すべてのおすすめ
ころころ月が 指うえアソブ
あんなに雨だれ 聴いたのに
覚えているのは 風の事
吹いた過ぎたと つかえた胸に
爪たて 口たて 脈をうつ
風車は どちらさま
残したわだち 戻らぬ見返り
....
星を食べた少女は
嘘ばかりついていたから
みんなから仲間はずれにされていた
私の涙はどんな花も空色に変える、とか
私のくしゃみは太陽をほんのすこし
地球から遠ざけることができる、とか
....
美しい雫が世界を映してる
僕だけの世界ではない
もっと包容力にあふれた
愛の場としての世界
受け入れられないなら
君を引き受けてやる
そんなに縮こまって
全てに背を向けた時の恨みが
....
音のない涙がひどい嘘を流した
たなについたとたん ゆれおちるいた
くずれたものはない おとしたものも
のせられなかったゆびが ただおちて
おこごとはよわくはげしくみみなりに
ちらかってはばかって くしゃくしゃ
あたま痛い
こんな夜
乗り切りたい
寂しさも
わからない
響きあう
遠くのキラキラ
はんぶんのUFO
かじってみる
冷たいトマトアイス
....
私の スカルは 玻璃(はり)の うつわ
スキルは からっぽ なにもないわ
I am a ボーンヘッド頭が固いって言われてる
けど いつかきっと はじけるのよ
石頭なりに 夢見ているの
....
ただしい孤独は
凛として涼やかな音色であった
愛しい憂鬱は
窓辺に花をさして髪を梳かす
美しい季節は
褒めそやされて散る花びら達で
そこそこ保たれるものだ
どうしようもない時 ....
君を抱き止めた手が変な方向に曲がった
団地の狭い庭に桃を植えて
安くて新鮮な桃を食べようなどと
欲を張ったのだが
日当たりは良くないので
おいしい実がなったかどうか
それも分からないまま…
たっぷりの肥料と
水やりをし ....
団地の一階のベランダの下
ひみつ基地
アルゼンチンのサッカー場
はがされる
猥雑な清純が広がっている
オイルショックも
社長も東京もタクシーも
まだ青かっ ....
かららん
ころろん
約束してた夏祭り
浴衣の帯は苦しいけど
少し急ぐ下駄の音が好き
髪をあげた少女の瞳に映る
裸電球のあこがれ
くっきりと 影法師が揺れる
うす暗闇で手 ....
ああ神よ どうか
四十五パーセントくらいの誤解をお与えください
少なくても三十五 三十は行き過ぎです
勝手な想像と思い込みで
悩んだり喜んだり
怒ったり主張したり
素敵な誤解を捧げあって
....
綴った言葉は
ひとの目に留まったときが旬
綴っている間が旬
口にした言葉は
ひとの耳をかすめたときが旬
数年の後に思い起こすときが旬
秘めた言葉は
ひとに明かされ ....
梅雨曇りがさし込んで
すだれ模様の後姿
猫語で何か話してる
妻とノラネコ
煮干しと風鈴
地球から見えない場所で星になる
慈愛の糸でできた繭のような部屋は、安心だ。
管制塔のように 耳の中の音を分析する。
母の補聴器の購入のために 街にでた
街は祭り日。
耳の不自由な母と 私の世界は どれだけちがうのか
....
13日 金曜日
だからって…
いくらなんでも…
うす汚れた高層雲に
ギザギザにされた満月の
にじんだ輪郭は 丸
CT MRI PET
写し出された 丸
恐ろし気に存在する 丸
....
古本屋で買ってきた
詩集の頁に
銀行の明細書が挟まっていた
お取引金額二千円
手数料百五円
お取引後残高十六円
そう記された明細書が
栞のように
詩集に挟まっていた ....
夜が明けたよ
夜更けまで降っていた
淋しい雨も いつの間にか上がって
ギャラリーの軒下に逃げていた鳩たちが
ライオンの頭に集まり始めた
いろんなことがあったんだよ
いわれのない憎悪 ....
言葉の鎧を貫きたければ
言葉の剣を用いなさい
言葉の剣を防ぎたければ
言葉の鎧を用いなさい
どちらが正しい、どちらも正しい
どちらが強い、どちらも脆い
どちらが尊い、どちらも貧 ....
父の手をさする
硬く曲がったままの指を
一本ずつひろげ
滞ったものが
少しずつ流れていくように
強張ったものが
僅かにほぐれていくように
節くれだった
頑丈な父の手
鍬を ....
花火見る顔で嫉妬心を隠している
なだらかな丘を映した 湖はのどかで
ラズベリーのいばらに 縁取られた小径で夢見た
ふと目で雲を追う詩人のこころには
気の遠くなるような 循環が刻まれていただろう
自然などという言葉が ....
愛想の悪い
コンビニ店員がいて
時々ムッとするけれど
それは私の勝手な
お客さま感情なのかも知れない
缶コーヒーを
一本買ったくらいで
「こっちは金を払ってんだぞ」
って
偉 ....
花のように違う価値観
些細なことに
うちひしがれて
長い帰りの電車の中でも
回復はしないまま
封をされた新しい紙袋が誇らしい
アクセサリーや化粧を落として眠ればまた新しい気持ち ....
フィレンツェに
500年間立っている
ダビデ像の目は、睨んでいる
未知なる明日から訪れる
いかなる敵も
この世の暗闇さえも
打ち抜く(時)を待つように
一つの石を、拳に握り。 ....
私は知っていました
あの林檎に毒が入っていたことを。
隣国の王子様が
私を見つめていたことを。
私は知りながら食べました。
毒の入った赤い林檎を。
倒れた私に王子様が
キスをくれ ....
死にたくなる街を歩く足に魚の目
夏の庭には自然が蔓延る
カマキリが三角頭をかしげ
雑草が繁茂して人間の通り道をふさぐ
葉裏から湧き出る蚊
這い出すヤスデ
ときには小型の蜂が哨戒し花を個別訪問する
手入れした庭の美 ....
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