すべてのおすすめ
泥を沈めた水田が
澄んで
さかさまに写す
熊笹
イタドリ
蕗
ヒメジョオン
ミズナラ
ブナ
岳樺
胡桃
落葉松
槐
ヤチダモ
山はまだ若い緑で
ふんわりと盛り上がって ....
青い雨が降る惑星で
ディーラーの投げる裏表のないコイン
表に賭け、表だと告げる
なあ、あんたなら
この星が買えるまで稼げるぜ
女たちが歌う
誰も外を見ようとしない
....
赤とんぼ 無数に浮かぶ 夕まぐれ
あの石切り場 遊び呆けて つまづいて
ちょっとこころをおいてきた
指切り忘れて ふりかえる
鼻水垂らしたあいつやら しょんべんちびったあいつやら
みんな ....
静かな 絡まらない 単調に打つ 更ける思考回路
夜は 静かな 深呼吸を海水が触った砂浜を歩く時間
明日も仕事 明日は明日のこと
今宵は 物思いを 白線に直し 明日またスタートさせよ ....
ケチャップ切らしちゃってと
大人の笑顔で彼女は言った
僕の目の前に置かれたのは
ケチャップがのっていない黄色い肥満体だった
まあいいさとスプウンを入れたのだが
腹から出てきたのは ....
閉じられた瞼は
眼球にやさしくかけられたさらし布
或いは
フリンジのついた遮光性の高い暗幕
時折
なにかに呼応して
波打つように
揺れる
ベビーカーのハンドルに止まったちょうち ....
両翼を広げて谷間を覆う様に飛んで行く
渓谷に遊べば
すくい上げたのは 6月の空
まだ 冷たいね
あー
ホウノキの葉
何枚の葉が あの子を支えているのだろ
....
潮の満ちひきみたいに
おだやかで 残酷な
あなたのかたむき方をみていたら
指のうごかし方をわすれました
目ぶたの閉じ方をわすれました
息のし方を
すっかりわすれてしまいました
満 ....
摂氏零度付近で繰り返す
憤りと自己批判
つい今しがた晴天だったはずも
霰の降る未熟さ
頭を垂れるつららになれたらと
空を仰いでみた
雪解けの光沢に偽りはないのだが
春の陽射しは強すぎ ....
最近のこと
カフェインが脳天に響くようになってきた
寝つきの悪さに引っかかる ルアーが美しかったに違いない 釣られた
最近のこと
カフェインを一杯の風景を嗜む
マルメンの ....
きのう眠るときに
神さまわたしはしあわせです
と強く思った
いくども、いくども
今朝起きてまだ
しあわせだ
強く思える、いくども
いくども
からだがくたくたで
いまベッドのな ....
ぱすんと音を鳴らし
アイスキャンディーを取り出す
自転車を漕ぎながら
あっこの味あたりだ
今日も一日暑かったけれど
今時分の風が気持ちいいなあと
公園で立ち止まり木 ....
いつか交わる平行線がある
あたたかく降り積もった雪の下に埋めた
女になってしまう前の、
何でも言葉に出来ていた少女のわたしを
女になるというのは
自分が一番遠い他人のように感じる生き物に
なる事なのだ
女になっ ....
あっちゅと畑で取ってきた
モンシロチョウの卵は
タイミングが悪く
キャベツの葉が萎びるまでに
孵化しなかったので
学校で廃棄処分になりました
モンシロチョウの卵を
....
薄い日常の積み重ね
毎日毎日の積み重ね
ほんの数ミリでも
五〇年過ぎれば一八〇〇ミリ以上
厚みを持って人を越える
人知の及ぶ範囲。
一八〇センチの人の高みは
薄い日常の積み重ね
....
おそらくは
やわらかな春の香り
おそらくは
かぐわしい早乙女のような
おそらくは
この世に用意された
おびただしい
喜びと悲しみのあわいで
おそらくは
それは
幻の香り
さく ....
130603
突然
滝とはなんですか
滝とは
あの水が滔々と流れ落ちる瀑布のことですか
流れる汗をかきながら抹茶アイスで滝を見ながらひ ....
君が
はじめて私の手を離し
自分の羽根で
よちよちと
はばたいていった日のことを
母は忘れることができない
君はとうに
逞しい翼をひろげ
上空の風に乗り
母には見ることもできない ....
肌をなぞってください、つーっと、
電気がはしるまで
そしたら、きっと忘れてあげるから
1966年 ザ・マッコイズは
アメリカ中西部の街で「Come On, Let's Go」を歌った
飛行機事故で死んだメキシコ系アメリカンのロックン・ローラー
リッチー・ヴァレンスの曲のカヴァ ....
光では消える
だから 灯りを
照らすという意志が欲しい
だから 灯りを
ともすという力が欲しい
だから 灯りを
暗いものが見えるだけでも
心の灯り
たきつけているのは ....
カランと氷が泣いたなら
グラスの水滴なぞります
なにが足りずに欠けるのか
なにを足せば満ちるのか
欠けた夜空の三日月 ....
風に吹かれて空き缶が
ゆるい傾斜を上って行く
カンカラ転がり上っては
カラカラカラリと下りてくる
あの風が止んでしまえば
あとは 下りるだけ
底の底まで落ちぶれて
それ ....
浴槽の栓を抜く
しばらくは何事も変わらない水面
さざ波のそぶりさえない
今 渦中では
見えない引力に導かれ
出口へと
まさに水が
わあわあ殺到しているというのに
ことの始まりは
....
わたしはわたしの中に
夜を溜める
そしてその夜を醸してゆく
深くなるように
やわらかくなるように
わたしはわたしの身体に
花を鳥を
風を月を沁みこませる
わたしの中の夜が
やさし ....
目覚めても
夢が続くのか
岩穴に
風が吸いこまれていく
のぞく眼に
洞窟の奥でうつむく子どもが映る
近づけば
幼いままのぼくだ
小さいからだを
剃刀の風が
音を立てて
通 ....
辺りは静かで仄暗い
細かな気泡としなやかな水草だけが
照明の光を蓄えて揺れ動く
水槽の中を泳ぐアロワナは
夏の夜行列車に似ている
いつまでも眠れず、読書も捗らなかった
車窓に触れたゆび ....
開いて
閉じて
開き直る
胸のちょうつがいを
ギシギシ言わせて
自分の扉を開け放つ
隅から隅までよく見てみやがれと
立ち塞がった戸口の後ろで
気弱な本体が震えている
....
ある日クローゼットを開けると
床の上に散らばったネクタイの塊が
視界に飛び込んできた
どうしたものか…?と一瞬迷ったが、
とりあえずそのまま扉を閉めた
数日経って再びクローゼットを開ける ....
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