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肋骨の奥
さざめく{ルビ内海=うちうみ}
水面には
破砕された斜陽が撒かれていて
大都会みたい、
いつか つながっているという証明すらあった
いらない町みたいだね、
と つぶやくにも莫大 ....
 
あなたに刺さるだけの棘

あたいは花の咲かない薔薇だから

花の咲かない紅い薔薇だから


 
眠気眼のサラリーマンは
今日も大きなあくびをする
長いコートに包まれた
少し猫背なその背中

「いってらっしゃい」と声をかけたら
「いってきます」と言って
背筋をピンとのばした

 ....
ひものついた雪が
首の下で揺れる

残されているのに
しばられて

くずれていく 雑な音声

ふらついて
たてついて

鳴るはず も
ない すずやか
な 声
朝ひとつ
文鳥を買う
老朽の小鳥店で囀るけたたましさに呆然として
毱のような歪んだ標(まと)を見上げた

アクリルを
内側を
痛めつけながら悲鳴(いのち)は
雛たちから剥 ....
おっぱい



おっぱいがすきだ
まえかがみになったとき
えりもとからのぞく
おっぱいのあたまがすきだ
ぶらじゃーがかぱかぱして
ちくびまでみえたららっきーだ

おっぱいがすきだ ....
お空にうかぶお月様
まあるい大きな傘さして
明日はすねて出てこない

足元で咲く小さな花は
精いっぱいに背伸びして
きれいでしょ?と自慢顔

隣のあの子は憂鬱そうに
あくびと一緒に涙 ....
呼吸のように
代謝のように
君と僕を
当り前につなぐもの

歯磨きのように
晩御飯のように
君と僕を
さりげなくつなぐもの

無理矢理つなごうとしても
呆気なく解けてしまうも ....
 
 
アルミニウムの陰で 
子守歌を歌う
眠っている人は
おしゃべりだから
わたしも話せることは
すべて話したくなる
秋雨前線が北上して
他に何もないこの辺りにも
やがて雨が降る ....
台詞が浸透する
蝶じゃなくて花なんだ
月じゃなくて太陽なんだ
生活に懐かしい呼吸が舞う

遠くから見守っていた蝶が
夜のとばりのつぼみにとまる
戯れながら休息を得たなら
朝日を浴び 光 ....
海沿いを走る列車が
波飛沫を浴び
潮風を{ルビ喰=く}らってサビまみれだ

通りすがるたびに
このリビングに{ルビ軋=きし}む音が
クロスに跳ね返ってこだました

生活の一部となった音 ....
{画像=111110214109.jpg}



打ち寄せる砂浜に
文字を書いている

崩れ消えて行く文字達

流木を持ち
強く刻み付ける

水際に暗く強く ....
水の音に、
さらわれてしまった、
まるで、体は、
どこにもないかのように、
流されて、
くだけた、

服にまとわりついた
みずの、おとだけが、
私をぬらして、
ずっとずぶ濡れだった ....
打ち上げられた
鯨みたいに

疑問符は
すべもなく
空の青さを映しだしている



怒号も慟哭も、祝福も
みな同じ音ならば

この
広い世界に満ちるものは
みな同じ水だ ....
靖国通りの先に大きく聳える
東京スカイツリーの展望台から上部ユニット
メタル素材の三つの顔が浮かんでいます
陽光を反射するでもなく
ぎらりぎらぎら照り光っています。

ゆっく ....
夜風が強く吹いています

あなたの町でも風は強いですか

月が外灯よりも明るいです

あなたの町でも月は明るいですか


木々が夜風に鳴っています

ぼくを風がなぶっています
 ....
電線のすき間に光る欠け月
本当の私は いつも煙草を手に思いを口にしてた
風のあたたかさや
寒さ
楽しさ切なさを
今朝の風はあの日に似ていたよ 悲しみの模倣のように
冷たく
日差しゆるく
 ....
若い頃 林檎畑で見た光景
霜柱で凍る草の下に倒れるとんぼと
そのとんぼの上を 何度も上下に飛び
まるで助けようとするように 凄まじい気を
放っていたとんぼ つい 凍りの中から助け
しばらくし ....
暦の上ではけふから冬
パソコンが指に温かいので
幼い気持で十本並べた

若い自分に戻って尋ねた
あのころの若い夫に

どうしていつも私のこと怒るの
お前が馬鹿だからさ
どうしていつも ....
おく病で
部屋から出ないと決めた日
には 味わえない感覚

外に出たのは良いけど
人目気にして強がって急ぐ
身では 見れない風景



じぶんにとって
自然で無理のない
歩き方 ....
「明日という希望の光」
なんていううさんくさい言葉を
わたしはいつまでも信じられないまま
からだだけ大人になって

背けたい真実と
妥協する常識と
逃げられない世界に
がんじがらめにな ....
どんな棺も
青年の死には窮屈だ
母親の嘆きも
揺籃には大き過ぎる

白い菊も
その肌には不似合いだ
彼の愛したのは太陽や風
ロックンロールや女の脚

ああ、大きな坊や達
逞しい赤 ....
形のあるものはいつか消えてしまうけれど
心は消えてしまわないよね
君は問いかける



少し強い風が吹いて
あの黄色い花がうなずくと 
君はつぶやいた

私たちも心でできていればよ ....
喉を嗄らして
低周波で世界に発信する
・・・・ここだけの世界。
    発信器の低出力は金の無さか。
    それとも設計自体に問題アリ。
    コンデンサーが怒れているのか。
   ....
健やかに
太陽を浴びて健やかに
林檎は輝く

突然の風塵に出会うまでは

傷ついた林檎は
叫びの蜜を流し

やがて打ち捨てられ
谷底に堕ちる

それでも林檎は林檎たらんとし
 ....
思い出の数には限りがあって
両の手のひらからこぼれた思い出は
ひとひらの色あい

鮮やかに晩秋の野山を彩っては
やがて力尽き
道端の
ふきだまり
静かな眠りに何を夢見る



 ....
だれのものか
だれもしらない
島の ちむは
たましいの遺産

戦世(いくさゆ)でも
混血でも
総決起でも
珊瑚あたまのガジュマルが
三線片手に汗かき鳴らして




愛しく ....
空だとか
雲だとか
風だとか

宇宙の真ん中で

なんだかよく
立ち止まる

胸を突き破って
手が何かを
ほんの僅かな何かを
掴みたがっている

刹那
涙が溢れて
 ....
白い息を吐き出しながら
朝一番の病院ゆきのバスを待つ。
あたしの声は、
もう随分と白い息に呑まれ始めていて
夢の始まりのようにして
よくきこえない。

 小さく逆さまに立ち上 ....
 
 
犬小屋を作る
犬がいないので
代わりに自分が中に入る
隣の家から拙いピアノが聞こえる
丸くなりうずくまっていると
昔からずっとこうしていた気がしてくる
前を通る人が
中を覗き ....
たまさんの自由詩おすすめリスト(4531)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
揺曳- 伊月りさ自由詩1111-11-13
薔薇だから- 殿上 童自由詩14*11-11-13
いってらっしゃい、いってきます- 三奈自由詩1511-11-13
声帯系- 砂木自由詩11*11-11-12
白文鳥- 乾 加津 ...自由詩9*11-11-12
ひらがなでかけばゆるされるかもしれない- 木屋 亞 ...自由詩9*11-11-12
歩き方- 森未自由詩14*11-11-11
えにし- nonya自由詩20*11-11-11
秋雨前線- たもつ自由詩711-11-11
花蝶陽月- たちばな ...自由詩18*11-11-11
廃線- subaru★自由詩24*11-11-10
波に消される文字に_/_自分よ、心のままにあれ- beebee自由詩33*11-11-10
水音- ballad自由詩711-11-9
花散る里- 千波 一 ...自由詩6*11-11-9
靖国通点描- ……とあ ...自由詩1611-11-9
クレヨンしんちゃん- 吉岡ペペ ...自由詩711-11-9
欠け月- 凛々椿自由詩1811-11-9
銀河とんぼ姫- 砂木自由詩10*11-11-8
恥の上塗り- 木原東子自由詩11*11-11-8
月夜に歩いて- 結川菜青自由詩811-11-8
優しい色- 森未自由詩16*11-11-8
霊安- salco自由詩7*11-11-8
黄色くはないけれど- プリクソ ...自由詩211-11-7
ノイズ- 乱太郎自由詩10*11-11-7
太陽の林檎- うずら豆自由詩711-11-7
寡黙のひと- 恋月 ぴ ...自由詩19*11-11-7
遺産- 乾 加津 ...自由詩9*11-11-7
蛍光灯- もずず自由詩611-11-7
てんごくからのがらくた- Lily Philia自由詩411-11-6
バイエル- たもつ自由詩2311-11-6

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