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瞼の裏側で眠りの松明が燃え盛る
タップを踏む睡魔が天然色の幻へと誘う
大地を俯瞰すれば麒麟の群れが走り
文明は密林のように摩天楼を生やした

水曜日の波が大通りへと押し寄せる
チョビ髭を歪 ....
 われらはビーチグラス埋まる砂地で咲く
 浜木綿なのか

 空に憧れ
 海に真向い
 樹々にさまよい
 陽を讃え
 愛の溢れた瞳を求め微笑み合う
 ひとり あなた
 ひとり わたし
 ....
暗渠の遊歩道で
綺麗なタチアオイを見つけ
立ち止まる

>今日が見頃みたいだよね

シャッターにかけた指が止まる

驚いて振り返ると
柔らかな眼差しの老人が立っていた

>実 ....
森を下る

雨粒は
木々の隙から落ち
葉を伝い
流れ集い
地をじっと濁す

私は抗いたい
貪り尽くしたい

見上げても
どうともならない
午後五時に
叛心は
裂かれた潮の ....
風のささやきに誘われて
釣り人は初夏の{ルビ渓=たに}に分け入った
モスグリーンのいで立ちの彼は五月の若葉に溶けて
神経質な魚たちの警戒心を得ることはなかった
川面に近づくには音を立ててはいけ ....
蛇が布団の上で死んでいる。いつから死んでいたのか知らない。腐ってはいないが干からび始めている。とても大きな蝿が一匹ぶんぶんと飛んでいる。開け放しの窓から風が激しくて臭いを感じることができない。反故紙が .... ●学校の子供たちに数学を教えている●わたしは●数学の教師●学校が済むと直ぐ帰って●二階へ上がって●二階の書斎で●読みかけの本を読んでいた●やがて●暗くなり●窓の外を●夜の間にひどい雨が降った●その .... そこに愛はあるんか?

あるさ 愛はある

夜の散歩 カーテンから漏れる光

少しの隙間から覗く エアコンの白

漏れるテレビ音 美味しそうな匂い

愛はある ただ

自分の部 ....
日々豊かに降り続く雨は
山の頂きから川を下って
大地を潤し
海へと流れ
やがて世界の端から
宇宙へと降りそそぐ

波に流されるまま
地球からこぼれ落ちた私
遠ざかっていくのは
距離 ....
大切な悲しみを
傷つけて
悲しくなる。
光る風は
美しいままなのに



見えないのに在る
そよ風は
光り
さびしいこころに
吹いて来る



のっぴきならない
 ....
ぎゅっとにぎった手のひらに伝わる金属の鎖の冷たさ
そっけない硬い木の座面
離してはだめだよ と降ってくる、声
靴底で蹴るとざらっとして土埃
膝で漕ぐたびに
行ったり来たり
ふりこはゆっくり ....
{引用=
「皆の幸せのためなら、僕はどうなってもいい」
             ――丸喜拓人『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』


痛みが穿つ伽藍の中心で、黄金の螺旋を重ねる術語があり
折り ....
キリスト看板、コンドームの自販機、公衆トイレ

詩が書きたい
詩が書きたい
忘れちゃってた自分の痛さも全部言葉にして数年後に愛すためにも

消費よりも浪費よりも懐古が増えたので私は ....
窓のペンキが剥げかけた
白い木枠に
凍った雨粒がはねた

体を流れる時間の粒子は
凄い速さでキュルキュルはじけて
天の川に広がってしまう

目が覚めたら咲いている釣鐘草のように
一瞬 ....
ふ と

見上げると
クジラは空を読んでいた

東には
逃げ遅れたはぐれ雲
クジラはふらんと尾鰭を揺らした

南からは
色と香りをまとった風
クジラはぬわっと口角を上げた

 ....
むかし戦争があったなんて
――きっと嘘だ、

円柱型のチョコレートを
小さな花紋のある包み紙を破って、
贈り物だと信じて食べた
チョコを食べると、熱くなって
自分が強くなるのを感じた
 ....
 通勤電車でふと絡みあう視線
 作業着姿で伏し目がちに座っている
 その人の 汚れた軍手をはめる手に
 真紅の盃

 みずみずしい酒の香のなせる業にして
 白髪で皺きざまれる{ルビ貌=かお ....
銀行へ行った日、自転車で坂を下ると、急に夏の顔になった道がひらけて、水色の画用紙を引き裂いたように、夏空が目の前にせまる。ああ、もう夏か。

それで私は小学生の頃を思い出す

なんだかちょうど ....
どうしても届かない距離にあるような、
手を伸ばしても触れないものでできているような、
時代と名前をつけられて、それでもそこに今あるようなものを、
わたしたちはこういう時だけ呼び起こして、
砂時 ....
1台のシーシャのように
同じ味の夢を共有した
あおい煙をくゆらせて
交互にホースを持ち替えて
ぽつりぽつりと交代で話す

夢ってね叶わないんだよね
そんなこともわかる年ごろで

けれ ....
君に出会って
約束の意味が変わった

ひとりで絡まっていたリボンは
ふたりで結べば羽ばたけるって

僕に空をくれたから
雨でも降らなきゃ
燃え尽きそうだった

いつも僕の少し先を
 ....
心臓が動いている。命を頑張っているのだ。でも気分が落ち込んでいる。地平人たち。地平人たち。ツバメがもうすぐ脛を蹴る。今のところ人の死ぬ姿は見えない。苗木が巨大化していく。ベンチがボロボロになっていく。 .... 光は
沈黙して
影も
沈黙するから
手を合わせる



闇の
しずかさに
ぽつんとちいさく
ひとつの光
脈動している



光合成をする
葉と
つながっているの ....
花のことばを受けとった
これで こころは繋がるだろうか

明るいからひらいたよ 暗くなってとじた
思えば散ってしまうから
窓のこちらに棲んでいる
冴えた夢 透けはじめる頃
言いかさねるお ....
星を見ている
さわやかな匂いのする星を

きめ細やかな舌触りのことばが
サイババの放つビブーティーみたいに
どさどさ生産されている

なのにどうして
あの星は
あんなにも苦しそうなの ....
  

その炎が走ることが
わたしの命のトモシビが灯ることだと
こころのなかを正確に吐露してくれた
旅人になりたかったミイは
とても元気に軽やかに憎々しく
他人やほかの動物や草花 ....
なんて名前だったかな?
(ロン・ハバート『Battlefield Earth 1 奪われた惑星』第三部・4、入沢英江訳)


そしてそれはここに実在する。
(ロン・ハバート『Battle ....
 昔々
 その昔
 あなたのもとに集い
 昔々
 その昔
 あなたの指先追いかけた
 いつしか
 あなたに弾かれて
 いつしか
 あなたに打ち出され
 散り散りになった
 かけら ....
令和の五月
夏のようでも冬のようでもある夢の白昼
暑さに震えて
五反野駅前を歩いた

わたしのわるい眼では
通行人の姿が見えない影だけが揺らぐ

バス停では
不揃いの椅子が並ぶ
ど ....
生まれつき聾唖を背負った
人生は地獄だと
一本の大きな釘が私の胸めがけて突き刺してきた
その日から私は
果てしない透明の中に自分を失いそうになりながら
無音を指揮する能力を身につけようとして ....
本田憲嵩さんの自由詩おすすめリスト(1784)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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