すべてのおすすめ
浴衣をあわせ夏祭り
太鼓の撥がみつからない
山車の担ぎ手きまらない
祭りはまだか、もうすぐか
あなたが来るまで始まら ....
あひるは腰かけていた
石のおいろはみどりいろ
あひるはそこへ腰かけて
誰かが来るのを待っていた
誰かが喋り声を出すのを
じっと待っていた
しんしろの太陽は黙っていた
これらの人を知っ ....
俺のテレキャスターは
どんな女よりも
艶っぽく喘ぐ
だから
要らないんだ
柔らかくて暖かい
夜の女の 肢体なんて
俺のテレキャスターは
どん ....
飼い犬にまたがって
腹情死したおじいの
畳に書いた鼻血の
ダイイングメッセージ
「こしがもたんきに。」
キャインキュアイン
キャインキュアイン
あな恥ずかしや
膣痙攣で外れない ....
君と同じ空を見上げたかったのだ
お雛様みたいに仲良くちんまりと並んでいるんだよ
桃の花だって咲いているし重箱には煮物バスケットにはサンドイッチ
おまけにスパークリングワインなんぞも冷 ....
らーめん食べにいきたいっていうから、
らーめん食べにいきたくないって返したら
全力の平手で顔ひっぱたかれた、気がした。
ううわ、い、いたい痛いいたいじゃん。すごいなこいつおおばかか。気ですけど。 ....
わたしたちは
いつだって
傘のかなしみを知らないのです
雨は水のふりをしているけれど
あれは
悪魔なのです
今は悪魔であるけれど
もとは穢れなき天使だったのです
傘は特別製の防御服 ....
雪解けの時を待った
土を食べたくて
小さなシャベル片手に
まっすぐ真白い粉塊の一点めがけ
(吸い込まれる)
くらいに感じてくれたらいいな
そんな気持ちの柔らかさで
....
限りなく明日に近づけば
今になる
だから、僕らは夢をみるの
看取りは二晩続く。
その二晩が終われば二日お休み。そのあとは三日間通常の勤務。そしてまた看取りだった。
看取り二日目の日はいつも息子は老人ホームで遊んだ。
すっかり人気者だね、
....
息子は仮眠室で眠っている。
ぼくは杉下さんの容態をメモを録りながら聞いている。
今夜は杉下さんのおられる107号室がぼくの居場所だ。
居場所なんて言い方はおかしいのかも知れない。
....
時となく
海しか生きる道はないと
誰もがアキラメルのに
あいつは、天へと想いを馳せた
けして夢などという 幻でなく、
だから、
俺は
恋をした 誰もがそうするように 思いのとどか ....
風の変り身に
逆立つ産毛はあるが
人の変り身を
捉える触角はない
好奇心の玩具は
すぐに揮発させてしまうくせに
邪推の深海魚は
いつまでも対流させている
賞賛の燃料があれば ....
ワイングラスの双曲線、
横顔が解けて砂丘に、一擲の腕を展ばす。
塩の柱、砂糖漬の蜜蜂、良き教説、神父。
壜詰の色褪せた八月、
憂愁の貴婦人と砂糖工場。
産業革命、労働夫の銅版画、反民衆史の子 ....
弱かろうが情けなかろうが
日常は過ぎていく
淡々と
そうして僕は生かされている
見方によっては
捨て置かれている
と気づいた時に
何かが弾けてしまった
悩みなんかお構いなし ....
次の駅まで5分25秒
話した
他愛もないことたち
人見知りのあなたと
人見知りのわたしの人生が
はじめて交わった
まっすぐに話せないはずの視線が
まんまるな瞳に吸い込まれていく
ね ....
水平線が欲しいと泣いた
混ざらぬふたつが眩しすぎ
泣くしかなかった
空は碧に準じて深すぎて
....
休みの日には
行く場所がない
独身者寮二階洗面室
の窓から
女はサンダル履き
ひとりこっちに
来るのが見えて
おばさんと呼ぶに若く
おねえちゃんと呼ぶには ....
冒涜
神の名を語るも良し
悪魔の名を語るも良し
海を裂くのか
人を食らうのか
昇っていく
堕ちていく
“人”という科学
昇っていく
....
最近詩を読んでいません。
退屈な自分がくすんでいます。
最近詩を書いていません。
解体された自分が飛び散っています。
最近死を考えています。
活き活きとした自分に幻滅しています。
....
ふぅ〜
誰かのため息が
うなじをくすぐる
振り返ったら
黄色くなった“春”が立っていた
眼は真っ赤に泣きはらし
皮が捲れて鼻水が垂れている
あぁ〜
私はポケットから ....
午後三時のおやつの後で
時の抜け穴から
入っていくときに
ぼくは二つにわかれる
もうひとりのぼくは
庭に作る仮装の舞台に立つ
そこで主役を務める
普段のぼくより
威勢がいい
スト ....
涙だけをためた洗濯機に
渇ききってしなびれた心をつけ込んで何回もまわした
でも脱水するとまた、しわしわになり・・・
風にさらせば、パリッパリにまた乾く
*
じゃ口 ....
震災関連番組を見ている
私の背中に
六歳の娘が不意に覆い被さってくる
今朝思い切り叱られて
「ママなんか大嫌い」と
涙を溜めた目で私を睨みつけていた娘が
「ママ、大好き」と言いながら
....
目が疲れたので
書きかけた詩を止めた
いつも そんなことを考えては
暮れかけた思いの中をさまよう
部屋には 人はいないと気づく
誰の影もなく夕暮れが光を落とす
体が駄目になった ....
私はモノに名前などはつけない
自転車や楽器など愛すべきモノたちへ
名前をつけてはいつくしむ人たちに対して
嫌悪感ほどは抱かないがむず痒くなる
しかし私は毎日牛乳を飲むときや
....
忘れてしまえるということは
すばらしいことだとおもう
今日のことも
だれかのことも
わすれながらいきてゆく
わすれられないことを
すこしづつ手放して
花が咲くように
花がちるよ ....
えんぴつが折れるまで憧れを書き続けていた
まっくろい手のひらに重さはほとんどなくて
誰かがのせてくれた飴玉の部分だけひりひりしているようだ
信号がかわるたびに思い出を切り売りしているみたい
待 ....
130314
まずはおめでとう
年度末は
がんばったねぇと
誰かが祝杯を挙げる声もして
今日も花霞の空が続く
花と空と地との境目も無くなって
夢のような ....
しどけない午睡から醒めやらぬ眠り姫は
一人寝の孤舟の岸辺で戦の終わる日を待ち続けて
夕陽をぼんやりと眺めていた
眺望のよい塔のうえに幽閉された魂は自分の捕虜としての価値も知らずに
幼い時に ....
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