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敷き詰めた地雷
踏まないように爪先立ちで歩く君
だけども小指が当たってしまって
凄まじい音と共に
私の心に闇が迫る
“ごめん、ごめん”と焦る声
熱くなる目頭
笑いたいのに、笑 ....
空
抜けるような
青いうしろめたさを
雲
ぽっかり浮かんだ
白い嘘でなぞって
花
可憐な
ピンクのあてどなさを
葉
みずみずしい
緑のお節介が抱き ....
表と裏から
挟み込んで サンドイッチ
そんなゲームが 有ったような
手つなぎ鬼は
一人じゃあ 出来ないの
缶蹴りの 準備くらいなら
あの 自動販売機の前で
カランと音させてか ....
想いがまたひとつ
キラリと白髪になる
喜び悲しみ
全て抱えて白髪になる
白髪の老婆になりたい
たくさんの想いを秘めて
思い出がキラキラとひかる老婆になりたい
いま、立方体の中で手足を折り曲げている
きっちり蓋を閉めて 一分の隙もないように
それでもはみ出しまう「私」が漏れ出て
側面を綴りながら、ゆっくり滴っていく
シジン、と名乗っているうち ....
詩をよむ
襟をただして 向かい合い
掬いとられた言葉に耳を傾ける
駆けても丁寧にしても捕まえられない
のろまな自分をちょっとま棚に上げて
他人の世界に没頭すると
動き出すはずだ
....
育てる
花を育てる
愛しい我が子を抱くように
育てる
花を育てる
我が子の明日を夢見るように
※
よく見かけるひと
花電車の通う線路脇で季節の花を育てるひと ....
おやすみから はてははじまり
おやすみから はてなはうまれる
おはよう はてのはてな
黒い羽の眼鏡が
タクトを宇宙に投げる
バトンガールの腕の中
くるくるう
地球が回った
....
血液という海に守られている
骨という外壁に守られている
わかっていながら、
あたしはその中で平気で紛争を起こします
それを片や、狂気沙汰に批判します
....
{画像=111016151903.jpg}
迷ってばかりではないんだよ
ゆっくり歩いて来たんだ
途中に声を掛けてくる者もいたけど
脇目も振らず歩いて来たよ
....
セルロイドの花が咲いている
背景のない淡い闇のなか
赤い花も緑の茎も葉も
ツルンとしていて
それなのに/だからこそ
異様な存在感を放っている
それを見ている僕にも
背景のない ....
朝起きて お天気がいいと
布団を干そうと 張り切ってしまう
ワイドショーに 好きなタレントが出ていたら
めっちゃ嬉しくて 一日中ハイな気分
クッキーと紅茶で 午後のティータイム
仕事と ....
写真集の中の写真をうつした写真家は
もう死んでおり
この世界にはおらず
いまも死につづけていて
モノクロームに象られた
すべすべとした紙のなかに籠って
かたくなに孤 ....
A
枯れ葉が 裏も表も見せながら落ちて
そのうち葉脈だけになり
葉脈の下では 貴族のようなおももちで
うずくまっている それは わたし
B
独りきりの夜 ちいさく もりの ....
むらさき色に
宇宙がのびていくのを
見た
小さな
わたしの夕暮れ
家々の窓には
サーモンピンクが
反射して
遡上の川を
わたしは想う
街灯がともるには
....
透き通ったグラスに
白く砕けた貝殻を入れる
カラカラと乾いた音が
私の耳を潤す
グラスに耳を当てれば
澄んだ音色が
脳天から足の爪先まで
私の体を支配する
あなたは恥ず ....
生きる為と
趣味の為にお金が必要だから
バイトをしている
接客業だから
働いてて客に
「何だこいつは?」って感じたり
理不尽な事があったり
腹が立ったりして
思ったことをそのまま客 ....
地上におちた空をゆく
彼の死を、誰が宣告できるのか
海をすっかり失って
空をすっかり失った
嵐のようなこの水辺
終末の如き月の夜
やむ ....
今夜も、仕事から帰った家で
待っていてくれた嫁さんの
台所で、とんとん
野菜を刻む音がする
僕の安月給でやりくりする
我家の食卓
昨日炒めた野菜の残りでつくった
....
夢の中で誰かの手が伸びてきて
グルグルグルグル
ねじまわしの音
目が覚めて
鞄を持ちながら
あっちの会社こっちの会社
くるくるくるくる
回って回ってときたま鞄を叩いてチャ ....
かり かりらん からん
鉦の響きが行列を先導する
満ちていく途中の
なまめいて誇らしげな月の下
馬の背には選ばれた幼子
金襴にくるまれて
視線を集める戸惑いを隠せず ....
女の子が産まれたら
愛子という名前はつけない
愛という字を
書き慣れてほしくないから
女の子が産まれたら
しのぶという名前はつけない
耐えしのぶなら
逃げてしまいなさいと教えたいから ....
満月のせいで
胸元に口づけしたい
それから背中に手をまわして
背筋をなぞりたい
たくさん言いたい
たくさん抱きしめられたい
その数年分の星の数だけ
だいだい色の満月
あたたかさ ....
まず起きたら
顔を洗い
歯をみがき
ひげをそる
コーヒー飲んで
新聞読んで
パン食べて
テレビ見る
皿を洗い
庭掃除
ドライヤーかけて
鍵かけて
行って参ります!
....
おやすみ、あなたの黒髪にまだ青い葉をからませ
おやすみ、蔦は赤く、赤く血の色のよう
あなたの血のように赤く 私の血のように赤い
蔦を体に這わせ 木の葉の雨の降りしきるなか
そっと夢みる ....
さよならではなくて
また会おうね
と言った
私は息をのんだ
もう眼差しも宙に浮き
口の動きも
何を指しているのか
分からなくなっていたのに
「お父さん、また会おうね」
....
ことしも
かきのはながさいていた
それいじょうの
けっこんしきはない
ひやかして
かぜがくちぶえ
ふいている
それいじょうの
けっこんしきはない
やがてく ....
私は、暴漢の胸に
人一人殺すこと、容易い
恨みを込めに込めて磨いた
白銀の刃を、突き立てている
そして、見計らっていた時の訪れ
肋骨の狭間に、ナイフを埋め始めた
じわり、じわりと
そ ....
マーブルチョコレートが飛んできた
ゆっくり螺旋状に流れるように
光を浴びてきらきら虹色をまとい
こちらに向かって飛んできた
昔、子供の頃本物のサンタの写真を見たとき
昔、校舎の窓から ....
外は悲雨だから
いいんだよ、いいんだよ
ぼろぼろ泣いて、いいんだよ
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