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いつからか生きていて、
それから
名称のない日をきょうもおくり、
ゆくゆくの事も
少しは考えるけれど、
いつか
夢の
なか
ゆめにゆられて
ゆめの
なか
の
ような ....
そこに行けば、また詩人に会えるだろう。そう思って、葵公園に向かった。魂にとって真実なものは、滅びることがない。葵公園は、賀茂川と高野川が合流して鴨川になるところに、その河原の河川敷から幅の狭い細長い ....
あるきはじめてから
やっと息をすることを
感じたものだから
四つん這いにすすむことが
やっとで
匍匐前進した先で
どんなに頭を上げても
見えないものは見えないだろうなって
息が上がって ....
父さま ふらりと旅に出た
おむすびひとつ 手にもって
あの山こえて ひとまわり
ここはいったい どこやろか
父さま ぼんやりしすぎてよ
きた道わすれて おおまわり
いちばん星が 見え ....
双子は、ふとし、ひろしという名前だった
冬は人を太くするための、夏は人を広くするための季節なのか
「いかにも」と長老は言った
その手紙はどこまではめくっていいものなのか
花は空を信じて、まるで ....
幸福の纏わりついた夜の衣を脱ぐ
ジャージにウィンドブレーカーを羽織り、
フリースの手袋をし、小さなライトを握る
外へ出ると冷気が両頬をビンタした
星空の朝は、町中の窓がまだ眠っている
信 ....
朝起きてカーテンを開けると
電線にわたしがいる
鳥の姿をしているが
見間違うわけはない
数十年かけて探し回って
こういうかたちで出会うとは
じっとこちらを見ているが
とくに興 ....
まっ青に晴れた空の下
うなりをあげた風と共に
ちょっと前の未来からやってきた
小さな落下傘部隊が
地上に舞い降りてくるけど
今しか見えないにんげんには見えていないらしい
彼らは透明の弾を連 ....
心のなかに
空っぽの部屋がある
空っぽにしてある
なにかなくしたわけではなくて
空っぽの部屋は空っぽだから
タンスもない本棚もない
ラグも敷いてないし椅子もない
ポスターもカレンダー ....
マガモがシベリアからやってきてはにぎやかに鳴いている
人造湖に多くの渡り鳥達が群れていた
赤い大きな橋のたもとにあった古い山小屋旅館は解体されて
長い年月に蓋がされた
昨日今日、ほぼ今年最 ....
貴方に、希望も与えない
闘う大義が無いなんていうことが、あるのだろうか?
怒りは、石ころ
いつでも足元に転がってる
蹴飛ばせ そして、踏みつけろ
理由という大義を探せ
私 ....
どっかの時空の三蔵法師が
私の頭の緊箍児(きんこじ)を締め付ける
私は孫悟空じゃない
法師様よ間違えてくれるな
明らかに緊張性頭痛であるが
ストレッチなんかやる気力はないので
まっしろ ....
お花のかたちの穴が空いた
躰 心 かわいいね かわいそう
埃の積もった秒針 潰れたウジ虫
誰も知らない アーティスト
好きなものばかり 食い散らかして
破裂して死ぬ みんな
骨と皮 ....
テレビに映るにこやかな笑顔
介護の大変さなど微塵も見せず
嬉しそうに成功した親の介護を語るゲスト
母と私はため息をついた
(介護ってそんなに生易しいものじゃない)
祖母を介護していた ....
「こんばんは、」
鏡越しに降る もしくは水面越しに降る 積もる
記憶は曖昧 瞳のシャッター 脳内現像と再生 にて
私を移ろい 彩る全てに於いて 堕落しないこのぬくもりは
....
全て言葉にした途端真理だった
私が病み始めたのだろうか
懐中電灯の灯りは
最深部の闇の中でもがいている
ここはどこだ?
しんだような眠りから目がさめる
正しい言葉はもういらない ....
○豆腐
しかし。
まがいものにあふれたこんな世の目と鼻の先を一歩二歩三歩……とことこ歩いたすぐ横丁にあるスーパー。顔なじみの店員。
「いらっしゃい」
「どうも」
「いつもの ....
古い白い花の蔭に
恋の嘆きをみていたむかし
チョコレートの銀紙を
折り畳みながら過ごした夜
なつかしい想い出は
楽しく稚い愛の物語
その震えも忘れてはいないけれど
....
窓から手を離すと人形に戻ってしまう
ちいさい 秋も
おおきな 冬も
はくぎんいろの 抜けてあつめた
けだまに
ころころと まるくなるよ
あなたの ちいさくておおきな
迷いやふあんの中に
ほんの少しでも わたしが ....
成層圏を脱出してから
どれほど経ったのだろう
宇宙の果てまで
まだまだ遠く届かない
来世という未来に託すしかないのか
路傍の石ころに生まれ
泥に生まれ
虫に生まれ
魚に生まれ
豚 ....
醜い羽を 力強くふるわせて
わたしは 飛んだ
深い夜を 泳ぐように
まばゆい明日を 吹き飛ばすように
あなたを めがけて
わたしは 飛んだ
呼吸が風に ちぎれて消える
わたしの過 ....
私は私で
他の誰でもない
通じない言葉に疲れて
スマホを放り投げた朝の散歩道
きみは私を処刑しようと決めた
細い路地を右折する
ふと、思い出し
ふと思い出せなかった
小さい頃
僕はいつから
自転車を乗っていたのかな
夕焼けのなか
町の空き地で
いもうと揺れる
かあちゃん揺れる
....
草々は刈られ
広々とした川辺に
一本足のたんぽぽだけが刈られずに
ぽつんと取り残されていた
小春日和はきまぐれに
命の鍵をもゆるませる
死ぬのだったらこんな日がいいなと
薄い皮膚のま ....
間違って、鳥の巣のなかで目を覚ますこともあった。間違って? あなたが間違うことはない。Ghost、あなたは間違わない。転位につぐ転位。さまざまな時間と場所と出来事のあいだを。結合につぐ結合。さまざ ....
夜の街燈はいつも
何かを考えている
光を灯すだけでなく
決して暗いことばかり
考えているわけではない
夜の街燈の思考が閃いて
宇宙が一輪の花になる
あまりの果てしなさに
自分の孤独を感 ....
「最近のカローラ、乗り心地良いね」
「あ、これ、メガーヌっていう車です」
出席するだけの会議のあと、家まで送ってもらい、
黄色いルノーを国産車と勘違いしてしまった
そういやあ、ヤリスとプジ ....
僕らは階段の話をした
かいだん、と言う
君の発音が好きだった
一日中、階段の話をして過ごした
街では日々
階段は増え続け
壊され続けたから
話が尽きることはなかった
このまま二 ....
調律をしをえたばかりの
おとぎばなしは
こぢんまりとした
こどもの耳の中で
ふたたび輝く
なまえのない宝石を
空にかざす
君がなまえをつけてくれ
ささくれたブランコに留まる
....
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