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正義は勝つと言って負けた
オートバイの神様よ
僕にオートバイを運転するだけの
必要最低限の才能しか恵んでくれなくて
ありがとう
レーサーになる腕前も
白バイ警官になる技術もなく
暇さえあれば峠に繰り出し
運が ....
まさか 夢にみるとは思わなかった
明け方の私の夢に現れた
君のことは何も知らないのに
ネットという魔都で知り合ったのは
ずいぶんと昔のことだった
私が詩を書き始めた頃
君の書く詩はとて ....
突然
中1の長女が私の単身赴任先のアパートに転がり込んできた
つまり家出だ
終業式まで後2日
どうしたんだ?
洗濯 掃除 ご飯の支度
全部やるから ここにいさせて
....
【五色の指】
靴下を履かせた
五本の指に それぞれに 五色の靴下
おやゆび りっぱ
ひとささんゆび させないよお
なかゆび めだたないよ
くすり ....
たらいといっしょに回されている
春の日射し
山間の里
富士の清水の恵みを人々に振る舞う
酒蔵の蔵開き
心に沁みる酒
わさびと酒粕のかおり
皆の笑顔と笑い声
一年振りの再会は
社交辞令の欠片もなく
互いに肩を ....
髪を切りました、ばっさりと
決別です
春です、今日からわたしは
持ち上げては
こき下ろす
嘘をつかない人間はいないのだが
良い目を見たから許せないのか
騙されたから許せないのか
自分の嘘はばれたくないものだが
真実を追求する
マスメディアもか ....
春の柔らかな外套はいらない
寒風をしっかり遮る重いコートが欲しい
凍てついた大地を確実に踏みしめる足と
流れる雲をよみとる眼差しを
桟橋に繋留するための無骨な舫い綱あるいは
海底ふか ....
生と死、幸と不幸を分ける境界線の
なんと曖昧なことか
一体彼らが何をしたというのだ?
彼らと私の違いなど何もないではないか
奪われた二万千五百十名もの尊い命
決して癒えきれぬ悲しみを不意 ....
いつ
スイッチが入るのか
分からない
それが
ONなのかOFFなのか
分からない
そもそも
何処にスイッチがあるのか
分からない
行方不明のUSBメモリを探そうと
....
何事もなかったように光る海
廃線路の先には菜の花が咲く
網棚に取り残された箱を開ける勇気もなく
揺れる電車
ねむりを誘う振動
座ったままのうたたね
かしげてゆく首
透明な重力に引かれる右 ....
駆け抜ける想念とは裏腹に
書き抜けぬ言の葉裏の蝸牛
雪の積もったノートには
あと数羽カラスの行方が不明です
時の刃の上をゆっくりと滑る私たち
やがて「私」「あなた」という二つの断面へ
....
揺れる心地よさに
居眠りしていたわけではないが
通過してしまった駅があったという
ぼくを待っていた人に気付かず
遠ざかった町
乗車駅の ....
生き物は死ぬために生まれてきたんじゃない
そう思わなきゃ
津波でなくなったひとたちの無念や恐怖を
ぼくはうまく受け容れることができなかったよ
自分にコントロールできないことは気 ....
地平線の彼方も
ここと同じ地面が続いているだけって
ことは分かっていても
認めたくない自分がいる
夢とか希望とか
そんな言葉で未来を飾ってみても
今日の続きでしかない
明日に期待して ....
線路沿いの黄色が日に日に
仲間を呼んで
背伸びをうんとして
集まって
つげる どうにも麗しい春
まるで園児たちの黄色の帽子のよう
元気だけを呼び覚ます
どうし ....
九官鳥の鳴き声知っているかい
真似しすぎて
とうとう自分の声を忘れてしまった
めすをよんでも相手にされない
そんな人も居たな
人まねしていて自分の姿を失った
そんな人になるには
白紙 ....
【修羅】
へいわ とか
あい とかが
こわれることは
いとも かんたん だ
三年前の みぞうが
かんたんだ わすれるな と きいてくる
あんなに頻繁に目にした ゛みぞう゛ ....
ゴジラになってどうするのと
聞かれたけれど応えずに
ゴジラになった
この足がほしかった
この腕力もほしかった
壊れてゆけ
ただそれだけを願い東京を歩く
おもしろいほどにあっけなく潰れてゆ ....
玉ねぎを切っていた
パートの時間まであと少ししかなかった
カレーが煮立っている
そこに彼女はさらに玉ねぎをつき足そうとしていた
炊事場の小窓をあけて換気した
出掛けるまえ ....
昨日までの自分が仰向けに倒れている
わたしを見つめて
ワタシが言う
「踏み拉き進んで行け
過ぎ去ったものは階段だ
額ずくな 口づけするな……」
そっと足をおろす
枯葉を踏む ....
もうカーテンは暖かいよ
朝の日差しは
ひっきりなしにカーテンを暖めてるから
カーテンは暖かいよ
カーテンをさわってごらん
とっても暖かいから
暖かいカーテンは
冷たい指に ....
親戚の家に行く時は蒸気機関車に乗り、二つ目の駅で下車した。ひたすら砂利道を歩き、途中で山道に分け入った。薄暗い山道を息を切らして登っていくと、大きな杉林のある地獄坂と呼ばれる場所があり、そこ ....
長すぎるツッコミの間に話が次へ行った
目ェ凝らすと
吹雪のなかサ
色んた色した人たちが
手ェあげておどってらった
赤ェの青白ェの、黄色いの
さまざまな手やら足が
終わりの雪のなか
ヒラリヒラリとおどってらった
あぁ ....
1
目を瞑って
灰の砂漠を
食べていると
こころは徐々に
ひからびて
ちっぽけな
雲塊になって
コトコト笑う
鳥の頭蓋に
埋め込まれる
鳥のくさめ
いや、くし ....
鳥の姿の失せた空には
鳥のかたちの欠落がある
影が消え
言葉は失われても
羽ばたいてゆく記憶が
風車をまわす
失われた鳥の形の
風が舞う
私は
声を出せるだろうか
....
十一月の鐘が実を落とし
朱色の音符を齧る
冬になる前の夕焼けの子守歌
もういいかい
紅潮した頬がさらに赤みを増したのは
母に贈る感謝への気恥ずかしさ
渋くはないよね
不安げが ....
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