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図鑑で見たことのない名前が
見覚えのない恐竜についている
たかだが十数年で何が起きたのか
サウルスは何ら変わっていないはずだが
人類は何を発見したのだろう

化石になりたい
化石のように ....
例えばこの手が動かせなくなった時
わたしはあなたに触れたくなる


例えばこの足が動かせなくなった時
わたしはあなたに会いたくなる


例えばこの耳が聞こえなくなった時
わたしはあな ....
ひょいと見ると出窓の内側で
そいつはいつものように
出窓に置いてある
真空管式の古いラジオに
じっと耳を傾ける
ビクターの犬のようだが
そいつは黒猫だ

出窓からは朝の港町の風景が広が ....
駅までの道にはなかった
信じられない

ホームでは
ゆっくりと背中を押す

きっと
迷惑がかかる
という被害妄想を
する人は
足を引っ込める

逃げ出すための
手段としては ....
いたずらな風にでも煽られたのか
薄桃色の世界が一瞬目の前にひろがった
 



男のひとは女性の下着に恋するものらしい

くしゃっとした
小さな布切れなのにね

でもそれは男の ....
<種類別> アイスクリーム(自称)
<体脂肪> 22.0 %以上
<内臓脂肪> そこそこ
<原材料名>
  怠惰、臆病、猫背、妄想、未練
  安定剤(貧乏ゆすり)、乳化剤(溜息)
   ....
ピリピリとした緊張感
ジリジリとした外気圧
タラタラと落ちる
粘度の高い汗
ズブズブ沈み込む
液状化したアスファルト
ユラユラと揺らめく
水蒸気の先の遠景は
妖怪の吐く息 蜃気楼
 ....
新聞によると、都会では 妖怪やむなし が 多く 出回っているそうだ
このあたりでも 妖怪いけしゃーしゃー が、つぶなら瞳を ぎらつかせている
だが、挨拶をかわせるのは なんか妖怪とだけだ

 ....
人の気持ちって なんだか変動相場制
高いときもあるし
低いときもある
だって生身の人間ですから

同じ自分なのに
昨日は低く見られ
今日は高く評価される
他人の気持ちも変動相 ....
助けたい
気持ちはあっても
自分には
助けられない
ときもある

そんなとき
自分が可愛いから
何もしなかった
とは思わないで

救えなかった
ジブンを
責めないで

運 ....
                   110714


単純な気候に憧れた猫の眼を考案して真空管ラジオに付けてみた
電源を入れるとみるみるうちに緑色に光り、選局する度に眩しそうに瞬く
これは ....
{画像=110715000430.jpg}


陽炎のゆれる炎の一日
草は夏の息をかみしめ
熱く重たい目蓋を降ろす
紅い夕日よ

それは陽炎のゆれる炎の一日の終わりの
時の流れの流 ....
捧げるほど
じゃない
いくつもの縁で絡み合ったこの地で
たまたま
出会ってしまって
今日は地球の重力がいくらか強い
だから
すこし伝えてみたい

月が見える
冷えた夏の夕刻に浮 ....
火宅、忍土、穢土 

憂き世、苦界、六道界・・・

現し世を表す言葉の群れ
生きることはすなわち
耐え忍ぶこと



包丁を左手首に当てた時は
そんな言葉達も忘れていた
何も
 ....
寄る辺なく
君を想うことなかれ
寄る辺なく
君に恋することなかれ


朝露零れて
透いた柔肌の朝顔
吐息に揉まれし


けふ
文月小暑
忘れがたき
夕でるまでの


 ....
息を押し殺して
手のひらでそっと囲んだら
金色の鱗粉を残して
忽然と消えた

紫色の残像は
一瞬だけ切なく薫った後
押し寄せる後悔の波に
さらわれていった

視界の端をくすぐる ....
  沈黙を
  六つの段落に区切り
  ふりがなをふりなさい



  青空をゆく白い雲と
  どこかから聴こえるピストルの音と
  くすりともしない人々
  この光景の
 ....
負け犬は社会からはじき出されて
今日も部屋に籠って
「芸術」という免罪符を貼った
自慰行為に走る

そうやって世間に
ひそかに楯突くことしかできず
負けを認めずに空威張り

それが ....
道を歩くと つい最近まで、卯の花や すいかづらの匂いがしていたけれど、季節は進み 香の蒸散するスピードも早くなり、このごろでは すっかり緑の陰ばかり探してしまいます。神社の石段下っていると 眼下に鳥居 .... 草の実は、苦くて酸っぱい。
子供の頃から、虫は好きだった。
うつむく生活を続けていたら、とうとう草むらの中に、顔を突っ込んでしまった。
緑色の空気がいっぱいだ。これで虫になれるかもしれない。そう ....
青い星の表面の、いちばん青いあたりに
ただよっているたまゆら、
暑さのせいでだいぶひしゃげて
じくじく、いじけた音を出してる

真昼の夢がさめやらぬまま、
うとうと動いてごろごろ働いて、
 ....
愛してただの



此の世で一番だっ ....
出棺を待つ君は安らかな表情で
首筋にあるべき索状痕は目立たぬよう化粧を施され
凄惨な最期を遂げたようには見えなかった

呼びかければ目を覚ますのではとか
冗談が過ぎたかな
頭を掻きながら棺 ....
たばこ好きの女が
たばこ嫌いの人達に
よく言われる台詞

「生まれてくる子供に悪いよ」

そうか
そうだったのか
わたしの身体は未来の誰かの物でもあって
今こうしてだらだら生きている ....
燃え{ルビ滾=たぎ}る汽車が
青白い草原の海を駆け抜ける

焼き切れぬ想いを馳せた
米粒ほどの露の身を乗せ
今日も間引くことなく 汽車が走る

私達では この手で{ルビ掬=すく}えなく
 ....
俺達の言葉は
射程を持たぬ(山本太郎「行方不明の言葉」から)

詩は
言葉の意味が
無限定に使われて過ぎている。

しかし、
僕は詩を書く。仕事の合間
苦しみ楽しみある時は

 ....
ねえ、あなた
ワタシ
出会いの旅に出ます

ええ、わかっています
あなたがワタシを
好いていてくれてる事
なんでも分かってくれようと
熱心な所

これまでの御恩は忘れません
忘れ ....
夏、炎天下

デブ、はしる
すごい 勢いで
デブ、はしる

デブ、汗、噴き出る
すごい量の
デブ、汗、噴き出る

デブ、汗、飛び散らせる
通りすがりの人全部に
デブ、汗、飛び散 ....
扉のチェーンをかけなかった。

それが、せめてもの優しさだった。
雨が降っている
君のことを想う

屋根を叩く雨粒
君は何を見てる

君への想いばかり
膨らんでいくから

分からない事は
そのままにして

君の上にも降る
雨を想っている
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