すべてのおすすめ
すこしだけ雨が降ったあとの

しずかな午さがり

横たわる身体を

ゆるい風が吹いてゆく

窓の遠くに

白くうすい月

……

目を閉じると

わたしは岸辺になる
 ....
その岸辺へとおりてゆくがいい
そこには優美な灰色の小舟と
一人の天使とが待つだろう

天使に導かれるまま
小舟に乗るがいい
舟底の{ルビ褥=しとね}に横たわるがいい
天使の接吻が
双つ ....
わたしはわたしの中に
夜を溜める
そしてその夜を醸してゆく
深くなるように
やわらかくなるように

わたしはわたしの身体に
花を鳥を
風を月を沁みこませる
わたしの中の夜が
やさし ....
丘の上 灰色のあかるさの中に
観覧車は立っている
色を失くしたその骨格を
冷たい空気にくっきりと透かして
ただしずかに廻っている

ゴンドラのひとつひとつに
乗っているのは
かつてそこ ....
夏が去ったあとのがらんどうに
いつしか白く大きな九月階段が出現していて
そして僕らはその段々の上に
蒔かれたように腰かけていた
ただそこで空を見あげていたり
何かを読んでいたり
歌をうたっ ....
たまさんの塔野夏子さんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
晩夏の岸辺- 塔野夏子自由詩2*16-8-31
眠りの天使- 塔野夏子自由詩7+*15-1-15
夜を溜める- 塔野夏子自由詩18*13-6-1
冬の観覧車- 塔野夏子自由詩13*11-12-9
九月階段- 塔野夏子自由詩22*11-9-11

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する