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月の夜だった。
海は鱗を散らして輝いていた。
波打ち際で、骨が鳴いていた。
「帰りたいよう、帰りたいよう、海に帰りたいよう。」
と、そいつは、死んだ魚の骨だ ....
カーボンニュートラル
ペーパーレス
紙は無くなりつつあり
本すらも紙でなくなっていく
紙
紙さま
神さま
そういえば最近
神さまもあまり見なくなったなあ
居づらくなっ ....
今日もこらこら怒られて
後楽園で乗り換える
地下深い南北線から丸ノ内線
ダメ山さんはカイトにされて
天高く干されてる
ダメ川さんは海賊船で
スイングされている
エスカレーター エスカ ....
春風が優しく過ぎてゆく銀杏並木の散歩道
木陰で静かにスケッチをしていた私に
さりげなく声をかけてくれました
見えないバリアを被っているつもりだったのに
あなた ....
終えて
始めることを
止めた
当り前に
巡ることを
諦めた
透き通った人達の
声が届かないように
ひたすら囀った
正しすぎる風に
猫背を向けて
なけなしの炎を護ろ ....
花形新次とは何者か
それを最後の問い掛けとして
此処に一輪の青い薔薇とともに
置いて行きます
いつかまた
自称詩人を殲滅するために
戻って来る日まで
グッド・バイ
ちいかわになりたい
って口走るくらいには
疲れてる
労働したり
チャリメラ食べたり
やってることはおんなじだけど
わたしには
....
1.ジャンク・フード・メモリ
冷蔵庫にババロアがあるから
と言って仕事に行ったけれど
それが本当のことなのか
過去のことなのか未来のことなのか
わからなくなってしまった
残業を ....
言葉の力は強い
それは特に詩でなくてもいい
人生に一撃を与える一行もあるだろう
それは特に詩でなくてもいい
言葉の造形はある その造形は刺激であり救済でありエネルギーである
イメージ ....
「クリスマスチキン」
だから、と
ちょっと張り込んで
ネットで評判が良かった
ガストの
ローストチキンとピザのセットを
【娘と夫に確認してから】
予約したのに‼️
....
{ルビ水裹=みづづつ}み、{ルビ水籠=みごも}り、{ルビ水隠=みがく}る、
──廃船の舳先。
舵取りも、{ルビ水手=かこ}もゐない、
──{ルビ月明=げつめい}に、
{ルビ水潜 ....
きょうび 灰に花に 煙に霞に
忙しくて
あなたの影ができない
光さんざ降る 窓の外にも
薄暗いお家にも
心の 海原にも 大地にも
忘れないで 忘れて 忘れないで
あなたの声が
不快 ....
あまりにも静かだ
軽い欠伸をし
目蓋を開けると
まゆの中に横たわっている
それは刹那に消えた
暖かい
そよ風が柳を揺らし
水面には睡蓮が浮かんでいた
ウスバカゲロウが無数にふわふわ ....
「金じゃ買えない物がある 26歳」を
「金は出すから美味い物を食わせろ 41歳」が惨殺し
「焼き過ぎないレア 年齢不詳」を新たなパートナーとして要望
腕が悪い奴は焼き過ぎてしまうが・・・
....
「明日は黄砂が降るでしょう」
天気予報の声はAI
曇りマークのない混じりけなしの晴れマークなのに
洗車したばかりなのに
布団は干せないなあ
とか 少しばかり
黄砂のことを恨んでみる
....
中華料理を食べそこねた兄が
急行列車で帰ってくる
僕はまだプールの水底で
習字の練習をしている
兄は僕より背が高く
顔も様子も似てはいないけれど
よく双子と間違われた
習字のはら ....
私はサンチュという名の自称詩人で
妻がカボスというこれまた自称詩人です
ついでに息子もチーズトンカツという自称詩人です
家族三人揃って自称詩人をやっています
私とチーズトンカツとは
親子のせ ....
ことしは喪中はがきが多い
きょう、八通目が届いた
古い友人
映さん、七三才
わたしの姉と同い年なのに
映さんの本名は、恵子だという
知らなかった
詩友とはペンネームでのお付き合いだか ....
きみのいない午後は
あたたかいけど うつろで
コーヒーの湯気が のろのろ移ろうのを
ぼんやりと 眺めている
こんな感じ 音もなく葉陰が揺らぎ
窓枠に
淡い緑が染みこんでゆく
....
踊っている
{ルビ歪=いびつ}な星の上で
バランスをとりながら
踊っている
踊っていないと
この星からこぼれ落ちるから
どこなのかわからないどこかへと
昔
この星は歪でなかったとい ....
東の風が吹いていた
醤油工場から醪(もろみ)の匂いが漂う路地
ぼくはスニーカーの紐を堅く締め直し
重いザックを背負い直した
遠くに行ってしまう前に白い灯台を訪れたかったのだ
乗客は三人だ ....
──おいでなさい。よい星回りです。
(ゲーテ『ファウスト』第二部、相良守峯訳、罫線加筆)
畳の湿気った奥座敷、御仏壇を前にして、どっかと鎮座する巨大なイソギンチャク。
(座布 ....
師走は
わざわざおいでくださった
昼下の陽に
茶の用意だけ、が塩梅です春へ
師走は何かと気ぜわしく
あれこれすることが多いから甘めの紅茶を一杯飲んで
一息つきましょう
正月に失礼がな ....
お母さんとお父さん、どっちが好きって
昔から必ず子どもに聞くあれ
いい加減 法令で禁止にしてくれませんか
どっちがいいか選べって言ってるんですよね
子どもがもしもキライって言ったら どうするん ....
写真の坂本龍馬の右手は
着物の中に入っている
「何か隠し持ってると思う?」とキミは訊く
ピストルとか? 物騒な時代だったから。
物騒な時代が終わったというわけでもないけれど
だけどもう誰 ....
#WHO(フー)
聖樹になり仰せた大木も
世代交代の意味を知り
朽ちても若木の行く末を
あんじては身を粉にして
樹木は時代を乗り越えてきたの
世界樹があればいいのに
成人にも ....
・遠く
離れたままで
わたしたち
白い季節を一まい隔てた
(冬の華は六角形に受粉する
その周りを
星の子どもたちが手をつないで
ぐるぐると回りながら
白を蘇生させようとしている
(か ....
ほつれていくテレビに
故郷が映った
見慣れた橋や川面の姿
人も映っているけれど
ほつれていて
よくわからなかった
会釈くらいはしたかもしれない
そう思うと
雨の音が聞こえた
....
慣れし故郷を放たれて夢に楽土求めたり
一度低く
故郷を放たれて楽土求めたり
一度低く
を、放たれ、土たり
いちど
を、土求めて
オクターブ
故郷求めたり
胸の奥底深く湧き水の波紋 ....
光と闇
有と無
生と死
男と女
出会いと別れ
プラスとマイナス
それらは刹那と那由多に螺旋を描き宙を舞う
遠い過去から遠い未来まで
縁は空の先まで永遠に続いて往く
今頃お ....
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