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ライカ病という病気は    一度かかったら
なかなか抜けられない    重いやまいだ

まずそのメカの美しさに   魅かれてしまい
レンズの写りのちがいに   驚く

戦場のカメラといわれ ....
いつのまにか夜だけがふけてゆくが
僕の朝はいつまでたっても来ない

時間の止まったままの時計をぼんやりと眺め
時系列のなかの無限の選択肢に思いを馳せる

ものごとを整理するには基準が必要だ ....
夕焼けという名の空がある
青空からの移ろいとしてではなく
終われば夜空ということもなく
そういう名前の唯一だ
いつかやがて
みあげている存在の全てが
一斉に瞬きしている隙に失せ
瞬時に忘 ....
人形も関節から
壊れてゆく、ら
しい。継ぎ目は
いつだって弱い
場所だからね。
かつてあなたが
若かった頃、肘
も、膝も、首も
指の中に取り付
けられた小さな
関節たちも、み
な ....
土曜日の午後
少しけだるい空気の中で
僕の前に座る女と
その後ろの大きな観葉樹
いつも小さな女の話し声が
今日はより小さく感じて
僕にはいくつかの言葉を聞き取ることができない

それな ....
引き寄せて歌の精よ耳元に
オンとイのほつれ目
楼蘭の砂から掘り起こされた女の髪のよう
忘れられたイトが絡まった
黴臭い沈黙から ふと
夜は陽炎のようにゆらめき立って
歪み捻じれたこの道を筆 ....
糸杉の並んだ道
夏のただ中だった
一歩歩くごとに
汗は蒸発していき
肌に残されたものは
べとつくだけの塩辛さだった

暑さのあまり
蝉の声さえ途絶えた
世界には
わたしとあなたしか ....
自販機で水を買う
百円の小ぶりのペットボトル
冷房の効いた車輌を待ちながら
冷たい水を飲む
汗が額から頬へ伝い
顎で雫となって
滴る
あたたかい風が吹き抜ける
ホームの日陰で
私は息 ....
すこしだけ雨が降ったあとの

しずかな午さがり

横たわる身体を

ゆるい風が吹いてゆく

窓の遠くに

白くうすい月

……

目を閉じると

わたしは岸辺になる
 ....
一枚の紙に、今から100年分のカレンダーが載っている。

想像できるだろう。

このカレンダーのとある日に、きみは死ぬ。

想像できるだろう。

なにもしなくてもきみは死ぬ。

想 ....
失われた時を還せ
死んだ夢を呼び覚ませ
きみのうなじの産毛が好きだから
僕の名前を風に聞いてくれ

最期の銅鑼が鳴り僕たちのバンドは退いてゆく
黄昏の中へ精緻な夜へと官能をつなぎとめる
 ....
花よ
いま震えている花よ
見えない風の手が怯えさせるか
それともやさしい愛撫に


花よ
人も同じ
誰かの心の中 将来のこと
見えないものに心を乱されて


わたしたちは少し似 ....
さよなら自分
こんにちは自分
歌っているのは夕空の下の
いまだあの頃 雁行を見上げながら
誰に向かって いつに向かって
泣いているのはやっぱり自分
忘れられない
忘れないから
そう言い ....
 その問いかけはまったく正しく
 答えられないって知ってるくせに
 問いかけたキミたちはずるいぞ

 でもね、世の中ってやつは
 答えられないことや応えられないことばっかりで
 できてたり ....
貴方の声が
虫のように耳もとにささやき
私の皮膚を穿孔して
血管の中に染み込むと
私の血流はさざめき
体の奥に蝋燭を灯すのです
貴方のだらしのない頬杖も
まとわりつく体臭も
すべてが私 ....
雨女の君が颱風を呼び寄せる前に     忘れ物          ルシファーお前の本当のなまえを
ちっちゃな落とし物を捜している
                      言語の獲得はきみとぼく ....
春にかなしいのはよくわかる
泣いたことのない人なんてきっといない
散り始めの桜花に紛れてまばゆいなってふりしてね

夏にかなしいのはよくわかる
泣いたことのない人なんてきっといない
最後の ....
遠い夏
街で見かけた少女
名前も
どこに住んでいるかも
知らないで
ただ精一杯
目で追うことしかできずに
それっきり
夢で逢えたらと願いながら
叶う事もなく


今日(四十年後 ....
 西の空に希望を背負った夕日が消えてゆく。
 黄昏た公園で私は老人を見た。
 ベンチに腰掛け自分の両手を見つめている。
 その時初めて私にも皺だらけの掌があることに気が付いた。
 
 深 ....
番号


まとわりつく、鉛色の
番号たちを集めて燃す儀式
ながい鎖が一筋、見あげて残る
個の人に成れ

番号に生まれたわけではない
番号になりたいわけでもないだろう?
番号は美しく ....
(あなた)


これから約束の
場所に向かう
どことなく意識をして
きっちりとした服装
風が強い
声が運ばれていく
彼女が例えばまだ
私を愛してると言っても
もう何も ....
演繹と帰納
対象化と止揚
ナボコフとアンヌ・ヴィアゼムスキー

ダーウィンとジグムント・フロイト
様々な世界観が駆け巡る

数学者は数理に没頭して
あまり感情の処理に脳の活動を割かない ....
時の過ぎるのを忘れ
畦道にしゃがみ
ひらく瞬間を待っていた
山の向こうに月が姿を現すころ
何かが限界をむかえるように
耐えていたがくが
プツリと裂けて
薄黄色い花びらが
ふるふる ....
ふと
遠くはなれてしまった人の姿が
無造作に表れてくる
胸の底が熱くなり
息が気にかかる
この頃は生きていることに感謝もしなくなり
死んだように生きている実感もわかない
た ....
手をつなぐと
だいたいわかる
あなたが私を
どう思っているか 
とか

あなたにも
たぶんそれは伝わっていて
私がちょっと
嫌だなって思っていると
おそらく
かなり正確に
それ ....
子どもいるから夜中にロイホとかでお茶できないの
けっこう不自由だけど
まあいいよ
でもこうやって
たまに話せるといいね

シングルマザーだから
厳しいっすね正直
え、マジ知らなかったす ....
いま歌っているのだろうか心から
誰かに伝える努力をしているだろうか

僕はソングライターではなかったのだろうか

きちんと生きているだろうか
きちんと本を読んでいるのだろうか

ドラッ ....
壁を求めて、森は
燃える
壁のない森
なんて
美しい森
わたしの暴風を
かなしい
金槌の硬さに例えて
燃やす
焔が先端を追いやる
あ、らわれる平原
泣くほどの
水がめは
どこ ....
梅雨晴れの下
ビール腹を揺らし
何處に行くか?蛙一匹

ゲコゲコと鳴きながら
生ビールを求め
下戸下戸と鳴く

また、どんよりとした空の下
ゲコゲコと鳴きながら
舌なめずりして
 ....
猫背になって
かなしんでいる間にも
朝顔はぽっかり藍色に咲いていた
ああ
にんげんやめちゃいたいよ
胸に
おそろしいほどすきとおった何かが
じぐざぐ刺さって
なみだがぼろぼろ落ちるけど ....
たまさんの自由詩おすすめリスト(4531)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ライカ病- st自由詩3*16-9-7
朝が来ない理由- 梅昆布茶自由詩1116-9-5
夕焼け- もっぷ自由詩5*16-9-5
わたしのアンティークドール- そらの珊 ...自由詩16*16-9-5
フィカス・ウンベラータ- 高林 光自由詩7*16-9-5
呪術師の末裔- ただのみ ...自由詩8*16-9-4
夏のスケッチ- そらの珊 ...自由詩15*16-9-1
天然- Lucy自由詩14*16-9-1
晩夏の岸辺- 塔野夏子自由詩2*16-8-31
100年カレンダー- 吉岡ペペ ...自由詩516-8-27
四季- 梅昆布茶自由詩1016-8-26
野の花- ただのみ ...自由詩7*16-8-20
夕空の下の道- もっぷ自由詩6*16-8-18
「大人になったら」GLIM_SPANKY<SUNRIS ...- 平瀬たか ...自由詩4*16-8-16
あな_二篇- 山人自由詩16*16-8-13
忘れ物- 梅昆布茶自由詩316-8-12
なみだ暦- もっぷ自由詩2*16-8-11
少年少女- ただのみ ...自由詩8*16-8-10
黄昏時の老人- ヒヤシン ...自由詩8*16-8-10
番号は予感に眠れ- 乾 加津 ...自由詩6*16-8-9
あなたからわたし、そしてふたり- かんな自由詩2*16-8-9
原始のままに- 梅昆布茶自由詩716-8-9
待宵草_- Lucy自由詩17*16-8-8
カノープス- アラガイ ...自由詩13*16-8-6
手をつなぐ_- umineko自由詩8*16-8-2
夜中にロイホであたしは君と話したい- うめバア自由詩716-8-1
ソングライター- 梅昆布茶自由詩1116-7-29
- 乾 加津 ...自由詩5*16-7-29
蛙の愉しみ- ……とあ ...自由詩316-7-27
にんげんの色- 田中修子自由詩4*16-7-24

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