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一。
トカゲの日には皮を被る。皮は前の晩から窓際に吊し風を通し、皺を伸ばしておく。ただの革ならまだしもこの皮は生きた皮なので、扱いにはいつも神経を使う。一度ヒト ....
うなされていた。醒めると、冷たいはずの
手が、あたたかく汗ばんでいる。握りしめる
と、まだ感触が残っていた。呪いのことばを
呟いて、うなだれる。したたり落ちる汗 ....
ムーミームーをポケットに入れて、
雨の街を散歩する。
ムーミームーは雨の子だから、
ポケットの中は大騒ぎ。
雨が、
ぴちょりと歌うたび、
ムーミームーも歌い ....
犬小屋で眠っていると、
きつねのこんに声を掛けられた。
「どうして、
そんなところで眠っているんだい?。」
ぼくは、
わるいこだから。
そう答える ....
海岸に太陽が落ちていたので、
拾ってポケットに入れた。
手のひらは、
じゅって、
音を立てて燃えたけど、
そんなの気にならなかった。
どうしてもこれを、
....
目を覚ますと、
おちんちんがなくなっていた。
びっくりして鏡の前で確かめると、
やっぱりおちんちんがなかった。
おちんちんの代わりに、
林檎の芯のようなものが ....
あたたかいに誘われて、
陽射しの中へ。
ぽかぽかと微睡み微笑み、
ひだまりの中をひとまわりすると、
そこはひまわりさんの中なのでした。
こんにちは。
あ ....
ひとりの頃は辛かった。
仕事を終えた夜は、
いつも罪の意識にさいなまれ、
眠れず、
飲めぬ大酒を喰らい、
やっと落ちた夢の中でも、
責められた。
ある ....
読まれて落ちる卵には、
きっとわたしの顔は付いていない。
だからどうぞお好きなように、
割って食べてくださいませ。
わたしの伺いしらぬ、
卵でございましょう ....
「太陽を見たことがない。」
きみはそう言って、
ぼくは太陽の話をした。
きみはそれだけじゃ満足しなくって、
だからぼくは旅をして、
色んな太陽を見て回ってる。 ....
わたしは毎朝目覚めると、
あなたの前で尿をする。
下半身を突き出し、
あなたがそうしていたように、
尿をする。
わたしの尿は、
黄色かったり透明であったりす ....
わたしの妻は冷たい。
どれぐらい冷たいのかというと、
夜中に妻の躯の冷たさで、
飛び起きてしまうほどである。
そんなとき妻に触れていたわたしの部分は、
軽い凍 ....
沈みゆく刻、
夜を想い。
海は光と戯れ、
波を奏でる。
了。
くもり硝子に指を滑らせる。
流れ落ちる水滴が、
鏡に映るきみの涙と、
重なって見えた。
さよなら。
....