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新年のはじめての夕焼け
久々に会う家族とこたつで雑煮などを食べ
あるいはふだん遠方に住む同窓と旧交をあたためていた
あの日
それは突然に来て
なにがなんだかわからないうちに
時間がひび ....
手のひらですくえるほどの軽さ
ふっと息をかければ羽毛のように
水のようにさらさらと
それくらい
それくらいと言いたいのに
あなたが踏んだ泥は何億年後かにも
化石になって残るだろう
た ....
神を探している
渦巻く嵐に仕え
霞に額づき
灰色の聖餐を受ける
そんなことができるような神だ
雪が降るよ
遠く故郷を離れ、胸の中に
あの重い、湿った
削ったばかりの木片のような
....
ひみつ
口にもしないから
風も通らずよどんで
古い醤油瓶底のようなそれ
そんなものが胸のすきまに
たまって
口がどんどん重くなる
もう一言も発せないから
すこしばかり目 ....
花の種を植えようよ
そこに種があるかぎり
植えようよ
おおきな水が
うずまく火が
ようしゃない光の炸裂が
通っていったあとの
街の
そのあとの
地面を探して
土があれば
植え ....
走ってる
走ってるよ
ただ走るために走ってる
ああ、明日が追いついてくるよ
影が手を伸ばしてるよ
もっとはやくしなくちゃ
とまったらだめだよ
立ち上がれなくなっちゃう
足がもつれて ....
秋に撒いた種が花を咲かせたか
わたしは知らない
春になる前に去らなくてはいけなかったから
瓦礫のなかに
そっと咲いていたらいい
眠ると亡くなった人に会える
まだ生きているような感じで
....
1台のシーシャのように
同じ味の夢を共有した
あおい煙をくゆらせて
交互にホースを持ち替えて
ぽつりぽつりと交代で話す
夢ってね叶わないんだよね
そんなこともわかる年ごろで
けれ ....
口を開こうとしてやめ
口を開こうとしてやめ
そのうち億劫になってごろ寝をする
現実が早すぎる
明日も生きるはずだった人たちの時間が断ち切られ
まともな水も食料もない
そんな日々が続 ....
闇のなかへ祈りをポンと放り込む
どこか奥のほうでぱしゃん、と水の音がする
跳ね返ってくるかすかな水音が
応えなのだろう
それを紐解いたりはしないけど
冷える夜に丸くなって眠る
....
焼き場で
まだ熱い骨を拾いながら
生きててえらかった
と言う
レエスの縁のハンカチが
小さなポケットからはみ出して
花に埋もれたあなたは
びっくりするほど小さい
いつ終わるのか ....
いま生きながら埋葬されている
あなた
血の滲んだ手で墓掘りのスコップを握ってる
それもあなた
あなたのお葬式は
だれも知らないうちに行われる
正しい名が呼ばれることもなく
墓標もない ....
爪を剥がす
わたしの指は二十本あるので
二十回できる
それはやさしさの残機
不安に駆られるゆうべは
脳を取り出して洗う
ホームセンターで売ってた一番強い漂白剤に浸けて
洗面台でじ ....
なにひとつ持っていかぬという気持ちで
日々、靴をはき
仕事をし
夕飯の買い物をして
靴をぬぐ
思い出も悲嘆も後悔も
生き残った人たちのもちもので
三途の川の向こうには持ち越せぬ
....
いままで亡くなったひとびとの
すべての墓に供えるには
花が足りない
そのことをかなしむこともできないほど
墓標は増えつづけている
忘れられた
記されなかった
記憶のなかに
わた ....
きょうのわたしはしにました
あしたのわたしもしぬでしょう
でもまたうまれてきてしまうでしょう
そのようにし いきてきた
ぼくはひとりでなんでもできるよ……!
という稚さを
大人になっても捨てきれず
いや、ますますひどくなり
おさない傲慢さと足りなさが
反響し
一個の駒のようにまわっている
ぐらぐらと今 ....
拝啓と書く
敬具で〆る
小学生のとき
電話とメールというメディアの違いを考えよ、という課題があった
今はもう、そのどれもがふるい
既読がつき、いいねがあり
三分の空隙にすら意味がうまれ ....
本田憲嵩さんの凍湖(とおこ)さんおすすめリスト
(18)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
あの日
-
凍湖(と ...
自由詩
2*
25-1-1
たましいの重さ
-
凍湖(と ...
自由詩
8
24-12-30
神を探している
-
凍湖(と ...
自由詩
4
24-12-25
ひみつ―澱
-
凍湖(と ...
自由詩
5
24-12-18
種を植える
-
凍湖(と ...
自由詩
4
24-11-7
走りつづける
-
凍湖(と ...
自由詩
4
24-10-6
花を渡す
-
凍湖(と ...
自由詩
5
24-9-29
煙の味
-
凍湖(と ...
自由詩
3
24-5-22
ルート
-
凍湖(と ...
自由詩
9*
24-3-2
まどろみ
-
凍湖(と ...
自由詩
8
24-2-3
熱い箸
-
凍湖(と ...
自由詩
7
24-1-17
いつしか百年がたち
-
凍湖(と ...
自由詩
12
23-9-23
日曜日の家事
-
凍湖(と ...
自由詩
8
23-9-15
向こうの花畑だけが
-
凍湖(と ...
自由詩
12
22-12-11
いままで亡くなったひとびとの_すべての墓に供えるには_花が足 ...
-
凍湖(と ...
自由詩
8
22-11-19
そのようにし
-
凍湖(と ...
自由詩
3
22-11-4
ままならぬ
-
凍湖(と ...
自由詩
2
21-10-23
文通
-
凍湖(と ...
自由詩
18
21-10-10
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