すべてのおすすめ
もうちょっとを掬い集めても
もうちょっとはもうちょっとのまま
それでも息なんかふぅっと吹き付けたら
袖口でゴシゴシ磨いてみた
やっぱし、もうちょっとはもうちょっとのままだった
....
今日はなに話そうか
そうだねえ
知ってる人は知ってるだろうけど
変なことがある
ビッグバンのとき
なんて気軽に使う言葉
ちっともわかちゃいないけど
そのとき極小のところに
極大 ....
北の国で少女は
歌を集めて翼を織った
旅してゆきたかった
生ぬるいかげろうの季節に
歌はそこら一面で摘まれ
籠のなかでちいさく鳴いた
迷子になったひよこたち
草原を季節風が ....
メダカは気弱な小魚だって
それが定義だと
それが憐れだと
勝手な思い込みが押し並べて
それがあまりにも{ルビ酷=むご}いと
両手で包み込もうとする
君の余計な優しさが
彼等の胸まで押 ....
会社をたたむと決心して以来
もののたたみ方に注意するようになった
これまで自分でたたまなかった布団を
たたんでみたりするようになった
いつもはそこら辺に放り投げている
パンツや靴下もたた ....
君にとっての世界
それはこの部屋のなかがすべて
出かけてくるよ
君は寂しげに小首をかしげ
ドアをあける気配に
まだかなまだかなと待ちきれない様子で玄関を覗き込む
....
曇天から垂れ下がる梯子
見つめる君がいて(天使だった)
問いかける
帰還はいつのこと
・・・・・・
土は汚れ
川の水は濁り
かなしみの花が咲く
無口な冬の日溜まり
....
月を揺すりながら宇宙の
中空散歩の夜が落ちてきて
ショートスカートをするり
とくぐりぬける箒星の尾っぽで
果てまで飛んで行けたらなと
思うのはなぜなんだろう
かすかに星の砂を
片手 ....
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** いつものイタリアンレストランで **
今日の昼食には
初夏の香りと笑いのレシピ
笑い声を集めて作る
レシピは初夏の匂い
....
朝日はね
特に良く晴れた日の朝日はね
そりゃあもう別嬪さんで
たったひとりで見ていると
もったいないような
独り占めできてうれしいような
不思議だね おれは
新しい朝と結婚したくなっちま ....
きょうの花びらを忘れない
玄関にまかれた花びら
あのひとの爪みたいだ
やわらかな色づき
ほのかな湿り
美しく朽ちてくれ
この桃色を掃きながら
ふっと心 ....
晴れた日に
空を見ないなんて
空がもったいないと思う
いつもと同じ
車窓からの景色も
晴れた日は ....
染井吉野ってさ
種で自然には増えないらしいね
この国にある染井吉野は全て
人の手でひとつの突然変異種から
接ぎ木されたものなんだってさ
DNAが同じだから
開花に個体差がないんだって
な ....
牽かれていく二すじの偏光
孤独な少年の手なぐさみ
自転車にまだ補助輪があったころ
ぼくは愛されていたかしら
いなかったかしら
初夏の予感が初めて来たとき
駅前通りに二匹の妖精 ....
赤ちゃんをあやす
なんとか
笑わそうとして
百面相など
繰り広げる
赤ちゃんが笑えば
私も笑う
私は赤ちゃんにあやされている
【あやされる】とは
どういうことだろう
ココロ ....
山を二つ越えた 谷あいに
老婦が ひとり住んでいる
杉森の影をうすくうつす そこに
ばあさまの名前のついた泉がある
涌きでる清水は 億年の/恵み
甘く やさしい
....
そこに
握り締めていたものが
怒りだったのか
憎しみだったのか
恐れだったのか
あるいは優しさだったのか
まるで思い出せない
たとえ
プライドの端を踏んづけられても
握らない ....
街の底の暗がりに
今日もジッと上目遣い
月の光の届かない
煉瓦倉庫の一角で
人を脅す生業(なりわい)の
舌なめずりで誇りもなく
動くことすら億劫で
知性の欠片は今何処
物欲食欲性欲と
....
思い出の箱を
春の野に
夏の朝に
秋の鳥に
冬の霰に隠してる
栗鼠のように
大切な食料
びっくり箱のように
色彩が溢れないように
暗証番号つける
秘密のファイルのように ....
上り坂が続く
坂道が
「ごめんね、坂道で」
という
ギアなんてついてない
ママチャリですので
傾斜が上がるたびに
スピードが落ちていく
ペダルが
どんどん重くなる
後悔が
....
どこまでも拡がる宇宙の果てから
針のその先のずっと奥までが見通せる眼がほしい
火や水や風
どんな重力にも耐えてゆける変わらない筋肉と骨
未知の細菌には負けない内臓器官
見えない放射 ....
ある日ふっと気づいた
言わなくなった言葉がある
忘れてしまった言葉がある
『おはよう』
『いってきます』
『ただいま』
『いただきます』
『ごちそうさま』
『おやすみなさい』
....
新聞紙の同じページに
震災への追悼が行われた事と
つい先日 襲撃された
日本大使館などの記事がのっている
犯人グループ 36人の死による鎮圧
犠牲者 11人 中に 民間人も含むらしい
....
君のために雨のなか
スーパーへ水菜を買いに行った
料理用の鋏を入れて
細い翡翠色のくきも緑の葉も
みんなガラス容器にあけて
たったそれだけのサラダ
台所には オリーブオイルしか
ないよ
....
青い瞳の中に
沈みかかる方舟
手を振れば
手を振り返す
遥か彼方から
震えた体を
異人の言葉が抱きしめてくる
温め合う心と心
黒い瞳の中から
ありったけのサンキューを
....
{画像=080302220223.jpg}
おいらは鈎にぶらさがったあんこうさ
口からいっぱい水を呑まされて
ぶらさげられて
身を削ぎ落とされる
皮も
鰭も
胃も
腸も
....
四月病ってあるらしい
さりとて年度替りの初々しい賑わいとは
とうに縁遠くなっているのだから
花散らしの雨もあがり葉桜と化した桜並木を
これでよいのだと独りごちながら歩む
※
....
一緒に生まれてきたはずなのに
生きていた痕跡が何ひとつ残っていない
私と同じ遺伝子を持つ {ルビ方割れ=かたわ}
誰の脳裏にも浮かぶことのない
母が亡くなった 今は……
私だけが知っている ....
毛布の中で
顔をうずめた
汗と熱のこもっ ....
湿った空気
それはイメージだけのもの
なのかもしれない
けれど好きなんだ
曇り空のもと
太陽を見失ったまま生きている
それでも十分すぎるくらい
明るいのが不思議で
どこから来る ....
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