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よく会う散歩の犬が
寄ってくるなり吠えた
いつもは尻尾振って
甘えたそうに来るのに
何か憑いているのだろうか
疲れていることは確かだけれど
よく会う野良の猫が
寄ってくるなりシャーと ....
飛び出せずに
炎の中にいる
爛れていく
劣等感
独りで這いつくばって
光なんて邪魔に思った
いつからか壊れてしまった
心は感覚がない
それでも心の奥が揺れると
急に苦しくなる ....
まだ泳ぎ方も知らなかった
プールの青
透明で冷たい
頭から飛び込んだんだ
息を止めたまま沈んでいく
足をばたつかせるけど
やり方はそれで合ってたのか?
全然わからない
今このま ....
日々ひび割れていく
成長痛と共に
涙が滲んでも
それが養分となって
伸びて
またひび割れて
生きていくって
瀕死の状態
地獄に思えるのは
頭の中のせいなのかな
ひび割れないように
....
カーネーションが花屋を飾る
それでやっと思い出す
薄情だと自分で思う
せめてもの気持ちで電話する
久しぶりだね元気なの
困ったことがあったら言いなさい
声が聞けて嬉しい
こっちは元気 ....
わたしがあたしを見つめたとき
あたしの心が安らいでいく
あたしがわたしに微笑んだとき
あたしの未来が見えてくる
新しいところに行くために
今までのものを背負っていく
誰もが未来の山を登る
....
森の奥
木の葉が私の羽に絡まる
苔の鼓動
微かな羽ずれの音
迫る夜に小さく鳴く
風が木の葉を揺らす
川が流すinstrumental
夜の裾に隠れた光に導かれて
羽を広げてゆく
私が ....
ふわっと蒸しタオルで顔を包まれる安心感
顔を包むホイップクリーム
束の間の緩みから転落するように
カミソリが肌を滑るスリル
リラックスがこそげ落とされ
たらればが緊急に緊張を引き出し
背骨 ....
小さく丸まった背中に
触れようとして
手をのばせなかった
盆の季節までさようなら
しわしわの笑顔で
手を振る人
何度も振り返って
手を振ると
小さくなった姿が
まだ手を振っていた
....
花粉が賑やかに飛ぶころ
木蓮の花の蝋燭が灯る
さようならも言えないまま
誕生日みたいに巡りつづける年
降り積もってみれば
だんだん記憶も曖昧になって
凝縮された切なさが
心に小波を起こし ....
故人の手紙を何度も読み返しては
そこから滲み出る慈しみに
自分を抱きしめさせて
水曜日
逝ってしまった時の空気が
毎週巡って心を冷やすのを
線香一本分の煙で温める
繰り返す
毎 ....
子供の頃の習い事は
どれも壁が出現した時
手折ってしまった
しまった
諦めが早すぎた
選択肢が多かった時期に
自ら摘んだ芽の根っこは
まだ生きていて
芽吹けない土壌を
地底か ....
龍だった体はゴワゴワと
一年分の出来事に塗れて
空を飛ぶには重くなった
カレンダーを新しくして
つるんと剥けてスルスルと
元気に走れよ 僕
大きな蛙は呑み込んで
栄養にしてしまえ
蛇行 ....
UMAがゆらりゆうらりと
こちらへ向かっている
新月がその姿を曖昧にする
心の中に抱いている
あんなことやこんなことを結びつけ
その姿を見ようと頭の中を巡らせた
心に浮かびあがる月とU ....
君の鼻歌を引き出すために
何を話したらいいだろう
緊張を含んで発した言葉は
白々しい空気となって
沈黙の中に霧散してしまう
きっと些細で単純なことと思うのは
僕だけなのかな
意思を感じる ....
いつもと同じ道を歩くと
強い向かい風が押し返してきた
風に負けて逆方向へ行くと
風が背中を押してくれた
いつもじゃない道を歩いて
知らなかった景色を見る
背中の風を失わぬよう
流れるよう ....
ブラックコーヒーをもらう
飲めば喜ばれる
その代わり自分の時間はなくなる
油断すれば尊厳さえも
わかっていながら
最初はチビチビと
やがてゴクゴク飲み干す
今では自らブラックコーヒー ....
公園の池の際に母子がいる
母は子供にパンを渡し
子供にパンクズを池に投げさせた
池の鯉は競って大きな口をパクパクした
傍には鯉に餌を与えないで下さいの看板がある
通り過ぎる人々の視線が母子を ....
青白い顔
まだ魂はそこにある気がした
らしさと共に
だんだん土気色に変わると
らしさから白い鳥が飛び立ち
魂を持っていった
すっかり深い土色となったらしさは
白い花々で埋め尽くさ ....
声をかけようとして躊躇った
鬱蒼としているその背中は
家事の音を大きく立てながら
部屋中に電気柵を張り巡らせていた
薬缶のお湯が沸騰し湯気を吹いている
まだついていない嘘のシミュレー ....
ずいぶん長いこと静かだった
道路の舗装工事をしても
気づかれることなく
死んだように眠っていた
それが突然起きてマジギレして
大地に穴を開けた
近くに人がいたら殺していただろう
忘れかけ ....
君に走り寄ろうとして
転んで思い切り擦り切った
泣いて湿り気で覆えば
傷の治りは早くて
綺麗だったかもしれない
けれど泣かなかった
血小板の力を借りて
乾いて固まっていく体液
新しい皮 ....
女は役割に疲れ果て
横たわり目を瞑った
瞼の裏
いつか失くした鯨のオルゴールが
雲型のメロディを吹きながら
子供の頃の記憶を雲に映し出し
女は少女に戻り鯨に呑まれる
やがてメロディが ....
胸に火炎の種を宿して産まれてきた
赤子の時は泣いて火の粉を散らし
成長するにつれて自分で消火し
胸の印を隠して生きてきた
あなたに出会った時
胸が疼いた
忽ち火炎が咲いて
私が私に目 ....
昨夜の嘘はあなたには通用しなかった
思考の引き出しにある秘密が小さく震えるのを抑えきれず
あなたの唇が弱いところに触れると思わずこぼした
照準は1ミリの狂いもなく急所をとらえ逃すことなく
脳天 ....
誰かの作った世界で
見ざる言わざる聞かざる
飼い慣らされて
俯いて取りこぼした夢
言われるままに行進する
息を殺したまま
三猿たちの断末魔の足音
かつて某猿が摘んだ花だけが
上を向 ....
理不尽に叫びたかった日
拳を握りしめながら目を瞑ると
瞼の裏は草間彌生
体内の粒子が猛スピードで蠢いている
顰の素顔を塗りつぶし
呼吸をゆっくり
数を数えて
瞼の裏のざわめきが
....
今日もおばあちゃんと折り紙で鶴を折る
最初に三角に折るところから
おばあちゃんは折り方を忘れてつまづいてしまう
だからまた折り方を教える
だめだねえ
弱々しく笑うおばあちゃん
毎日 ....
きつい今現在
全部投げ捨てたくなる
消えてなくなりたい
あゝ
嗚呼
苦しい
夕日は沈む
朝日は昇る
それを繰り返し
いつか景色は変わる
かもしれない
それを信じながら
今日を生 ....
精霊馬に乗って来い来い
鬼灯提灯こっちだよ
魂つないで出かけよう
太鼓も鳴るよ
ドドーンドーン
響け響け
BONE BONE BONE
巡れ巡れ
BORN BORN BORN
....
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