すべてのおすすめ
笑いながら枯れていった
夏草の影は
種子を残さなかった
わたしたちの手のひらには
やがて海が降り始めた
砂の建築物がぽつぽつと建って
線路が敷かれた
私鉄沿線沿いの小さな部屋で
わたし ....
理科室で 実験できないあなたは
窓ぎわで光り こぼれる(り……
あなたと 婚約する
大きなおとと
擦り切れた脳みそで
何か(何だったか……
言おうとしても
言葉が虫歯に引っかかり
(痛 ....
ガラクタを
大切にしていた本気で
思い出して
迎え行って
オNEWも
好きだよ
それなりに
だけど所々いたんでいる
ぼっこいのは
かなり 惹かれる
申し分ない女に
....
きょうのわたしはしにました
あしたのわたしもしぬでしょう
でもまたうまれてきてしまうでしょう
そのようにし いきてきた
たんたんと
こころのおきばしょをさがすために
いきてきたわけじゃないのに
あいらくも
たんたたんとやられちゃ
もうなにもかも
あぁ
そんなことのために
ことばが ....
食パンマンみたいな
頭をした北の豚まんが
猛り狂ったように
ミサイルを撃ちまくっているが
ひょっとしたら
花火と間違えているんじゃないか
という気がしてきた
フジファブリックの歌を
バ ....
あたりいちめん
黒曜石の闇
静寂
ひんやりとした闇を
全身で感受しながら
踊りはじめる
身体ひとつ
黒曜石の闇の中
踊っている自分の
手先足先さえ見えず
けれどその身体 ....
腐った野菜たちをゴミ箱に棄てるときに
ちょっと躊躇した
そしてこうも考えた
この怒りで湯を沸かし
茹でて食べてやろうかと
でも仕方がない
野菜たちは腐った
醜い自分を憎ん ....
それから
わたしたちは
小さな書物になりました
耳を閉じて
陽の当たらない書庫に
丁寧に並べられて
呼ばれない名前を付けられ
秋が去るのを知りません
鳥たちは渡っていったのか
薔薇の ....
眠りについた赤子の
涙一筋
大人の期待と
赤子の不安
(先立つ不孝をお許しください)
一筋の涙が辿った
走馬灯よりも短い
私の生涯でした
大人の欺瞞と
赤子の正直
....
やみよのしじまが
うるさくひびく
うるさくひびいくては
わたしのけはいの
たいきけんにしんにゅうする
ほしなんてみたことないという
あなたに
ほしをみせてあげたいよるが
いくつもとおり ....
きみの教室はいつも水浸し
ぼくの上靴にフィンが生えてきた
きみを追いかける足は上手く回らない
きみは息継ぎが苦手でいつも口ぱくぱくで
そんな間抜け面もとても可愛くて
ぼくの教室も常に水浸しで ....
コンサートの演目が残り少ないころにぼくは生まれた
終電の網棚にある週刊誌ほどには世間をしらずに
世の中にはどれだけの情報量が飛び交っているのだろう
量子コンピューターの時代に8ビットの
演 ....
夜風に紙垂がゆれる
一文字だけの汗
斜影のない自転車を追いかける
金星はいつも金星で
見上げれば笑う檸檬の月
御前三杯酢をと乾く舌から 季節は巡り
....
三人分のメジナを
海から釣り上げる君の。
笑顔を思い出す夜に
家族という文字が
暗やみから落ちてきて、もう
もう泣いてもいいの。と耳打ちしている
染みわたっていくあたたかさの
ふかふ ....
散歩をする君は多彩で、私と妻が辿ってきた人生の来歴を一つ一つ口に放り込んでいるかのようだ。君は新しい景物にふれることで心身の底が熱され、ほとんど走るように前進しながら喜びの声を上げる。散歩をする君 ....
ぬかるみにまどろんだ
つきのはなしをしっているだろうか
雪はふりつづけ
ものがたりをせがんだこどもたちは
まだねむれずにいるというのに
わたしたちの王国のはなし
夜空をのみこん ....
ありったけの善意が
満ちていた画面
だれもがいいヒト
でいようと必死だった
みんな
自分自身の状態に
満足し
あきらめが蔓延し
死の匂いは充満した
弟が
ぼぼぼくがお思うに
詩詩 ....
ウンチの実態は
食べ物の残りカスではなく
細胞の死骸なのだと聞いて
私は脳細胞の死骸だと
勝手に思ってしまった
確かにトイレに籠って本を読み
粘ると便が出ることが多いので
脳細胞の代 ....
ちょい悪オヤジは
イタリアンで
レオンとかいう
雑誌の表紙を飾るが
極悪オヤジは
テカテカの頭に
薄いグラサンをして
新聞の三面を飾る
極悪オヤジのオヤジなんかは
たまに死刑になった ....
靴紐くらいしか
結べなかったあの頃
君と出会えて
絡み合ったり
僕の両手に
花束が届くような
日々だった
嬉しい顔が
出来なくても
そのリボンで
君と繋がっていると思っ ....
空には星がある、ぼろい暗幕のことだ。
引き裂けぬだけで虫がついて、
大層蝕まれ穴だらけではないだろうか。
それら包まれて流されてきたばかりだった
今日は今日とて曇り空の舌で何を舐め取ろ ....
なぜか得してるように見える
しょうがない人
なぜかいつもニコニコ和ませる
しょうがない人
なぜかスローモーション
しょうがない人
もしかして ヤキ ....
うすぐもり
ベランダから
なにを見ているんだろう
虫
鳥
雲
それとも
窓
ひとだけに
不自由がはびこる
気づくと
いつ死んだかわからない
カタツムリの
はりつめたよ ....
深夜
誰かが窓を叩く
マンション11階
泥棒にしては行儀がいい
盆はまだなのに
誰か帰ってきたのか
そっとブラインドの隙間を覗くと
命を懸けて
光にたどり着いた甲虫だった
....
買い取れないかんじょうせんには、もしもが、いくつもちらばっている。数億の星を、口に含んでも甘くはない。たとえば僕が女だったら、さよならもなかった。どうして?にはどうしても、が。ついてまわる。僕は私に成 ....
どう見てもセブンだったコインランドリー
セリアになった文教堂
跡形もなく消えたケンタッキー
街の記憶ではない
私の記憶である
誰にも譲ることのできない
私の記憶である
市営住宅の ....
もっと散歩にいきたかった
もっと抱いてあげればよかった
もっと話しかければよかった
もっと贅沢させればよかった
もっと遊んであげればよかった
もっともっと一緒に
朝に夕に
百万回名前 ....
月までの
長い階段を
上ってる
永遠みたいな
道のり
階段端で
休んでいると
月側から下りてきた
子供が隣に座る
何も言わずに
じっと私を見てる
腕時計を外して
....
二〇一八年十一月一日 「現実」
現実はきびしいね。だけど、がんばろう。がんばる仲間がいれば、だいじょうぶ。
二〇一八年十一月二日 「考察」
ぼくというものを媒体として、 ....
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