すべてのおすすめ
ことりことり、ないているのかうれしくてまたかなしくて冬の青ぞら
立ちつくす白い時間をせつなさは雪を見ている君の目に降る
窓とおく汽笛は過ぎてひかりのみ冬の手紙を燃やす夕べを
....
よく通る口笛ひとつ風道に草の穂ゆれるいつか旅する日
風あかるい野は海の底くちづける花のあわさに惑う光を
{ルビ過去=すぎゆき}はさびしさ抱きけれどただ慰めるうた風と聞こえて
....
雨、雨、雨、やさしく閉じて透き通る春の惑いの Aquarium の
ふるえては芽生えるおもいこの胸のうすきガラスを風のララバイ
よんでいる心を奪い冬の鳥はるか Голос 遠くへど ....
三月雨、が降る
ほろほろとこぼれて少女は涙する
はちみつ色の瞳を濡らし鼻筋を濡らし
ああけれど溶けてしまうから唇をきゅっと結ぶ
盛り上がる雫は春の水 それとも冬の水
少女に言葉はいら ....
こころさえ、雲を光を追い越してひるがえる風みずいろをよぶ
雨はやく言葉を奪い流れゆくたどる指先このうすみどり
風だけがよんでいる道二人ぼっち朽葉いろした秘密かぞえる
頬杖 ....
おやすみ、あなたの黒髪にまだ青い葉をからませ
おやすみ、蔦は赤く、赤く血の色のよう
あなたの血のように赤く 私の血のように赤い
蔦を体に這わせ 木の葉の雨の降りしきるなか
そっと夢みる ....
青らむ、夏の
わたしの首すじ に
風がひそかな挨拶をおくる
揺れやまぬ草の穂先のいじらしさ
痺れた指でもてあそびながら
あなたのことをかんがえる
青らむ、人の
まなじりの ....