すべてのおすすめ
水浸しの草原に黒い鳥たちがいる
どこまでも濡れた大地に星が映っていた
シマウマに乗って宇宙へ行く
果てしなく遠い、天地の境を行けば
そこに揺らめく虚空の入口がある
朝が来れば揺らめきは消えて ....
指先を太陽に翳して
陽の光の中を着物の着崩れを直しながら歩く

隣町まで足を棒にして歩いてみたら
少しはこの気持ちが楽になるだろうか
茶色い茅葺き屋根の家を過ぎて
長屋を横目に見て
空き ....
私は葬式がきらい

何のためにいくのか そんな自分が嫌になる


激しくない人づきあいの中で

人の心配はすれど 人から心配された記憶はあんまりない

あくまでも他人 それが死んだら ....
あの日の夜空はまったくの偶然なのでしょうか
生きられないと思っていた
希望とかそんな簡単に声にできないなにか

立っている
電柱から
(かすかなノイズを)

点が結ぶ線を
つまさきで ....
  十九



 土間のかおりが濃い風の中で
 今もまだ鏡を磨くその人は
 母方の大叔父だった
 茶摘みが好きな
 ハモニカの上手が
 無口な夏の
 終わらぬ波の狭間へ
 時の流 ....
氷の季節には回虫も動きを止めていた
突然太陽が暴れだしたのでリンコ/僕は逆らうことを諦めた

ゆるせないのは涼しい顔をして腹の虫を肥らせていること
弱虫と見せかけて強い者には抵抗し、さらに ....
 ふしあわせ というものが
 とくに こころ美しく
 あたまのするどい ひとに
 みいる のでしょうか

 はんぶん いろづいた林檎の
 つめたい甘酸っぱさを
 あなたは こころ ....
砂を、食べている
無限に広がる
砂漠で

時々蜘蛛を、見つける
その、内臓も食べる。

そうして今日も
照りつける太陽に焼かれて
流れ出る汗と熱に

揺れる視界に
方向感覚 ....
国道沿いの店が
またひとつ閉まるらしい

馴染みの店ではないから
暮らしに困ったりはしないが
こみ上げてくるのは
素直な寂しさだ

どうすることも出来ない
寂しさだ

こ ....
汗が目をつたい
塩辛さが痛い
草は水を失い
根無し草を被っている

ミンミンゼミは狂い鳴き
一日のはじまりから終わりまで
命の終末まで生を主張する


夏は終わろうとしていた
 ....
砂粒がかがやくと
水際はふたたび沈んだ
土用の波が音をたてて崩れる
台風前の静けさが
妖しい雲に包まれていた

あの賑わいは、
もうない
貸しボートも
焼きそばも
かき氷もやってい ....
濃い青の空に
白い雲の城砦がいくつも立ち
なかぞらを埋めつくす蝉時雨
他のどの季節にもない濃密さで
夏は君臨する

けれどその夏の中に
巨きな空洞がある
夏のあらゆる濃密さが
そこで ....
小さな手花火
火をつけられたら 
そこからはじまる
儀式
一瞬燃えたあと
丸く赤い心臓が生まれ
酸素を吸って
チカチカと
この世ではじける
火の花
いっときの命
えいえんには続か ....
いつから、

あそこにゐるんだらう。

日溜まりの向かふに、

声がする。

日溜まりの向かふに、

声がする。

わたしの声だ。

それは、
 ....
画集の、印刷の匂い、
――――――――――
私はもはや空っぽで、
何も求めてはいない。

何もかもとお別れして、
真っ白な風の中を消えていくのも、
そう遠くはないだろう。

画集の印 ....
窓の外からプラハの音がする
かつて愛していた人や物も
眠たい砂鉄のように
廃屋に降り積もっている
少し押し込むと
そこで手触りは行き止まり
肉体は肉体たちのメニューとなり
旧市街 ....
力なく銃を取り落とした右手
ひとつしか置けない椅子
空にも海にも嫌われたぼくらの青い瞳
その頬に伸ばして撃ち落とされた左手

羽ばたく魚 溺れる鳥
黄色い旗 黒い丘
愛そのものだった内臓 ....
ぼくはどこへゆくのかなぁ
ポケットにビー玉がじゃらじゃら
麦わら帽子に少し汚れたランニング
ビーチサンダルの鼻緒はブルーだった
あの頃のぼくはもういない

灼熱の街を黒い革靴でさまよう
 ....
iqが20違うと
会話が成立しないそうな
高い方が病気扱いですな

おまえには難解でわからないだろ
誰もわからなければ
病気扱いですな

なんかいー感じ
を大事にしてもらいたい
作 ....
改札を抜けて、特急へ、準急へ
各駅へ
すみやかにゆきわたる
(還る)

のびていくかげぼうしの
澄んだ鼓膜をとおり

(低いファの音がぼーん、と)
ぬぐってもぬぐっても
幾度も響く ....
カニ味噌を泳ぐ
珍しい形のしゃもじが
私をご飯にする
世界、と口にしてみる
人口よりも多い
イクラを数えながら
父は余生を送った
美味しかった、とだけ
書かれた遺書を見つけて
 ....
いまからおれは
ナスのことを話す

乳白色のレジ袋の中
群れをなすナス
おれはナスに仇なす者

包丁の鈍い光
ナスのヘタ切り離す
輪切り
乱切り
半月切り
水にさらす
もはや ....
{引用={ルビ水=water}

射掛ける

{ルビ藁=straw}色の光/が}


姉妹たちは

patchouli の馨りを辿って

護謨林の{ルビ陰翳=迷路}へ

(拍 ....
 仮名の桜は星害によわい。もう少し適した土地に植われば善かったのだろうが、残念ながらこちらの星には、系の恒星となる日廻りによる明白とだんだら闇が存在する。明白のあいだには仮名桜は水を吸うことしかできず .... 亡びたもののあかるさが満ちる夏の庭
もう誰も時刻を読むことのない白い日時計
茂みに囲まれた小さな池

茂みをざわめかせていた風がやむと
あちこちの陰にひそんでいた気配たちが
(それが何の気 ....


インインと{ルビ頻=しき}り啼く蝉の声、
夏の樹が蝉の声を啼かせている。

頁の端から覗く一枚の古い写真、
少年の頬笑みに指が触れる。

本は閉じられたまま読まれていった……
 ....
聴きたい言葉があるから
言葉を選り分けがちだから
わたしのうたは
時々停まる

勝手気ままな振る舞いなのに
まわりは優しく熱してくれるから
溶けて、冷えて
溶けて、冷えて
わたし ....
話をすればそれらは
すべて白紙になる、例えば
真冬の薄暗い水面を航行してきた
一艘の空気自転車が
小さな港に着岸する
凍てつく畑を耕す幼いままの父や
瓶の底に落ちていく身体
擦り ....
降りしきる砂に埋もれてゆく
さまざまな過去が現れては消え
羽のない水色の鳥は
ぼんやりとした想いの空をとびつづけた
ここが幻だとしても
今は見ているものが現実だった
砂に埋もれてゆくからだ ....
作業をしていると
体温があがる
汗がどんどんでる
それでもあがる

水道で
手のひらを流す
肘から先も流す
蛇口の下に突っ込んで頭も流す

身体の中には
確かに血が巡っていて
 ....
本田憲嵩さんの自由詩おすすめリスト(2112)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
シマウマに乗って宇宙へ行く- atsuchan69自由詩12+*23-8-26
名もなき花- 久遠恭子自由詩13*23-8-21
故人を偲ぶ- 短角牛自由詩123-8-20
ほしをみていた- wc自由詩523-8-20
十九- soft_machine自由詩11*23-8-19
イカリンコのうた- アラガイ ...自由詩9+*23-8-18
みずうみ- リリー自由詩15*23-8-18
砂漠(草稿_II)- ryinx自由詩14*23-8-18
様変わり- 千波 一 ...自由詩423-8-17
晩夏- 山人自由詩12*23-8-16
終わらない夏休み- atsuchan69自由詩8*23-8-16
夏の空洞- 塔野夏子自由詩11*23-8-15
線香花火- そらの珊 ...自由詩13*23-8-14
陽の埋葬- 田中宏輔自由詩12*23-8-14
空白- 由比良 ...自由詩4*23-8-13
プラハの桜- たもつ自由詩5*23-8-13
テスト投稿- 印あかり自由詩3*23-8-12
ビーチサンダル- atsuchan69自由詩12*23-8-12
病床にて- りゅうさ ...自由詩3+*23-8-11
ファ- wc自由詩10*23-8-10
美味しい食事- たもつ自由詩7+*23-8-10
ナス- 大覚アキ ...自由詩723-8-9
reisuï_/_cylot_o'_culo- 墨晶自由詩2*23-8-9
仮名桜待ち惚け- 万願寺自由詩3*23-8-8
夏の庭にて- 塔野夏子自由詩14*23-8-7
陽の埋葬- 田中宏輔自由詩15*23-8-7
カナリア- 千波 一 ...自由詩423-8-6
空気自転車- たもつ自由詩11*23-8-6
砂の鳥- atsuchan69自由詩10*23-8-5
夏を乗り切る- 日朗歩野自由詩7+*23-8-4

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71