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都会は公園が狭い
そこらかしこに人々が置き去りにした言葉がころがっている
威力のない不発弾ばかりだ
今は放射能だかセシウムだかで
こだまのように響いていた子供たちの声もあまり聞こえなくなっ ....
十月の午後の坂道は
陽が傾くほど急になる
呆気なく転がり落ちていく
未消化の棚牡丹と
未開封の地団駄
十月の坂道の午後は
追い縋るほど暗くなる
勝手に暮れなずむ
未完の ....
岬の突端にある一本杉
その根元には猫の額ほどの草原が
崖下に望める港町は
なだらかな坂のある町で
火の見櫓以外高い建物もなく
斜面にへばりついた小さな
小さな灰色の箱の集落
漁船が停 ....
まどろみの中で
あなたの体温を感じる
猫みたいに
ちょっと足先を
太ももの間に触れる
気がつくと
あなたの脚に足先は絡んでいた
胸に置かれた
右手には
あなたの左手が ....
ロケットが突き刺さったあの丘は
今日も明日も照らされたまま
火星人の去った夜に
一人泣いているモニタの少女
差し伸べられた手は
もう何万年も前のこと
そんな時からディスプレイで一人
ロケ ....
陽気なハリー
今日も命を削って商売繁盛
そして、sold out!
きょうは
どんな日でしたか
誰かのことを
いとおしく
思い出したりしてますか
きょうは
どんな日でしたか
ひいきのチーム
負けちゃいましたね
よくがんばっても
負けは負け
....
可能性は宇宙よりも無限
膨張していく宇宙よりも遙か
遙か背中を追って
{ルビ僕等=ぼくら}は{ルビ久遠=くおん}と疾走していく
広大な海原に踊る大星雲
幻でもない想い人たちが
明星より ....
心の雫が
ぽたり
孤独を感じる
心の隙間から
風が吹く
涙が落ちる
雲の切れ間から
光が射し
梯子が下りる
来るな!
と言ってしまい。
糞尿地獄へ真っ逆さま
鬼 ....
遠いところから吹いてきた
風を感じている
静かな部屋
月光が射しこんで来る
月を見上げている僕の姿は祈っているように
見えているのだろうか
忙しい日々にかまけて
貴方と向き合うこ ....
つながれっぱなしの犬がいる
中型雑種茶色の犬だ
散歩してるのを
一度も見たことがない
コンクリートの駐車場の中
小さな犬小屋で暮らしてる
動けるのは鎖の長さだけ
その空間の中で
お ....
しょくぶつからみたら
わたしもまた
しょくぶつなのだろう
なかなかはながさかないねと
しょくぶつも
わたしをみているのだろう
えんがわで
かきのみをたべている
しあ ....
少女よ、猫であれ。
従順な犬でも 寂しがりの兎でもなく。
首輪をするりと脱いで、夜気と戯れる。
尾を気高く立てた、美しい横顔。
少女よ、猫であれ。
自分だけの世界の姫君、強か ....
真昼の目蓋の裏は
オレンジ
上映まで
もうしばらく
お待ちください
本は絶対に怒らない先生
解らないのを怒らずに
読み返しさえすれば
何度も根気よく教えてくれる
だけど絶対怒らない代わり
間違っていても正してはくれない
それは生きている先生じゃないと
....
降りつづく雨のせいで
部屋の空気が重く感じる
ポツリポツリと奏でる サティのピアノはけだるい
大きめのポットにダージリンティを入れて
ゆっくりと茶葉の広がる時を待つ
雨の匂いと紅茶の香り ....
わがままで
おろかだった
あの子のこと
ほんとうなら
愛したかったな。
でも
できなかったから
腕も
細すぎたし
すこし
まるくなって
遠くなった
あの子のこと
....
ある時私は翼が傷つき
二度と飛べなくなってしまったが
水面に落ちたので死ぬことはなかった
でもその日から
私はカワセミの標的となってしまった
私を殺しに降下してくる
七色の体を持つ美し ....
額縁が
絵の一部かどうか
ピカソに問えば
立体がどうのこうの
つまり
分析すればわかるらしい
見れば
平面じゃないか
世界は
あのように三次元だと
定義づけるならば
映画館で流行 ....
やんやんやんちゃに のこのこゆきぐも
すてりんころげた おなかは ぐーぐー
ちいさなつめたい おてて と おてて
ほしのしたに おちちゃった
みつけて ゆきだるまあん いたいの ゆきだるま ....
少なからず、
迷いはあったから
今もまったく
そうだから
なるべく
人にはやさしくありたい、と
やさしくされたい
言葉はきょうも
眠る時間です
少なからず、
痛い思いは味わ ....
膝をついて
頭(こうべ)を垂れて
祈る姿勢で打ち拉がれて
水なんて飲んではだめ
小さなキスを送りましょう
乾いた土のような皮膚が、崩れない程度にそっと
お母さんが死んだからって ....
沈みゆく夕陽の
叫びにも似た紅緋色
世界を燃やし尽くすように染めていく
心の渇望は際限なく
乾いた土が水を欲しがるように
あなたの言葉に耳を傾ける
わたしの葛藤は……
ざわめく言 ....
夜のひと
街角で下を向き、
誰だかわからないひとを待っている。
夜のひと
あなたはネオンを浴びてピンク色に輝く。
夜のひと
せめて今夜だけ
せめて今夜だけでもと
毎日のように。 ....
夕御飯は味噌汁にメザシ三匹ぐらいがちょうどいい
これは誰かが言ったこと
人生も此れくらいがちょうどいい 。
朝飯はパンにミルクコーヒーで仕事に向かう
物足りなさがちょうどいい ....
{引用=秋空に寄りかかる鱗雲が
開け放たれた海の際までずり落ちて
きみが咳込みながらズボンを降ろすのを見ていた
秘め事はスライドガラスに貼り付けて
食べきったトマトの缶に詰めてある
きみと
....
硝子窓の向こう側
暗闇の中で
蜉蝣の透明な翅が
月の雫のように光っている
―― ヤミガコワイ……
呟き声がした
わずかな物音まで
深い闇に吸い込まれていく
一枚の硝子に仕 ....
微笑みの外骨格を
こじ開けて
嘘のガラス転移点を探り
じっと観察しながら
ビュレットから始める
とある愛の滴定
被験体は少し
怯えているようだ
手袋をはずして
華奢な頸椎をか ....
差し障りのない罪を
いくつも背負い込んで
眉の間に深い縦皺を寄せて
のうのうと生き長らえてきた
脱ぎ捨ててもいいような昨日を
ご丁寧にたたみ込んで
誰が見てもわかるように
不幸の ....
胡散臭い
新興宗教みたいな夜のバーで
僕は水しか飲む気がしない
みんないて
みんないない
ここにあるのは
下手糞な詩の下手糞な朗読
ここにあるのは ....
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