマスカラのお客はま ....
街の空に
モノトーンの虹
夜が来れば
乾いた月がのぼる
この窓も枯れてしまった
無造作にガラスのコップに挿した
一輪のピンクのガーベラだけは
鮮やかに浮かんでいるけれども
街はずれの丘 ....
サキちゃんごめん俺明日から出張営業やねん、、。
ごめんな?淋しい思いさせて、、、、
、、、、、、、。
前から言おうと思ってたんですけどぉ。
その顔でようそういう事言 ....
ひとはみかけによらぬものと
ははを三度叱れば
四度言い返される
そうしながらも雪は溶け
湿地に辛夷の花が咲く
わたしもすぐにははになる
水は瓶を零れ白い指先をつたう
冷たい大理石/泉の奥底に
褸褸と血はうすくながれ落ちた
女は腰に蛇を巻きつけ、小脇に山羊を抱えこむ
秘部を隠す羊歯の葉はかたく
その陰部を突き刺し ....
女人と婦人の違いを把握せよ
例えばそれは
シャーロット・ランプリングと
ローレン・バコールよく似てる
気質が猫に撓うのと(霧の夜は更なり)
義理堅い女は所帯臭いのよん(わんわん)
ダスター ....
瞼の奥で失っていたことに気づく。しかし、
それが、髑髏を巻いていたひと夏の感情だ
ったのか、それとも、行きずりの女が床に
棄てた水着の匂いだったのか。朦朧と立ち
込める喪失感だけが、ドラム ....
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