すべてのおすすめ
ひとつひとつの キスに
その時々の 思いを込めて
少しずつ 贈ってゆけば

届くかしら
子供のころ
とりかえっこが大好きだった
友達の靴はわたしには窮屈だったし
弟の枕は乳臭かったけれど
自分以外の人を感じる楽しいゲームだった
とりかえっこのあとには
必ずとりかえっこが返され ....
風が突き抜けていく
物言わぬもの 同じように揺らして

立っている
この広い 地と空の遠く広がる風景に ふたり
仲人は 纏う緩やかな温い風

手を繋いでいる
結んだものの重さに 離した ....
別に12月がそうさせてるわけじゃないけれど
(いや、少しは寒さも加担する感傷)
これまで歩いてきた足跡でもし、
踏まれた分だけ製造されるコインがあるならば
それをわたしは手作りの不器用にこさえ ....
時計を左に回して
過去に戻ったふりをして1日が過ぎた
時計をもう少し左に回してみたけれど
何も変わらなかった
どんなに時計の針を回しても
ただ時間だけが過ぎてゆくだけ

時計を巻き戻して ....
もともと正しさなんてないとすれば
あなたも罰せられることはないね

はじまりも不明確なら
終わりはもっとぼんやりしているでしょう

倫理や道徳という文字面の正義ほど
力のないものはないこ ....
あなたがあのこにあげた
ほそいほそいやくそくは

ざんねん、ね

ねむってるうちに
みごと
わたしのもの

かみをといてあげたの
しらないでしょう
わらっていたの

なんにも ....
ひらり翻す スカートの裾は
真夏に蝉が鳴く焦げた匂いがします

身体に残る 幼い傷跡は
あどけない睫毛が世界を包む優しさに似ています

頭の中を充満する 疑問符は
染色液が空から降り注ぐ ....
西日の強い秋の日に 
燃え落ちた赤ピーマンの残骸に目をやりながら
駅前のツタヤと惣菜屋へ向かう

ジャーのご飯に合う惣菜を
ツタヤで十代に戻れる私を
選んだはずなのに
コンビ ....
きらめく街に二重映しに
廃墟が黒々と微笑んでいる
何からの自由 何への自由

星が降る 壊れながら降る
その欠片が傷つけてゆく無数の意識
何からの覚醒 何への覚醒

君はいつ泣いていた ....
眠れないのかい?
そんな時はひつじを数えるといい
ひつじがいっぴき
ひつじがにひき
ひつじがさんびき
ほら眠たくなったでしょう?

わたしも
ひつじがいっぴき
ひつじがにひき
ひつ ....
ひつじがいっぴきもいなくなった
こまったしつじはこんせきをたどった

まだあたたかいねどこやら たべかけのくさをみつけては
あしもとをみて ちをはうようにそうげんをいく

たくさんあったあ ....
家族の中にあって孤独を感じる魂が木の十字架のある教会に飛んでゆく。
縁も由もないこの教会に慰めを求める気持ちは分からない。
消えてしまいたい。
愛したはずの人達が頭の中を駆け巡り、記憶の糸は縺れ ....
ひつじのひるね

ねじまわせ
ののじにねじ
はずれると
あとには
ひひ と つる

さんどうぃっち
ぱくり

ねるひのじつひ

ひがふたつある
のが
よりめだつ
 ....
僕が好きなのは
きっと 君ではなく
君の声
澄んだような
歪んだような

僕が好きなのは
きっと 君ではなく
君の姿
分度器ではかった
かざりもののような

僕が好きな ....
お月さん あなたの引力で
わたしを宇宙まで連れてってよ

お月さん あなたの光で
わたしを照らしてよ

わたしを月まで引き寄せてよ
あなたの引力で

お月さん
あなたの瞳 異国の鳥よ
陽炎の向こう遥か遠く
倒れた女の首飾り
散らばるビーズ夢の欠片
神なき宇宙の茫漠に
見えない糸で星座を編んで

あなたの声 異国の鳥よ
風の螺旋を辿りながら
 ....
コンパスは嫌いだ
三角定規も嫌いだ
三〇センチの定規も嫌いだ

でも
雲形定規はどう使うの?
何故四角定規はないの?

何かを描くために必要なものか?
とくと教えて欲しい


 ....
凍てついた夜道で
640年前のベテルギウスの光を見上げながら
今日は星が綺麗だね
って僕のポケットに手を突っ込んでくる

見えないサソリから
ただ逃げ回ってばかりいるとても臆病な僕を
 ....
日本列島を南から北へと
包み込むように来る寒波

あまり降らない広島市内
今回の雪が真っ白に染めて
雪国の景色になった

止む気配もなく真っ白が濃くなる

子供の頃は
もっと降って ....
いま闇の底トカゲになる あたしはすごく疲れてしまって
家までたどり着けるのかひそかに心配で
空気はきんきんに冷えていて
闇を泳ぐようにふらふら歩けば
月が煌々と夜空を照らしているんだった
なのに街灯の明かりの下で ....
モノクロームの写真に 影だけが見える
真珠の耳飾りが 揺れる 泣いているのに
あたしの瞳は 無垢な少女のように
耀いている 嘘をついている


アンリエット… きみの墓は 毀たれた
 ....
時々どこからか音が聞こえる
目を閉じて耳を澄ませばよく聞こえる
それは多分自分だけの音

ほら耳すませばいろんな
音が聞こえるだろう
僕にも君にもあの人にも
世界中に音があふれてる

 ....
見つめ合う 香水と煙草

出会いと出会いが通過していく、お互いの横目で
記憶を垣間見る 痕

口紅では 押し付けがましい
ネクタイでは 束縛し過ぎる

灰色の街を 太陽が落ち ....
夜と朝が交差する一瞬
藍色の空めがけて解かれる
淡い黄金(こがね)の帯
その真中を引き裂いて
真っ直ぐに飛んで行く 
お前は名も無き一羽の鳥

霊妙なる森の奥深く
未だまどろみから醒め ....
垂れ下がるこうべ五十数個、
効きの悪い空調がため息と空咳を掻き回すのを不可動式の椅子に座って眺めた、
ノートと感度は真っ白け

夜光心理学概説b/後期金3
蛹谷 空二郎


隣のヨシザ ....
長距離ランナーの
100%の全力って
98%出し切る力と
2%の余力を
温存するってことかな。

人を信じることって
98%本気で信じて
2%は騙されてもいいと
覚 ....
テーブルクロスが
一瞬にして失せたけれど
食卓の上に置かれた
皿やグラスは
微動だにしなかったので
私たちは
それについて話すこともせず
もちろん
見つめ合うこともせず
そのまま
 ....
(善いものも悪いものも美しいものも醜いものも高いものも低いものも、平に成りますように、祈りを込めた反証)

8-octo Pulse
紙に記された文字を読み上げる
それは神示、
拍動を失 ....
殿上 童さんの自由詩おすすめリスト(14757)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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