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落日 悲しみ 

盲目 真っ暗闇

充血した満月 不穏に包まれる
白い頬 浮かび上がる
それは獣の呟き
孤独 
嫌われ者が背中を丸め眠る
閃光
現実から覚め ....
     朝起きて顔を洗うとすぐに
     台所へと向かう
     目覚めのいい朝も、悪い朝も
     遅刻しそうなほどぎりぎりでも
     必ず台所へ向かう
      ....
瞼を閉じると 
ピラミッドの中に閉じ込めれている自分が 見える
ときには 女王としてそこに留まって居ると勘違いしているときもあれば
奴隷として 居場所のない居場所に存在していると 思うときもある ....
帰省した
ほんの気まぐれに
親に顔を見せた
ひどく暑い夏の折
来月に盆を控え
年のはじめに世を去った
祖母を思った
居場所なく
結局仏間でくつろぐと
線香の匂いが
また ....
猫の喉奥から
小さな雷鳴が聴こえる
やがて
雨が降ることだろう

さみしさを埋めようとして
猫を飼うということを
怒っているのかい、

六月の保護色みたいな灰色の毛は
なでられる ....
   あしたの天気予報をテレビで眺め
   ちゃぶ台のうえのビニール袋から
   隠元をとってはへたをとり
   ざるに放り投げてゆく
  
   あしたは夕方雨が降るらしい
   隠元は ....
私はぐだぐだになって生きて

ぼこぼこになって死んでいけるほど

自由なのだ

傷つけ傷つき

特に正しくも

悪くもなく

いつかの準備のために人のなにかを

見過ごすこ ....
高架下に流れ込む
川は
いつも後ろ姿

追い越したくても余地はなく

一定の速度を保持し
行列を維持して
たどたどしく
けれど確実に
進んでいく


迷いながら
躊躇い ....
あまやかしても いいのだ
けして つめたいだけの人ではないのだから
心のかよわない言葉しか 今は ないけれど

こどものころの私に あの人が教えてくれたレシピ
ビスケットケーキ
 ....
心配していることなんてきっと
うんざりするほど感じているだろうから
心配してますアピールなんてしない 
幸せを願っていることなんて
どうせ痛いほど感じているだろうから
言わないでおく
心配 ....
いつもこころに青空を

宇宙の一部を

魚眼レンズで

俯瞰してやれ

いつもこころに青空を

曇り空よりも

ずうっといい

君もそうだろ

いつもこころに青空を
 ....
とっくに終わったよと
あきれ顔で南の国に言われそうだが
待ちに待った開花だ
長かった冬に別れを告げる合図だ

こんにちは
思い出を咲かせる
友よ
――黄金が憎いのだ
魅入られ 争い奪い合う 不動の価値が
金の卵を生む鶏は腹を裂かれて殺された
その輝きが飼い主を愚かにした
鳥でも蛇でもおよそ卵には天性の美のフォルムがある
それは新たな命 ....
熟れた苺は
三温糖の甘さで身をもちくずし
林檎は
シナモンの香リを身にまとわせながら
北国の樹を忘れてゆくだろう

{引用=ずっと果実でいたいという純心は
換気扇のはねに吸われて}

 ....
冬のあいだに育った
ふわふわの毛に包まれてみる夢は
ねじ巻き振り子のようにかなしかった
(なんでアンゴラ山羊になどうまれついちまったのか)
けれど
春のひざしに
あたためられて
気化して ....
こどもたちは みな せなかをまるめて
せなかをまるめていないのは みみずのこどもくらいです
どのこも せなかをまるめて 卵やおなかの中で すごします
拡張現実を手に入れた にんげんのこどもも
 ....
白い光が辺りを照らし
気分は少し救われている
明日の仕事をやり残したまま
うたた寝をする
こころは底の底に落ちてゆく

無理やりに身を起こし
コーヒーをすすり目を覚ます
静まり返った闇 ....
睡眠ぐ城に通って
かれこれ数十年になろうとしているが
欲望の肥満体質はいっこうに変わらないようだ
むしゃ修行も必要とやってはみるが
腹の虫はなかなか剣に収まらず
相手に具の音も出ない ....
夢のなか昏い洞窟のしたたり落ちる水滴と
森の朝の露が合成されてぼくらは生まれた

やがて酒場のにぎやかで気怠いピアノの鍵盤を踏んで
自分が誰だか気づきはじめるか忘れ去ってしまうかの
どちらか ....
こわいね
津波もこわいけど
ひとが

こわいね
一定量の空気を
うばいあうような
日々が

去年
母が逝った
でもまだ
郵便がくるんだ
転送されて

デパートの
スプリ ....
夜陰に
静けさの
微かに揺れ動く

ベッドを囲むカーテンから
白の色 剥がれ漂い出し

微かに振動する
静まり返った
四方空間に

彷徨い落ちゆく白の色の
帰着すべき基体の不在 ....
わたしから切り落とされた白い手が
向こうで手をふっていたのです

交差点にはひっきりなしに
びゅんびゅんと雲が行きかうものですから
どうしても渡るきっかけが
一歩を踏み出す勇気が
つかめ ....
あやとりを繰り返す

かたちを変えながら

手首を噛むと涙があふれた

哀しみ

届かない星々の煌めきの際

かたちを作りながら

あやとりを繰り返す


並木道

 ....
飛行機がなめらかにすべって往く
そう青くもない春の空
だだっ広くてなにもない
つかみどころのない空気の層を
真っすぐ切っているだけなのに
こんな遠くまで聞こえて来る


――あれは空気 ....
文章の欠片が部屋の隅で笑う
僕の脳内で言葉に白髪が生えてきて
杖のない単語がよく転んで痛がってしまう

今日は元旦
「あ」から始める餅つき
「け」「ま」りで祝う祈願成就と健康第一
「 ....
糸をつむぐ
それはかつて
繭だったものたち
それを産んだものは蚕という虫
それを育んだものは桑の葉
それを繁らせたものは桑の木

ふるさとを発つ時
小さなかばんに
宮沢賢治の詩集と
 ....
深くて暗い悲しみに
今日も小雪が降りかかる
集めた辞書に言葉無く
林の奥の細道を
震える肩を抱き絞めて
歩いても
歩いても
たどり着けない場所があり
カラスだけが空を舞う

深くて ....
扉のそとの明るい闇に
つっかけ一つで飛び出すと

石焼きいも屋さんがいた
おいちゃん、わたし千円持ってる
三つあげよう 特に美味しいのを選ぶからね
家には人間は一人しか待っていなかったけれ ....
冬至を過ぎたとはいえ
まだ夕暮れはとても早い
午後と思ってでかけたが
歩き出してほどなく
雲は彩られ
見る間に
黒い塊として
光の名残に縁取られていく

これが
最後の日没だろう ....
暗闇に蒼白い河原の
小石夥しく静まり返り
流れ動き澄む川は無音
黒く光る水面の異様
恐るべき氾濫を孕み
奥まった沈黙を保つ

決して終わらない不安は
この沈黙という深い謎に
剥き出し ....
たまさんの自由詩おすすめリスト(4531)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
盲人- 星丘涙自由詩8*17-9-4
ご飯と卵とわたし- 石田とわ自由詩9*17-7-22
- るるりら自由詩14*17-7-13
- かんな自由詩12*17-7-13
そういう生き物- そらの珊 ...自由詩15*17-7-10
隠元- 石田とわ自由詩9*17-7-8
ぐだぐだになって- 吉岡ペペ ...自由詩917-6-4
夕暮れの赤い川- Lucy自由詩9*17-5-30
クリミイ_ふくろう_- るるりら自由詩8*17-5-10
君の誕生日- Lucy自由詩12*17-5-10
いつもこころに青空を- 吉岡ペペ ...自由詩417-5-8
北の桜- 乱太郎自由詩12*17-5-6
ある錬金術師の告白- ただのみ ...自由詩9*17-5-6
五月はジャムを煮る- そらの珊 ...自由詩15*17-5-6
アンゴラ山羊のみる夢は- そらの珊 ...自由詩14*17-4-8
おせなかまるいね- るるりら自由詩10*17-3-14
うたた寝- 星丘涙自由詩10*17-3-13
家老ではありませんが- 乱太郎自由詩9*17-3-12
夢の原型- 梅昆布茶自由詩1417-3-11
スプリング・ハズ・カム- umineko自由詩13*17-3-11
白のイマージュ- ひだかた ...自由詩14*17-3-10
信号のない交差点- そらの珊 ...自由詩17*17-3-10
あやとり- 吉岡ペペ ...自由詩1017-3-9
春の飛行機- ただのみ ...自由詩15*17-3-8
あけまして- 乱太郎自由詩10*17-1-5
糸をつむぐ女- そらの珊 ...自由詩22*17-1-4
冬の悲しみ- レタス自由詩1117-1-3
扉のそとの明るい闇に- もっぷ自由詩917-1-2
心象- Lucy自由詩14*17-1-2
界の未知- ひだかた ...自由詩12*17-1-1

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